Yahoo!ニュース

<ガンバ大阪>最下位の新潟に敗れ、J1リーグ3連敗。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J1リーグも残り6試合。ルヴァンカップ準決勝で敗れ、流れのよくないガンバ大阪はホームに、最下位に苦しむアルビレックス新潟を迎える。序盤こそいい入り方をしたものの、なかなか攻撃のリズムを見出せない。新潟に何度か背後を突かれ、決定的なシーンを作られるが、GK東口順昭のビッグセーブに助けられ前半を0-0で折り返す。後半もペースを掴めない中、遠藤保仁をトップ下に据えるなどしながらリズムを見出そうとするも、67分に新潟MF小川佳純にゴールを許し、ビハインドを負う。その後もケガ人が出るアクシデントにも見舞われる中で人を変え、配置を変えながら好機を見出そうとするが1点が遠く。またしても白星は掴めなかった。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

前半から危ない場面をーーチャレンジ&カバーのところ、背後への対応というところで、危ない場面を何度か作られ、東口のセーブに救われたという展開でした。後半の頭も、あまり展開が変わらなかったので、ボランチに中原彰吾を入れて、遠藤をトップ下にあげ、そこでゲームをコントロールしようとしました。少し落ち着きは出てきた感じはあったのですが、懸念していたサイドの背後をつかれて先制を許してしまった。赤崎秀平が入って、最後、前への推進力は出ましたが、今日はなかなか1点が…全体的に重かったという感じがしました。選手はホームでなんとか勝利をという思いで戦ってくれていると思いますが、ただ、ベンチから見ていて球際の部分とかーー新潟の状況を考えれば当たり前のことですが、戦ってくる相手だということはわかって試合に臨みながらも、そこでしっかり対応できなかったという部分では、私自身がまだまだ至らないところだと思いますし、選手にも本当に悔しい思いをさせて申し訳ないと思っています。残り5試合、9月に入ってなかなか勝てない試合が続いていますが、顔を上げて最後まで戦って行くしかないと思っています。今日は選手にも『今日からの残り6試合で真価が問われる』という話をして試合に臨みました。タイトルがなくなったから、目標がないから試合に集中できないということではなく、我々のホームでの試合で、サッカーを生業としているものとして、日頃の練習で頑張っている選手がピッチに立つんだ、と。今日選んだ11人は、多くのサポーターのためにもそういう姿をみせなければいけないし、今日先発ではない選手も、出た時に何ができるかが問われる、と。そうやって歯を食いしばって勝利のために戦わなければいけないという話をして臨みました。選手にはそれがプレッシャーになったのかもしれませんが、まだまだ試合全体に甘さが出ていたと思います。優勝がなくなったから戦えない、残留という大きな目標だから戦える、ということではなくどんな試合でも試合は試合だからこそ最後まで戦う姿勢を見せ続けなければいけないと思いますし、残り5試合の中でも、そういう気持ちで臨める選手をチョイスしていきたいと思っています。私もガンバ大阪の最後の仕事になりますので、最後まで精一杯、自分自身の仕事を全うしていきたいと思います。

ー今おっしゃられた話ですが、何か具体的に、選手が試合に向かう姿勢の部分で足りなさを感じることがあって、そういう話をされたのでしょうか。

そういうことではなく、残り6試合になり、ルヴァンも終わってしまって、大きな喪失感があるのではないか。また代表から戻ってきて韓国組は中2日しか練習できなかったですがもう一度、自チームのゲームの大切さを改めて持ってほしいな、という思いからです。優勝がなくなったから戦えないっていう素ぶりはなかったですが、もう一度確認をしたかったのでそういう話をしました。

ーいま、勝利のために必要なことは、具体的に何だと思いますか。何か大きく変えていこうと思うところはありますか?

いえ、特に大きく変えるということではなく、1つ1つのプレーを丁寧にいかにやっていけるか。もちろん勝っていないということでのプレッシャーはあるはずですし、勝ちたいという思いがあればこそ気持ちがはやってしまったり、落ち着きがなくなることもありますが、でもそういう中でクオリティの高いプレーができるか、だと思います。そういう意味では、今日は全体的に何か落ち着きが足りなかったと思います。先ほども言ったように、残り5試合になりましたが、試合に飢えている選手をチョイスしていかないといけないと思っています。これは今まで出た選手が戦っていないということではなく、いつでも出れるわけでないという危機感をチーム全体で持たない限りは変わっていかないと思うからです。今日の新潟戦での敗戦は、ある意味、吹っ切れる、吹っ切らなければいけない敗戦だと感じています。私が何を言おうが選手それぞれが自分の目標や、来シーズンに向かって、試合を大切にプレーしなければいけないと思っていますので、来週、選手たちの状態をみながら、また戦える選手、戦えるというファイティングポーズがしっかりとれる選手を選んでいきたいと思います。

●GK東口順昭

ガンバが仕切れずに、終わったという試合でした。(古巣戦でしたが)もちろんそういう思いはありましたが、それ以上にチームが勝てていないし、コンディションという所ではまだまだ満足いっていないところがあるので、古巣が云々ということより、自分たちが勝ちたいという気持ちで臨んだ試合でした。新潟にとっては降格の可能性もあった試合でしたが、新潟は諦めるチームではないと思っていたし、90分間、戦ってくるチームだと思っていたので、本当に1点が勝負になると思っていました。ミスをしっかりつけるチーム、選手だとも思っていたので気をつけてプレーしていましたが、結果的にピンチは多かったと思います。(前半2つのビッグセーブがありました)1つめは早い段階でクロスがあがってきて、中がドフリーなのはわかっていたし相手は飛び込むだけだったので。結果的に体に当たったからよかったけど、もう少し球際は、自分ももっといかないといけないと思うし、それはフィールドも同じだと思いますし、それが出来ていればあんな風にピンチになるシーンでもなかったかなと思います。(2つ目はホニ選手のシュートを指先でかすめてセーブしました)あれが正直精一杯でしたが、もっとフィニッシャーで上手い選手なら強いシュートがきていたはずなので、それだと今の触り方だと通用しないなって思っていました。

●MF泉澤仁

前半は割とうまくいっていましたが、後半になって一気に押し込まれるというか、ボールを持っても出しどころがなくなったというのはありました。(なかなか点が取れない。先発で出てるなかでどんな変化を与える必要があると?)自分の殻も破る必要もあるというか、ガンガンいくというのがここ最近はないのでそういう部分がでていけばチームとしても勢いがついてくるのかなと。攻撃の形があまりいい形を作れていないので。本来のガンバなら、ボールを持っている時にもっと…パスも繋がっていいサッカーができるというのがガンバの強みだと思うけど逆にカウンターしかないって状況になっているので。それによって苦しいゲームにしてしまっているところはあると思います。(勝つために、何が起爆剤になると思いますか?)まずは先制点を取ることと、当たり前のことですが、ガムシャラにやるっていうところに立ち返らないといけないのかなって思います。

●MF井出遥也

(J1リーグ初先発でしたが、思うように攻撃が作れなかった。どんな変化を与えようと思っていましたか)まずは個人としては守備だったり、ボールを奪うこと、球際で戦うことを意識して戦いましたが、もう少し自由にというか、ちょっと…意識して右に残っていたところもあったんですが、もう少しボールに関わる動きもあってよかったかなと思いました。試合が始まる前から球際のところは強くいこうと話していたし、そういうところで全てが負けていたとは思わないですが、攻撃の時にもう少し僕も含めて、バランスを崩してでも相手の陣形をかえるような動きや相手を混乱させるプレーをしてもよかったのかなと思いました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事