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<ガンバU-23>カターレ富山戦は、ゲームを支配するも終盤に追いつかれドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

カターレ富山とのJ3リーグ30節。ここ最近の試合と同様に、前半から相手に引かれてブロックを作られる展開となる中で、ボールを持ち、攻撃チャンスも多く作りだすもののなかなかゴールをこじ開けられない時間が続く。後半も形成は変わらず、ガンバU-23がペースを握る中で、66分にMF市丸瑞希の左コーナーキックをニアでDF野田裕喜がそらせ、それをDF西野貴治が押し込んで先制に成功する。だが、そのまま終わるかと思われた88分。ミスから相手にボールが渡った流れで失点。そのまま追加点を奪えずに引き分けで試合を終えた。試合後のガンバ大阪U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●實好礼忠U-23監督

ボールも前半から動いてはいて、その中でシュートの回数もまあまあだったな、と。そこで決めきるとか、みんなでボールを動かしている中で顔を見せて、ゴールに向かっていくシーンがもう少しあればよかったかなと思います。みんな、その中でも粘り強く攻めること、粘り強く守ることはできたかなと思います。

ー相手に与えたチャンスの数ということを考えれば引き分けという結果はもったいなかったという印象ですか。

そうですね。でもまあ、ボールをたくさん持ったチームが勝てるわけでもないですし、今はもう、相手もしっかりゴール前を研究して固められるゲームも多い中で、個の打開、個の成長でトップにも行けると思うので、そのへんを打開できれば…トップを脅かすような選手が出てきたらいいなと思います。

ー相手に引かれてブロックを作られた中で、後半2列目の並びを変えるなど修正されましたが、後半どう崩すかというところで修正、指示されたところはありますか?

縦パスが入って、前を向けた瞬間にはもっと、DFラインの裏へのアクションを増やそうと。あと、トップに入って落ちたボール、前を向いた選手に落ちた瞬間の前線のアクション、と。そういうアクションと、奪った後にボールを大事にするというか、奪ったあとに積極的にゴールに向かって動くシーンを増やそうと言っていて、そういうシーンはたくさんあったと思うので、そこはみんなしっかりやってくれていたとは思います。それだけに、みんなゴールは欲しかったと思いますが…また練習です。

●DF山口竜弥

(左サイドからの仕掛けがコーナーにつながることも多かった)でも、コーナーにすることが目的ではなくて、ちゃんとあげ切ってアシストにするのが目的だったので、何度かは抜いたんですけど、それでもやっぱりそのあとのコントロールがうまくいかなくて結果的にコーナーになっちゃったというのが素直な感想です。(引かれた相手に対して攻めに関して考えていたことは?)後半特に相手が疲れてくると思ったので、足元でもらうというよりはマルくん(市丸瑞希)とかは裏とかをよく見てくれているので、裏に走り出して相手をかき回そうと思っていました。自分たちがやることをやれば勝てると思っていたし、そう言われていたんで、相手が球際が強いのはわかっていたんですけど、いつも通りのことをやれば今日も勝てたはずなので。最後いつも通りにできずに気が緩んでしまったことが今日、引き分けに終わった原因だったのかなと思います。(引かれた相手に対してボールを持てる時間は長かったですが、逆に守備とのバランスはどういうことを考えながらやっていましたか?)今日に関して言えば、中盤のマルくんとかが弾かれた時に、シャドーがどんどん動き出して攻められるのが怖かったので、そういう時はちょっと引き気味だったんですけど、マルくんとかが結構余裕を持って、フリーでボールを持てる状態の時は相手にボールを取られる心配はあまりないと思ったので、どんどん上がっていこうと。あとはカウンターの時とかですね。それもこっちが裏返して逆に攻めれる時は相手のウイングバックが結構走っていたので、狙いどころだなと思いながらプレーしていました。

●GK鈴木椋大

(失点シーンはもったいなかったですね)そうですね。だいたい自分たちがボールを持てるのは毎試合そうなんですが、最近ちょっと、後半の残り数分かで失点する場面が増えてきて、あそこの失点も…相手にボールを奪われたあと自分たちがどう切り替えるか。取られたと思った時の切り替えの部分が、疲れてくるとだんだん遅くなってくるので、そこを自分のコーチングで改善していけるかが今後の課題になってくるのかなと思います。(相手に引かれて、ブロックを作られる試合が多い。その中でGKの役割として意識していることは?)いつカウンターが来るかわからないし、自分たちがボールは持っていますけど流れが一瞬で変わることはあるので。そこをどうセンターバックだったり、サイドバック、ボランチあたりに準備をさせるか。自分たちは持ててるけど、持たされているかもしれないし、実際に一発のカウンターを狙っているチームもあると思うので。後ろで簡単にまわせるけど、まわせるからといって余裕をもっているとどこかで取られたりもするし、それをピリッとさせるのがGKの役目かなと思っています。(後ろから見ていても足元の技術は高い選手が多くて完全に相手を上回れる試合が多い)そうですね。技術的な部分はどのチームにも負けないものを持っていると思うし、それが結果として支配率だったり、パスの成功率に表れているので、それは自信を持ってやっていかないといけない。でも、ただ後ろで繋いでいるだけではなくて、もうちょっと相手の裏に効果的なボールを出せれば、とか、引いてブロックを作ってきた相手に対して自分たちがどう崩していけるかとか、狭いスペースでも持てる遥也(井出遥也)とかマル(市丸瑞希)とか、レン(芝本蓮)もそうですけど、そういう選手たちをうまく使いながら相手を崩していくことはもっと突き詰めていかないといけないと思います。

●DF野田裕喜

(得点シーン。ニアに入っていけたのは狙い通りでしたか?)そうですね。あのストーン役の選手に弾かれないようにっていうことは言われているので、ゴールになって良かったです。(セットプレーはトリッキーなのも多い)そうですね。そんなにでかい選手が多いわけではないので。そういうちょっと動かしてやろうというのはありますけど、自分としては、自分とタカくん(西野貴治)のどちらかがバチンといければとは思っています。でもなかなかそこはうまくいっていないですね。(芝本選手がセットプレーを蹴っていた時も、あの形は狙いとして持っていたものでしたか?)1本目だけ回り込んでレオ(高江麗央)がっていうシーンはありましたけど、それ以外はノーマルでしたね。(我慢強くこじ開けたので失点はもったいなかったですね)ちょっと引かれた相手に自分たちも焦れずにボールを動かせて、自分たちの流れにっていう展開でしたが、ミスも多かったしそれが失点に繋がったので。でも負けなかったことはポジティブに捉えたいと思います。

●MF市丸瑞希

(得点になったセットプレー。それまでと蹴り方は変えましたか?)蹴り方は変えてないんですけど、ここに入ってこいよっていうことは言っていました。そこにうまく野田ちゃん(野田裕喜)が入ってきてニアでそらせてくれてタカくん(西野貴治)のゴールに繋がった。狙い通りに蹴れたのは良かったし、それが得点につながったのはよかったんですけど、失点はもったいなかった。勝ち切りたかったです。

●MF井出遥也

PK…しっかり決め切りたかったです。(でもそれ以外のところでは前線で効果的な動きも多かったですね)毎週、試合もやっていますし、コンディション自体はあがってきているかなって思います。(PKのシーンは甘く入っちゃった感じですか)自分としてはどっちかに飛ぶだろうなと思って。練習でも真ん中に蹴ったりしていたんですけど、少し甘いコースにいってしまいました。(あれだけ引かれただけになかなかチャンスがない中でセットプレーで取れたのは大きかったと思いますが)そうですね。ここ最近のJ3では相手が引いて、ブロックをつくってっていう形が多いし、そこを我慢しながらチームとしてどう戦えるかを考えながら勝つことができていた試合が多かったので、今日も最後まで我慢しながらセットプレーから取れたところまでは良かったんですけど、あとは勝ち切るという部分で、トップのような勝ち切る強さは自分たちに足りないところだと思うので、もっともっと努力して勝てるようにしたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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