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<ガンバ大阪>残り30秒を切ったところで、ルヴァンカップ決勝進出の切符を逃す。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

第1戦を2-2で終えた中で迎えた、ホームでのルヴァンカップ準決勝第2戦。15分にセレッソ大阪に先制を許す展開になったが、60分にMF泉澤仁のゴールで1-1に追いつく。その状況で試合が終われば決勝進出ということもあってだろう。78分にはDF野田裕喜を入れて5バックに変更。守勢にまわった中で、逆にマークが曖昧となり、5分と表示されたアディショナルタイムも残り30秒弱となったところで失点を喫し、1−2で敗れた。この結果、今季唯一の『タイトル』獲得の可能性は準決勝で途絶えた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

たくさんのサポーターが本当にパワーをチームに与えてくれて、選手も最後の最後まで戦ってくれたと思います。残り30秒でしたが、相手のクロスの精度と中の入りを褒めるしかないと思いました。連戦の中でなかなかメンバーが代えがいない中で、1点をというよりは、最後このままいくんだという交代をした。そういう中で選手はよく粘って戦ってくれた。交代で使った選手もまだまだな選手もいますが精一杯、力を出してくれたと思います。我々のルヴァンカップの戦いは終わってしまいましたが、セレッソにはぜひ決勝で、我々の思いも含めて頑張って欲しいと思っています。

ー試合後にサポーターの元に選手と一緒に行かれましたが、その思いは?

1つの大会が終わったのでいきました。

ー残りのシーズン、タイトルの可能性は全てなくなって、監督の退任も発表されている。非常に難しい残り2ヶ月になると思いますが、そこに対する思いを聞かせてください。

悔いのないように精一杯、最後まで…それは9月に発表された時から、タイトル云々ではなく来シーズンの指揮はないといことは決定しているわけですから、その時に最後、残りのシーズンを精一杯頑張ります、という話をして、それはこのルヴァンカップが終わっても変わらない気持ちです。あと6試合、少しでも1試合でも多くサポーターに喜んでもらえる結果、試合をしていきたいと思います。

●MF井出遥也

最後の20秒〜30秒だと思いますが、そこまでは入ってくるボールに対して人もつけていたし、ボールに対していけていましたが、最後のシーンで誰がボールにいくのかというところと、少し中の枚数が…ボランチのところから確か入ってきたと思いますが、改めて振り返ってみないとわからないですが、ボールに対していけていなかった部分と、中のマークのところでしっかり見れなかったことが失点につながってしまった。(ほんの数秒で決勝の切符を逃しましたが自分にとってのルヴァンカップはもう一度アピールするいい時間だったと思いますか?)自分にとっては出場できたのは良かったですが、チームとしては、今季残すタイトルがこのルヴァンだけだったので。代表選手がいない中でしっかり決勝に進んで代表選手が帰ってくるのを待てればよかったですけど、それができずに悔しいです。

●DF野田裕喜

3バックにして、しっかり守備を固めるということや、セットプレーでは相手がいいボールを蹴ってくるので、そのための僕の投入だったと思います。(それまで対応できていたけど、最後ボランチのところから入ってこられた。あそこの対応について)自分のところで数的不利だったというのは把握していましたし、それで前に行ったポジションの人についていったところでの後ろだったので、もう少しぼかしつつ、もう一歩、外のポジションをとれていれば触れていたかなとは思います。(デビュー戦でしたが、短い時間でのプレーになりましたがどんな思いで戦いましたか?)前半からピンチが多かったですし、はいればシュートブロックや守備の部分で貢献しようと思っていたのでそれができなくて残念です。(練習でもああいう状況になれば5バックもあるという感じでしたか?)練習じゃなくても試合で何回かリーグ戦の中でもあったので、常にそういうところは意識していました。

●DF藤春廣輝

もったいなかったというか、最後引いてしまって、5バック気味になってしまって、引いてしまってボールに誰がいくかわからないっていう状況でしたし、クロスに対して跳ね返すだけ、というか、壁を作るみたいな感じになったけど、引くよりは普通にやっていた方が良かったのかなとは感じました。普通に攻めて、うまくまわして時間を稼ぐ方が良かったのかなと思います。(相手は1−1になった状況でも戦い方を変えずに来た。自分たちの方が気持ち的に1−1の状況を守らないと、っていう意識がより強く働きすぎた、と?)そうですね。本当に相手は全く焦ってもいなかったし、ロングボールを入れてくる感じもなくてそれは意外でしたけど、そういう意味では向こうの方が落ち着いていたのかなと。こっちの方が有利なはずなのに僕らは守り抜くっていう感じ一本でいってしまった結果、自分たちで自分たちを苦しめてしまった感じがして、難しい状況になってしまってラスト20秒でやられたのはもったいなかったと思います。(最後、5バックに、平尾壮選手もいて、という中で、相手の右サイドからクロスをあげられた。役割が明確ではなかったように見えました)そうですね。誰がプレッシャーにいくのかが本当にわからない感じで、実際、5バックなんですけど、壮も隣にいたので…どういう感じかよくわからなかったけど、意味としては『守りを』って感じだったと思う。ただ、普通に4バックでいっていれば、あの状況はサイドハーフが一人いて、僕が水沼選手にプレッシャーにいけたはずなので、そこの難しさというか、引いてしまったことでボールにいけなくなってやられてしまったように思います。(最後のタイトル獲得のチャンスを逃した)監督と一緒にタイトルを狙えるチャンスは最後でしたし、だからこそみんなで決勝にいきたかったのですが、本当に申し訳ない。ホームでなかなか勝てない厳しい状況が続いていますが、残りのリーグ戦でしっかり立て直してやっていきたい。

●FW赤崎秀平

相手は2試合通してしっかり戦ってきたと思いますし、そういう意味では1試合目で、僕たちはあまりアドバンテージがなかったのかなと。しっかりそこを勝っていれば今日、相手はまた違う入り方をしなければいけなくなったはずだし、そういう意味でちょっと後手を踏んだかなと思います。(前半からなかなかフィニッシュにつながる攻撃ができず先制もされた。その中での後半はどういうイメージを持って入りましたか?)1試合目、かなりいい崩しができていたので相手も研究していましたし、その中でもボックス脇っていうところで初瀬亮からボールを引き出す部分は相手も対応できていない部分があったので、その時間を作ろうというイメージで入りました。(その中で少ないチャンスをゴールに繋げてっていうのはあったとはいえ、その後、早く守りに入りすぎたという印象はありますか?)セレッソはあまりやることが変わらなかったのに対して、僕たちはちょっと先制されたり点を取ったりっていう部分で左右されすぎたなとは思います。セレッソは点を取っても、取られても同じことをやってきましたし、同じスタンスで試合を通してやっていたので、そういう意味で僕たちが状況に対応できなかったのかなとは感じました。(なかなかリーグ戦はチャンスがない中で、このルヴァンでは結果を残した。自分にとってこの2試合の意味は?)このメンバーだからこそ決勝にいければすごく意味があったと思うし、決勝に出た選手とそうでない選手でまた経験が違ってくるのでそれができなかったのが悔しいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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