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<ガンバ大阪>コンサドーレ札幌とのホーム最終戦は白星で飾れず。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

コンサドーレ札幌を迎えたJ1リーグのホーム最終戦。公式戦では11試合白星から遠ざかっているガンバは、立ち上がりからボールを支配し、優勢に試合を進める。ただ相変わらずゴールが遠く、0ー0で折り返す。後半は警戒していたセットプレーから、札幌のFWジェイに頭であわされ先制を許す展開に。その後も最後までゴールを目指したが、1点が遠く、0−1で敗れた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

今日の試合に関して言えば、前半から何回かいい形は作れて、特に前半の終盤あたりは、いいところにボールが入ってそこから崩すような形も何回か作れたのですが、ハーフタイムでは後半も引き続きやって最後のひと押しをという話をして、そのひと押しのところがなかなかできなかった。セットプレーは非常に警戒していたんですが、ジェイの高さに一発やられた。ただ1点はしょうがないですし、それより、なかなかここで点数が取れないということが、この終盤戦の失速につながったと思っています。そういう意味では攻撃の構築という部分でなかなかいい形を作らせてあげられなかったのは僕の責任だと思いますし、本当にいい潮時だと思っています。もう1試合ありますが、最後までしっかりと試合をして、また、けが人等の状態をみながらメンバーを選んでいきたいと思っています。

5年間本当にクラブにはお世話になりましたし、サポーターにも非常に温かい声援を贈っていただいて本当に感謝しています。自分自身、J2から率いてタイトルをとりましたが、最後失速しましたとはいえ、J1で次の監督にバトンを渡せるのは最低限の仕事はこのチームでできたのかなと思っています。三冠の時のメンバーがだいぶ入れ替わっていますので、クラブが再編成をして、戦えるチームにしてくれれば素晴らしい選手がまだまだたくさん残ってますし、また、もうひと波作ることができるんじゃないかと思います。鹿島のタイトルの数に対して、追いつくようなクラブを作ってもらいたいと思っています。本当に5年間ありがとうございました。

ー9試合連続で勝利がないのはクラブワースト記録ですが、これについてはどのようにお考えですか?

先ほど言ったように、僕自身の力のなさと思っていますし、後半戦は攻撃の部分でなかなか構築しきれなかったことについても、まだまだ力がないなと感じています。これは来シーズンにむけた宿題だと思いますし、また編成をし直してまたもう一時代、次の時代を築いていってもらいたいなと思います。

ーいい潮時という言葉がありましたが、具体的に言葉の意味を教えてください。

なかなかいい形で最後終わることができなかったですし、綺麗に引き際を去りたかったですが、もう1試合ありますけど、ちょうどいい区切りの年じゃないかと思います。僕自身も思い残すことはないし、このクラブでやりきった感は非常に持っていますので、最後1試合しっかり仕事をして、次に向けて自分自身も準備をしていきたいと思っていますし、クラブも、あと1試合、ありますが何とか選手を切り替えさせて、いい形で17年のシーズンをおわれるように仕事をしていきたいと思っています。

●MF遠藤保仁

ボールを握っていた中でも駿がオフサイドになっていたりしましたけど、今まであれはなかなかなかったのでそれが出たのは良かったと思いますし、なんでもないような出し入れですけど、ああいうのがジャブのようにきいてくるので決して悲観する内容ではなかったと思うんですが、ただもう少しGKとの1:1とか決定機を増やしていければより今日のようなボール回しはいきてくると思います。(ジャブのようにきかしながら最後それをゴールに結びつけるところはどう課題を感じていますか?)今シーズンは全体的にこういう試合が少ないので、流れるような攻撃だったり動き出し、タイミングが図れない分、ビックチャンスが少ないだけだと思うので、今日も紙一重のプレーもありましたしこういうものを練習から出していければチャンスは作れるので、引き続きボールを握るような形にしていきたいし、今日のような相手がおそらくボールを取りづらかったはずなので、そういうところを次最後ですけど、練習中からやっていければいいなと思います。(サポーターのブーイングについて)これだけ勝てない時期が続いていますし、最低でもタイトル争いをしなくちゃいけないチームなので当然だと思いますが、ただ健太さん(長谷川監督)になって5年間で一番タイトルをとっているチームだと考えれば多少複雑なところもありましたけど、サポーターの皆さんの気持ちも十分理解できますし、あと1試合、FC東京戦はアウェイでの戦いですけど、またサポーターも応援しに来てくださると思うので、健太さんの最後の試合をしっかり勝って笑顔で終われるようにしたいです。

●MF井手口陽介

(前半は主導権を握りましたがなかなかゴールには届かなかった。その理由はどう考えますか?)確かにリズムは前半は良かったと思うので、最後の精度だったり、またゴール前とかでワンタッチで遅らせてみたりとか、ちょっとした工夫が足りなかったんじゃないかと思います。最近の試合に比べたらボールの出し入れは多かったんですが、でもゴール前とかサイドの部分でワンタッチとかが少なかったので、そこをもっとみんながもっとボールが来る前に考えていたらもっとうまくいったんじゃないかと思います。(サポーターのブーイングについて)これだけ結果を出せていないので、当たり前だと受け止めましたし、ホーム最終戦でせっかく見に来てくれたのに、僕たちも悔しいですけど、サポーターも悔しく感じているはずなので、それは真摯に受け止めてます。

●FW高木彰人

前回と違ってFWで、2トップでしたし、駿くんとしっかり声を掛け合いなが、コミュニケーションをとって、いい関係でできていた。ただなかなかゴールが取れずに、相手もチャンスは多くなかったんですが、警戒していたセットプレー一発で決められてしまった。なかなか点が入らない試合っていうのは…誰かにチャンスが巡って来るし、今日の前半にあった僕のヘディングシュートもそうですが、ああいうところで決めていたらまた違う展開になっていたと思う。(おっしゃる通り、前半にはヘディングシュートのチャンスもありました。決めたかったですね)こういう難しい試合でチャンスはそう多く続くものではないので、その1回をしっかり決めないといけない。相手はでかい選手がいてセットプレーが武器だということも知っていましたし、そこでやられてしまって…やっぱり一発って怖いなと感じたし、逆にそれを自分ができないといけないと思いました。そこは練習でしっかりやっていきたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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