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<ガンバ大阪>初先発のFW食野亮太郎が起用に応える先制ゴールを奪うも、引き分けに終わる。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

前節掴んだ勝ち点1を繋げるべく、ホームで鹿島アントラーズ戦に臨んだガンバ大阪。前半は若い選手が躍動し、インテンシティの高いゲーム展開となる中で13分に、今季J1リーグ戦では初先発のFW食野亮太郎が先制点を挙げて監督の起用に応える。だが前半終了間際に、鹿島に同点弾を許すと、一気に受けに回る展開に。後半もその流れは変えられず、後ろに重い展開となる中で耐え凌ぐ時間が続いたが、守備陣の奮闘も光り、失点をすることなく1−1で終了。勝ち点1を積み上げた。試合後のガンバ監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

ー前半のゴールシーンの部分もそうでしたが、サイドの崩しからFWが落としてという形が何度か出ていましたが、鹿島戦に向けてどういう準備をしてきたのか、また、それが時間が経つにつれて出せなくなった原因をどう考えているのか教えてください。

まずは、札幌戦を振り返った時に、もう少し厚みのある攻撃や、前で揺さぶるとか、縦パスが少ないというのが課題として挙げられたので、それを改善するためのトレーニングをしたのが出たと思います。後半少し、前半の守備の部分、もしくは攻撃の部分での運動量が、後半は運動量のところで出て行けなくなった。特に右サイドのところで出ていけなくなってしまった。特に相手も研究してきたところもあり、相手が攻撃的にきたというところが原因かなと思います。

ー食野選手を先発で起用しましたが、期待したことと、抜擢した理由、今日のパフォーマンスについての評価を聞かせてください。

今週はずっと練習の中で調子が良かったですし、練習の中でアデミウソン、ウィジョの2トップのポジション争いに加わるだけの力を見せていたので今日は起用しました。少し簡単にボールが失うことが前節は多かったので、彼にはボールを受ける時のタメであったり、中盤から前線にいくときのつなぎ役だったり、ボールを逆サイドに持って行く時の起点となるようなプレーを期待して送り出しました。もちろん、普段からたくさんシュート練習はしていますし、それが出たんじゃないかと思います。後半も1本チャンスがありましたし、ああいったところを決められる選手になってほしいと思います。

ー前半、すごくハイテンポな展開だったと思いますが、あれは理想とするものだったのか、それとも少し行き過ぎているなと感じられたのか。

理想はインテンシティの高さは求めたいですが、もちろん相手がボールを持つ時間帯もありますし、自分たちが攻めづかれをするときにもう少し落ち着く時間も必要かなと。その試合巧者ぶりは必要ですが、いま若い選手がたくさん出ている中で前に推進力を持っていくところは活かしていきたいです。ただゴール前まで、近くまで運んだ時のクオリティがまだ足りないのでシュートまで行き切れなかった、そういうところは改善しなければいけないと思います。(つまり、失点する前では監督がやりたいサッカーだということですか?)やりたいというと少し言い方は難しいですが、今のメンバーで相手を上回るために、あのシステムを組んで、勝ち切るためにはこのやり方がこの試合に関してはいいと思い、選手にそれを表現するようにトライさせました。

●DF三浦弦太

前半最後の終盤の失点が痛かったというか、あの失点をしてから少し受けに回ってしまった。そこはまだまだ改善しなければいけない。どうしても受け身に回ってしまうと、前半の中でも全然別のチームみたいな感じになってしまっていたので、そこは押し込まれようが、失点しようが、できていたことを続けることが大事かなと思います。(どうすれば受けに回らずに済んだと考えますか?)もっとクリアした時にラインをあげてコンパクトにすることと、あとはボールに対してプレッシャーをかけて、自分たちで奪いに行く守備ができていた前半はそれがうまくはまっていたと思うので、前半の終盤くらいからすごく受けてしまったし、なかなかそれをおしかえせなかったなと思います。(3バックで両ワイドがべったり後ろにかかってしまうと全体がどうしても重くなってしまう。本当はもっとサイドは攻撃に加わらせたかったというイメージですか?)もちろん、前半のサッカーは非常に良かったと思うし、それを90分通してやれればどこの相手だろうと結果が出てくると思うので。そうやって相手に対応されたり、押し込まれた時の対応だったり、課題というのは出てきていると思うし、逆にいいところも出てきているので、そういった部分を…ここ少し中断するので、修正していきたいと思います。

●MF食野亮太郎

(リーグ戦初先発の試合でゴールが取れた)1点取れたけど全然満足していません。チームを勝たせる選手になることが目標なので勝ちにつながっていないので、満足していないです。(先発の起用について監督からはどんなことを言われていましたか?)いつも通り、キレを出してゴール前でしっかりシュートを打ってこいと言われていました。それを出すことを心がけていました。(大事な先制点だったと思いますが)そうですね。アデミウソンがいいタイミングで落としてくれて、自分もイメージ通りに打てたのは良かった。(後半のシュートが決まってたらというところですか?)そうですね。あのシュートが決まっていたら2−1で勝てていたと思うので、ああいうところでしっかり決められる選手が上にいける。そこはまだまだ自分は足りないので満足せずにまた2週間準備したいと思います。(前半、ハイテンポの戦いになりましたが、相手に対策を講じられて後ろに重くなってしまった。どういう変化をさせようと思っていましたか?)前半は相手の4−4−2のブロックの中間で受けて、うまく攻撃を左右に振って、前進させて行くことを心がけましたが、後半相手も修正してきて、なかなか間があかなくなったので、一度、裏に引っ張ってみようというところで結構、裏に抜け出そうかなと思ったんですけど、前にタフにプレッシャーがきたので、なかなか後半もうまくいかなかったかなと思います。(試合終わったあとは倒れこんだ。点を取れなかったことを悔やんでのことですか?)こういう試合を勝たないと順位としても上にいけないし、個人としてもレベルの高い選手になっていけないと思うので、ああいうシュートシーンでしっかり枠に飛ばしてゴールを取れるようにしっかり練習したいと思います。(このメンバーで90分最後まで使われた責任も感じていたと思います)そうですね。今日、スタメンで使ってもらって、90分使ってもらった中で、1点じゃ物足りなかったんですけど、ツネさん(宮本恒靖監督)のためにももう1点とって勝利したかった、期待に応えたかったというのは本音ですけど、次はしっかり勝利につなげられるように頑張ります。

●GK東口順昭

(後半相手に対策されて、全体が下がってしまった)そうですね。点を取って受けに回った瞬間にもろに崩れてしまった。あそこは少しチームとして若さが出たところでもあったと思います。失点をしても、それまでの流れのままのペースで戦えたら良かったんですけど、結果的に受けてしまったことで、相手の思う壺になってしまった。(ハーフタイムではどんな話を)いい時の攻守を続けようという感じで後半に入ったのですが、なかなか後半は難しかったですね。ただ、最後のところだと思うので。そこまでは全てが悪いわけじゃないと思うので、いいところは続けていきたいし、ただ、チームとしての押し込み方というのがまだまだ勢いで押し込んでいるような状況なので、そこをもう少し意図的に、狙いを持って押し込めるようになっていけば、もっと自分たちの時間帯も増えていくのかなとは思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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