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<ガンバ大阪>阿部の決勝ゴールで4試合ぶりの白星。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

3試合白星がない中で迎えたホームでの広島戦。2ndステージでは初めて長沢駿が先発出場を果たす中、立ち上がりから全体が攻守に連動してハイペースな試合を展開する。0-0で迎えた後半は、その長沢に代えて大森晃太郎を投入。前線の配置を変えながらゴールを目指す中で、52分、阿部浩之のミドルシュートがゴールを捉え、先制点を奪う。その後も拮抗した展開となる中で、パトリックを投入し追加点を狙いにいくも、逆に彼のところでボールがおさまらず、苦しい展開を強いられたが、最後まで守備陣が奮闘。90分を通して集中を切らさず、先制点を守り切る形で勝利をおさめた。試合後のガンバ大阪・長谷川健太監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

ホームで広島に勝てて非常に嬉しいです。非常に前節で悔しい負け方をしたので、そういう意味では2ndステージの優勝戦線に残るためにはホームで勝つことが絶対条件だと思っていました。選手たちはもちろん、サポーターも最後の最後まで背中をおしてくれて、スタジアムの力をかりて、みんなの力をあわせて広島に勝てたんじゃないかと思います。最後、パトリックがもうちょっと頑張ってくれれば、声も潰れずにすんだと思いますが、あまりにも髪型を変えてもう少しやるかなと思いましたが…どこかの新外国人になってしまったようで残念でした。また1週間あるのでしっかり準備させて、次は役割をできるようにまたしっかりやらせていきたいと思っています。でも今日は本当に大きな勝ち点3だと思います。また次はホームで試合がある。ここで連勝できれば8月はのっていけると思いますので、切り替えて次の試合に向けてやっていきたいと思っています。

ー阿部選手、素晴らしいゴールでした。評価をお願いします。

前半左サイドやらしましたが慣れない左で、若干、阿部らしい動きが少しなかったのかなと。ただ後半は主戦場の右にはいって…最近の試合ではなかなか決め切れずにいましたが思い切って振れ、という話をしていた通り、今日は前半の左足のシュート然り、迷いなく、彼らしいプレーをしてくれたと思っています。

ー前半は相手のウタカ選手が絡んでチャンスを作られましたが、後半はうまくおさえられた。どういうところがポイントだったのでしょうか。

ウタカと2シャドーの関係は広島も素晴らしいし、15点獲っている選手ですから危ないところをつかれるのはしょうがないと思っていました。そういう中で今日は丹羽を含めて、最後までDFラインが本当に最後まで集中力を持って、危ないシーンもありましたけど、最後までしっかり身体を張ってやってくれたので、前半何回か危ない場面もありながら、後半はそこをうまく修正しながら、しっかりと戦ってくれたと思っています。

●MF内田達也

難しい展開でしたね。ちょっと緊張しました。ゼロで抑えるということだけ考えていました。(ウタカとロペスをいかに抑えるかというところでセンターバックとの関係も気にしてプレーしていたのかなと思いますが)そうですね。そこを言われて入ったので、なかなか全てがうまくいった訳じゃないですけど、バイタルでしっかり守備をして、というのもできたとは思わないですけど、結果的にゼロで抑えられたのはよかったのかなと思います。(J3でプレーする時間も長くて悔しい思いも大きかったと思いますが)そうですね。これですぐJ1にということにはならないと思うのでJ3のほうでもしっかり戦って少しずつ…アピールを続けていきたい。(J3でもJ1を意識してプレーしていたと思いますが、久しぶりに戦って、スピード感みたいなところに違いは感じましたか?)J3も公式戦という雰囲気の中でやれているし、公式戦が久しぶりという感じもなくて…そのへんはJ3でいい試合ができていたというのもあるし、そこはいいトレーニングが積めていたかなと感じましたし、急にJ1でびっくりしたというのはなかったです。

●DF丹羽大輝

勝てたのは良かったですけど、最後、もっと交代した選手が役割を考えて入らないとタスキをを渡してきた選手が一生懸命やっていたプレーを繋がないといけない。今日は1−0で勝てましたけど、理想は2−0、3−0で勝つ事だったと思うし、そのための健太さんの攻撃的なメッセージだったと思うし、そこをしっかりとたすきを受け取った選手がチームの役割をしっかり全うしないと、なかなか結果を出すのは難しいと思う。そのへんのことは試合後、本人にもチームとして戦っていこうということは言いましたが、もう一度、勝ったからこそ気を引き締めて、そこをあやふやにするのはダメだと思うからこそ、しっかり締めてやっていきたいです。僕らは優勝した経験もあって、どうすれば勝てるかもわかっている一方で、どうなったら負けるかも分かっているはず。そこは僕ら選手がもっともっと考えないといけないし、本当に強いチームになりたいという気持ちがあるのなら全員が同じ気持ちでやらないと。今日は、駿は半分でしたけど、前半一生懸命やってくれて、駿の半分があったからこそ後半につながったし、チームのためにみんなが戦っていると考えても、そういうプレーは凄く大事だと思う。今一度、全員がチームプレーにしっかり徹して、練習から厳しい雰囲気でやっていきたいです。

ーウタカとロペスへの守備への対応に付いて。

ウタカは僕とジョンがマッチアップする事が多いし、特に後半は僕がみることが殆どだったので、まずウタカを自由にさせないということを意識しました。最後ぎりぎりで危ない場面もありましたけど、みんなで身体を張ってシュートをうたせないということはやれていたと思います。ロペスに関しては。あまり情報がなかったのでやりながら…ただ左足のシュートがあるのかなというところで、晃太郎にも話して、左をケアしてくれということは伝えていましたが、それでも2〜3本は打たれてしまった。初めてやった相手だからこそ、試合の中で相手の空気感、特徴をしっかりつかみ取って、そういうところにも順応して行くのも大事だと思う。左であれだけ打ってくるということは、右にもっていけばクロスもないし、シュートもないということなので。でも結果的に、カットインされて左足で打たれていたということはもうちょっとサッカーを考えないといけないし、もっとしたたかに相手の特徴を消す事もやっていかないといけない。

●MF阿部浩之

いつも狙っている通りちゃんとあたってくれた。コースが少し甘かったですけど、スピードのあるシュートをうてたので、良かったです。どっちつかずという試合でしたし、攻められていた場面もあったので、そう考えると先制はすごく大きかったと思うので、決勝点を決めれたというのは今後に繋がるかなと思います。アデは個でわれる力があるし、パスも出せる力がある選手。自分がうまく動けばパスもでてくるし、アデのためにスペースをつくるという場面もあったと考えれば、連携はうまくできていたのかなと思います。ここ最近ずっと惜しいシュートが惜しくてあとは決め切るだけだったのでこういう試合を続けていければと思います。(前後半でサイドをかえましたが)どっちでも…左のほうがやりやすいですけど、前半はそういう形ができなかった分、ゴール前に顔をだせなかったけど、本来は入って行けるはずなので、左の方がシュートはやりやすかったですね。(何試合か決定機を外していた中で監督からプレッシャーはかけられていました?)いや、プレッシャーというか自信を持ってうてというだけだったので。だからより、期待に応えられて嬉しいです。(今日広島に負けると厳しいという中で結果を出せたことについて)広島だからというのはあまり…上位だから叩かないといけない相手ですが、とりあえずここ最近流れが悪くて勝ち切れていなかったので、どんだけ内容が悪くても勝たなければ2ndステージも厳しくなるし、そういうところで絶対に結果を出さないとアカンっていうのはありました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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