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<ガンバ大阪>関西学院大学に力負け。天皇杯は2回戦で散る。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

今年初の天皇杯の戦いは、関西学院大学を迎えての一戦。立ち上がりから相手に押し込まれる展開の中、前半はなんとかスコアレスで折り返す。二人の選手を交代して臨んだ後半は、立ち上がりこそ勢いを見せたものの、徐々に相手の勢いに押され87分に失点を許す。その直後にはDF三浦弦太の今季初ゴールで同点に追いつき、何とか延長戦にまで持ち込んだが、早々の92分に失点。その後はDF三浦弦太を前線にあげてパワープレーで得点を目指したが、決定機も決めきれず1−2で敗れた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●レヴィー・クルピ監督

残念ながら、残念な結果だったと言わざるをえません。関西学院大学さんも非常にいいサッカーをされたと考えれば讃えなければいけないところもありますし、残念ながら、関西学院さんの方が勝利にふさわしい試合をされた、という結果になってしまったと思っています。

ーなかなか決定機まで作れなかった印象がありましたが、原因はどこにあったのでしょうか?

説明しづらいところもあるのですが、大学生のチームが非常に高いモチベーションをもって臨まれるということは、試合前から想定されていたことで、それを受けることなく我々はもっとゲームを支配する内容、そして、もっと前からプレスをかけるという姿勢を見せなければいけなかった。試合前からそこを一番心配していましたし、強調していたのですが、最終的にそれをできなかったという責任は全て私にあります。選手たちの気持ちをそこまで高めることができなかった私の責任だと思います。

●MF食野亮太郎

(後半から投入された中でもちろん、得点ということも1つですが、それ以外に具体的に何か攻撃の作りの部分での指示はあったのでしょうか)いや、特に何も言われずに行ってこい、ということだけ言われました。最初に2つくらい自分がチャンスを作ってゴール前に侵入できたのですが結果に繋がっていないので、そこで結果に繋げないと自分が投入された意味、存在している意味がないので結果を残せるようにしなければいけない。本当に情けないです。(前半からほぼチャンスを作れなかった中で自分は攻撃にどういう変化を与えようと思っていましたか?)バックパスが多いなっていう風に僕は感じたので、入ったらガンガン仕掛けてやろうと思っていた。それはうまく出せたんですけど、時間とともに自分の頭上をボールが超えていく時間が多くなりなかなか試合に絡めなかったというのが率直な感想です。(ジャイアントキリングが起きると言われている天皇杯。実際に大学生と公式戦を戦って感じた難しさとは?)より引き締めていてもやっぱりどこかに隙があるから、ああいう情けないやられ方をするんだと思うし、チームの雰囲気も少し緩みがあったのかなっていうのを…もっと自分が、若いですけど変えるくらいのつもりでやらないといけないなって思います。

●FW長沢駿

うまくはまっていかなかったというか…悪い時の自分たちの戦いをずっとしてしまったような印象です。それでも1点取れれば流れが変わるかなと思っていたんですが、それがなかなかできずにズルズルいってしまった。自分も決定機はそう多くはなかったのですが、そこで点を決められていたら変わったと思うんですけど、これが実力だと思います。(関西学院大の印象は?)勢いがあるというか…まあ…難しいですね。相手がどうこうというより自分たちがかなり苦戦するような試合をしてしまった。そこで相手がチャンスが何回かあって決めきられたというところが差になったと思いますし、相手がどうこうというより自分たちの責任だと思います。1点取ればかなり流れが変わると思いながら我慢してやっていましたけど、そこで取れずに焦りも出てきてしまったところもあったと思います。

●FW中村敬斗

決めるべきところで決められなかった、それだけです。(前半外から見ていてもチャンスがあまり作れない展開の中で投入された時間帯からどういう変化を与えようと思ったのでしょうか?)入ってから失点しましたが、それは…前半から相手も何回もそういう場面があって、後半の終了間際に追いつきはしましたけど、こっちはあまりチャンスを作れていなかったのは事実だと思います。最後の方は相手も引いていたのでチャンスになっていましたが、延長になる前とかは相手の方がチャンスもあったと思う。(ジャイアントキリングと言われるけど、実際に大学生と戦ってみて、こういう舞台で上回られてしまう理由は感じましたか?)単純に力負けだと思います。前半からずっと押されていて…こっちが集中した訳ではなかったと思いますし、向こうも勢いもあったと思いますけど、普通に実力でやられたということだと思います。1回戦敗退は本当に悲しいです。大学生に負けて…天皇杯残っていれば試合の数も増えるので、それは出場機会も増えるので本当に残念です。(投入される時に指示はありましたか?)1トップで入ったので守備をするところはして、あまり下がるなと。ペナ幅くらいにいろと言われて…最初の方はそれができていなかったんですけど、最後の方、外していたときは、そこにいてチャンスもきたんですけど、なんか自分としても決めなきゃいけないって思いがありすぎて、力んでシュートを打つのが遅くなって当たったりもしてしまった。

●GK林瑞希

(難しい試合になると言っていた通りの展開になってしまいました。入りも悪かったですね)なんとか前半悪い流れでも失点せずに後半を迎えたのは前半唯一、良かったことでした。前半、こちらが攻められていない中でも、守備の選手とは失点しないことが大事だというのは共通理解をもって戦えていたので。ただ、最終的にあってはならない結果にしてしまったのはすごく責任を感じているし、全体的にミスを減らさないと、自分たちのサッカーができないなと感じました。(前半は特にバックパスも多かった)はまっているような感じで、最後僕が蹴り出すこともある試合もあるとは思うんですが、それが多くなってしまって…そういう悪い流れでも自分としては少し繋ごうということを意識していて、流れを変えようというチャレンジもしたのですが、結局ズルズルいってしまった。(ルヴァンカップに向けて切り替えないといけない)今日は最悪の結果にしてしまったけど、もっと最悪なのはルヴァンカップにテンションを落としたまま入ってしまうこと。簡単に切り替えてもいけないとは思うけど、一度ルヴァンに向けて集中してそのあとまた見直してやっていきたいと思います。大学生相手ということで繋ぎたいっていうのは試合前から話していたけど、でも結局点が入ったのは弦太くん(三浦弦太)が前に上がってからしか入っていないという現実もあるので、試合中どこで割り切るのか…時間とか見ながら僕も意識していたつもりですが、そこもなかなかうまくいかなかったという印象です。

●DF藤春廣輝

(相手を受けてしまった試合になった)試合の入りから全然みんな動けていなかったし、実際、体が重かったというのは言っていて…前半は特に何もできなかったですね。相手が外してくれてラッキーだったなという感じだったので。後半入りは良かったけど、流れもそこまで変えられずに相手に押し込まれた。受けた部分もあったのかなと思います。(相手がうまくプレッシャーをかけてきて、遠藤選手のところとかビルドアップのところを消してきて、組み立てがうまくいっていないように見えました)そうですね。ボランチに当ててもまたセンターバックに下げて、みたいになっていて。相手はそこをしっかり潰してきていましたし、もっと周りが動いてサポートしていればこういう展開にはならなかったはずですけど、今日は孤立することも多かったので、とりあえず全然動けていなかったなって思います。(押し込まれる展開になっていた中で、後半、立ち上がりは良かったけど結果的に自分たちの展開にならなかったのはやろうとしていることができなかったのか、やろうとすることが見えなかったのか。蹴って、蹴っての展開にもなっていましたが)弦太(三浦弦太)が前にあがったのもあったし、それがチャンスにはなりかけていたので、そっちの方がいいのかなって思っていて。みんな、弦太にボールを集めようというのはあったんですが…でも難しいですね。Jの相手の方が…個のレベルでいうとすごいですけど、とにかくやりづらかったなっていうのが全てです。ボールを持ってもサポートもないですし、誰がボールを持っても孤立する感じが多かったので、だから本当に動けてないっていうのが一番だと思います。前からプレスも全然いけていなかったし。モチベーションというところでもどうだったのか…いろんな難しさも感じましたが、切り替えてルヴァンでしっかりやり返すしかないなと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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