Yahoo!ニュース

<ガンバ大阪>水原三星に敗れ、ACLグループステージ敗退。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ACLグループステージ第5節、水原三星戦。グループステージ突破には絶対に負けられない一戦だったが、前半に手にしたPKのチャンスを活かせず0−0で折り返すと、後半も早い時間に立て続けに2失点を喫し、ビハインドを追いかける展開に。その後、メンバーを代えながら最後までゴールを目指したガンバ大阪だったが、MF今野泰幸が決めた1点を返すに留まり、1−2で敗戦。残り1試合を待たずして、グループステージ敗退が決定した。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

サポーターが勝利を信じてくれて、平日にも関わらずたくさん駆けつけてくれた前で勝利できなかった。予選リーグで敗退してしまって申し訳なく思っています。選手も今日の試合の重要さは十分理解して戦ってくれたと思いますが、なかなかいまチーム状態はいい流れではない中で前半も自分たちが獲れない中でDF陣がよくゼロでおさえてくれた。そういう中で先に点を獲られて、2点目をとられてようやく自分たちのリズムというか、繋ぐプレーや押し込む形というのがでてきて、そういう意味では選手たちにも大きなプレッシャーがかかっていたのかな、と。そう考えると今回予選で負けたという部分は監督である自分に責任があると思っています。選手もこういう状況で最後までゴールを目指して戦い、最後意地で1点は返してくれましたけど、そういう気持ちがをまた次の試合に繋げていかなければいけないと思いました。試合が終わって、貴史が非常に責任を感じていて、泣き崩れてみんなに謝っていましたが、決して彼の責任だと思っていませんし、PKは…なかなかこのスタジアムで決められないですが、難しさというのは彼自身もわかったと思いますし、本当に1点、サッカーの1点の重みというのはここ最近本当に痛感しています。どうやって1点を守って、1点を獲るのかをもっともっとチームで突き詰めていかないと、Jリーグでも難しい順位にいますし、ここから這い上がっていくためにも、気持ちを切り替えてリーグに集中して戦っていきたい。あと1試合ACLが残っているので、そういうところで気持ち、姿勢をみせていけるように最後の1試合を戦いたいと思っています。

ーPKのシーン。宇佐美選手にキッカーをかえた理由を教えてください。

変えたというより、貴史がヤットにきいて、やっとがOKを出した、と。ヤットが蹴ることになっていましたが、貴史が自分が蹴りたいと。遠藤はどうぞ、ということだったので、そのまま任せて蹴らしました。

ーアウェイでの試合を含めて今日のゲームプランと、後半、倉田選手を入れてからリズムがよくなりましたが、もう少し早い交代は考えていなかったのでしょうか。

後半15分くらいから勝負なと思っていて、投入する手前でPKで2失点目をとられてしまったという状況でした。どこかでパトリックと倉田を入れて勝たなければいけない試合だったのでそういうプランでしたが、なかなか…2点差になってからの投入になってしまった。

ー去年は難しいスタートながらも盛り返して、ベスト4まで進みました。去年と今年と違いといいますか、どこがどう難しかったのか教えていただければ。

答えるのが難しいですが、決めるところでなかなか決められなかったここまでの試合だったのかな、と思っています。初戦の水原戦に関しても、パトリックの1:1があったり、貴史が抜けだしたり…もちろん水原にもチャンスはありましたが、そういう中で昨年は決め切る事ができた、と。メルボルンとの試合でも最後、晃太郎がクロスをあげてパトリックが1:1のところであわせたんですが、決められなかった、と。もちろん危ない場面もありましたが、ビッグチャンスがありながらなかなか得点がここまで獲れていないのかなと思う。点が取れない時は、チームとして、どうやってしっかりゼロで抑えて戦えるかも大事だと思いますし、今日もセットプレーからの流れで今ちゃんの1点だけだったので。チームが乗っている時は前線に非常に点数が生まれていますが、ここまでなかなか複数得点は、Jリーグの限られた試合しかないので。チーム状況が悪い時はしっかり抑えて1−0でもしっかり勝つことができればまた流れが変わっただろうし、そういうところで本当に攻守が特にACLに関しては最後まで噛み合なかったなという風には感じています。

●MF藤本淳吾

右サイドで起点を作ってっていうような感じでは言われていたんですが。(前半から少し後ろが重くて攻撃にかかるときに枚数が足りていないように見えたのですが?)相手はフィジカルもまあまあ強いし、最近は単体で運べていないので。、前回のアウェイ戦もそうだったのですが、相手のトップ下というかシャドーの2枚がやっとさんと今ちゃんのところに結構つく感じがあって、トップ下に1ボランチで対応してくるので。僕はそこにちょっと顔を出して気にさせるようにして、やっとさんをフリーにしつつ、細かく回しながらちょっとずつまわしながら、前にいければと考えていたんですが。もちろん、出来ていた場面もあるし、途中でとられかたが悪くてっていうシーンもあって、という展開だったんですけど、前半はよく耐えたという感じはしました。(最初のシュートのシーン。アデからもらったボール、右に持ち替えて打ちましたね)そうですね。どういうボールが来ても対応できるようにと思っていたんですが、割と早いボールがきたので丁寧に打ったらちょっと遅かったです。ループも考えたし、本当は左でダイレクトで打ちたかったんですが右足のループという感じで…、(左足は考えなかった)いや、ボールの位置が目の前でしたからね。さすがに左足のダイレクトでは打てないですね。頑張って右足でダイレクトでした。あそこもトラップしてすぐ打つのか、切り返すか、そこがまた今日でた課題ですね。あとは後半のヘディングとFKもそうですけど、今日は久しぶりに出たので結果を残したかった。

ー後半の途中でダイヤモンドになって、やっとが前に出る形になった。今週はそういう準備もしていましたか?

いえ。あそこまで下がってプレーすることはあまりないけど、供給源としてはプレーできると思うので、うまく間、間で受けて、前を向いてとか、逆に間、間でまわしてとか、相手が嫌がるようなところに顔を出していければよかったけど、やっぱり実力不足だったというか。相手は結構、ここっていうところでスピードがあがるし、僕らは何となくボールをまわしながら狙って、狙ってという感じだったので。とにかくチームとして一丸となって乗り越えないといけない時期だと思うので、ホームで1ヶ月くらい勝っていないので,サポーターには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですが、決して戦っていないわけではないし、自分たちが一番勝ちたいし、一緒に乗り越えていけたらいいなと思います。

ーガンバのリズムじゃないなっていうのは感じますか?

対戦相手として感じていたいい時のガンバは自分たちから回していたと思うんですが、いまは後手な感じがたまにあるので。あとは失点ですね。

●FW宇佐美貴史

(悔しさが一番だと思いますが、振り返ってどうですか?)見ての通りですね。僕のせいでというか、みんなの頑張りだったり,粘り強さだったりが、1プレー、ひとつのミスでこういう結果になる。サッカーの怖さを知った試合でした。(PKのシーンは自分で名乗りを上げて蹴りにいった?)そうですね。僕も蹴りたかったし、監督からもやっとさんからも、っていうのもあったので。(宇佐美選手が遠藤選手に蹴りたいと言ったんですか?)それもあるし、チームとしてという状況だったので。(蹴り直しになって2回目はどういう狙いで蹴りましたか?)変わらずに決めてやるという気持ちだけでした。(重圧があった?)試合中はまだ終わってなかったですし、勝てば何が起きるか分からない状況だったので、ただ終わった瞬間に、自分で終わらせてしまったなということは感じました。(試合終了後、なかなか立ち上がれなかったですね)さっきも言いましたけど、自分のせいとしかいいようがないですし、それをただただ感じていました。(ここから気持ちを切り替えて、ということになりますが、チームとして変えなければいけないところは?)しっかりとボールを動かしながら攻撃するというか、主導権を握りながらやるというか、とってからのプレーだったり、最近出ている課題はしっかり埋めていかないといけないし、決め切るところはしっかり決めていかないと…今日は僕自身がそうでしたし。(これでグループリーグ敗退に。アジアで勝てなかった理由、差はどこに一番感じますか?)僕らの良さがなかなか出せなかったというところが大きいと思います。差というよりは。

●MF今野泰幸

サポーターのブーイングは妥当だし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。個人的にも失点に絡みすぎた。でもここで自分が試されると思うし、ここで下を向くのか、諦めずに挽回するのかはこれからの僕のサッカー人生に関わって来る。でも僕は絶対に諦めないし、絶対に見返してやるというか挽回したい気持ちが強いので、今日は悔しいけど、何とか上を向きたいですね。(ACLは敗退したが、次に気持ちを切り替える?)一つの大会は終わったけど、シーズンはまだまだ続くし、ここで下を向いてしまうのは簡単ですからね。こういう状況を立て直すのは難しいし、連戦が続くので尚さらトレーニングで立て直すのも簡単じゃないけど、気持ちの面で下を向いてしまうとどんどん悪い方向に行ってしまう。何とか皆で気持ちを切り替えて状況を変えるために一人一人が努力したい。

(チームが不振の要因は?)原因は一つではないし、言い出すとたくさんあるけど、それは毎試合ごとに映像を見ながら反省して修正している。今日だって前から来た相手にトライしたし、プレスを外れた時にはチャンスを作れている。これからも色んな反省点を監督があげてくれるだろうし、見たくはないけどしっかりと反省して乗り越えたいと思う。

(課題のビルドアップは良くなったと思うが?)ミスもあったし、危ない場面もあったが、チャレンジはしたし、いい形で成功して前に運べた場面もあった。続けて行くしかないし、急には良くならないので。意識の問題でサッカーは変わるので11人が危機感と意識を持ってやりたい。(得点には意地を感じましたが)得点より、失点の場面が悔やまれます。こうすれば良かったとかああすれば良かったと悔やまれるポジショニングを取ってしまい、チームメイトにも申し訳ないし、サポーターにも申し訳ない。でもこれを取り返すのは自分しかいないので、何とか違うところで挽回したいですね。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事