遠藤保仁のプロ22年目が始動。引退を決めた楢崎正剛ら、偉大な3選手にも初めて言及。

新体制会見では元チームメイト加地亮とのトークショーを実施した遠藤(撮影は筆者)

 1月9日、ガンバ大阪MF遠藤保仁が始動した。早生まれの彼は1月28日の誕生日で39歳になるが、40歳の『大台』を前にしてもマイペースぶりに変化はなく、1ヶ月強の長期オフも例年通り、完全休養にあてたとのこと。

「オフは休むためにあるので、楽しく過ごしました」

だが新シーズンに向けた決意を尋ねると表情を引き締め、思いを言葉に変えた。

「新しい選手、新しいスタッフも含め、全員が一丸となって、昨シーズンの良かった部分と良くなかった部分をチームとしてしっかり共有しながら戦っていきたい。スタートの大切さは昨シーズン痛感しているので、まずは開幕戦に向けて、各自がベストコンディションで臨めるようにしていきたいし、まずは1戦1戦、目の前の敵をしっかり叩きにいくことを繰り返していければいいなと思っています。『タイトル』は一番わかりやすい目標ですが、1チームしか獲得できないものだと考えても簡単ではないし、僕たちは昨シーズン、残留争いをしていたチームだけに大きなことは言えませんが、やるからには一番上を目指したい。連覇をしたチームもいてライバルは多いですが、Jリーグはどこが優勝してもおかしくないリーグになっていると考えれば僕らにも十分、可能性はある。それを信じてやっていきたい」

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 また、個人的な目標については「健康第一です(笑)」と冗談めかして話したものの、そのあとに続いた言葉には、歴代2位を数えるJ1出場試合数(602試合)にもつながる彼のプロサッカー選手としての信念が伺えた。

「フィールドにいい状態で立てることが選手として一番大事なこと。1年を通した戦いではいろいろ波もあって当然ですが、できる限りその波をなくしながら、常にいい状態で、自分の力を発揮できるように試合なり、練習に臨んでいきたい」

 『目の前の試合によりよいコンディションで臨み、結果を求める』という姿勢は、昨シーズン限りでの引退を発表した楢崎正剛(名古屋グランパス)、中澤佑二(横浜Fマリノス)、小笠原満男らの姿に学び、自ら実践してきたことでもある。

 彼らの『引退』について、この日初めて言及した遠藤は「今シーズンも同じピッチに立って戦いたかった。対戦できなくなるのは寂しい」としながらも、長きにわたって第一線で活躍してきた彼らの功績を讃え、彼らのプロフェッショナルな姿を見て多くを感じてきたことを明かした。

「本人にしかわからない戦いもたくさんあったと思いますが、満男にしても、佑二にしても、正剛さんにしても、クラブと代表の両方で数多くの試合を戦いながら、あれだけ高いパフォーマンスをずっと維持してこれたのは、みんなが見ていないところで、相当な努力をしてきたからじゃないかな、と。日本代表に入っている間はいろんなものを犠牲にしてやってきたはずですしね。また、メンタル的にも強いものを備えていたからこそのキャリアでもあるはずで、そうした全てが噛み合わなければあのレベルの選手にはなれなかったと思う」

 それは遠藤も同じだろう。

 思えば、昨年、彼は21年目のシーズンを迎えるにあたり「大きな怪我がなかったことも、ここまでのキャリアを築けた理由」だと話していたが、それを成し得るために、また、第一線で活躍を続けるためにどんな努力をしてきたのかは、察して余りある。いや、そうであるからこそ、引退を決めた3選手の『見えない戦い』にも寄り添えるのだろう。

 ではこの先、遠藤自身はどこに向かって戦いを続けるのか。遠藤がプロのキャリアを歩き始めた横浜フリューゲルスの先輩であり、J1試合出場数では唯一、遠藤の前を走り続けてきた楢崎が持つJ1最多出場記録(631試合)は意識しているのだろうか。

「正剛さんはフリューゲルス時代からお世話になってきた偉大な先輩。数字が全てではないとはいえ、出場試合数のところで僕の上にいる正剛さんを抜けるようにしていきたいという思いはもちろんあります。僕自身、現時点では今シーズンも試合に絡めるかはわからないですが、少しでも多く試合に絡み、いいプレーを魅せ続けられたらチャンスはあるはずですしね。僕ももう40歳目前で年は年なので…年なりのプレーになるとは思いますが(笑)、仲間と切磋琢磨しながらいいパフォーマンスを示していきたいし、まだまだやれるというところを証明していきたい。そのためにも、いろんな面を伸ばしたり、衰えていく部分を止めたりしながら、今シーズンもたくさん試合に出ることだけを考えてやっていきます」

 年齢を重ねても変わらない向上心と野心を携えてプロサッカー選手、遠藤保仁の22年目のシーズンが幕を開けた。