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<ガンバ大阪>Jリーグ再開。4月の初戦は黒星スタート。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

2週間ぶりに再開したJ1リーグ戦。ガンバ大阪は、ホーム・市立吹田スタジアムに横浜Fマリノスを迎える。

34231 人を集めたスタジアムの熱狂にも後押しされ、19分にFW宇佐美貴史、FWパトリック、FWアデミウソンの三人が絡んで先制点を奪い取ったG大阪だったが、40分。横浜Fマリノスに与えたFKをMF中村俊輔に決められ同点にされると、70分にもカウンターから失点を許し、逆転されてしまう。アディショナルタイムにはFW宇佐美の突破からPKのチャンスを掴むも、MF遠藤保仁の蹴ったボールは横浜FマリノスのGK飯倉大樹に征され、ゴールを奪えず。1-2で敗れた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

正直、悔しい敗戦です。内容としては、選手本当に戦う姿勢をみせてくれた。アデミウソンが入って、また新たな攻撃の形もみえましたし、1点目は前線の3人が絡んで得点をとることができた。ですがでセットプレーでの中村選手の左足とカウンターで得点を獲られてしまった、と。非常に悔しい試合ですがそういった相手の狙いをきちっとおさえる、いらないファウルをしないとか、セットプレーに対して潰し切るとか、ちょっとしたところでここ数試合なかなか星が獲れていないと感じています。反省すべきところはきちっと反省しなければいけませんが、ただ内容的にはだいぶん、面白い攻撃が仕掛けられるようになってきたので、あとは最後の精度をいかにあげていけるかだと思っています。中3日ですぐにACLありますが、こういう時期を自分たちの力で乗り越えなければ、強くなっていかないと思います。ですが、決して悲観する内容ではなかったのできちっと頭の中を切り替えさせて、次のACLに臨みたい。

ーアデミウソンを右で起用した意図と、彼の評価を。

意図としては、どういう形で3人を共存させるかを考えて、中断期間に、アデが右にはいることが一番スムーズに入れるんじゃないかと感じたので、彼を右サイドにおきました。ただ流れの中で前線の3人が流動的に動きますから、そのあたりは倉田あたりがうまくバランスをみながら守備のところでも対応していたと思いますし、攻撃でも彼らが動いて絡んで、いままでにない形がでてきた。アデミウソンは点を獲ったし、最後の貴史とのワンツーとか、PKをとったシーンも貴史とのコンビネーションからだったので、非常にいいパフォーマンスをしてくれたと思っています。

ー交代で初瀬選手を投入した意図は?

米倉がケガあけでしたし、若干、あがって戻るのが遅くなってきたのもあったし、イエローを1枚もらっていたので、フレッシュな初瀬をいれて、彼のクロスの精度、キックの精度をいかしながら攻撃を仕掛けていきたいと思い、初瀬をいれました。

ー攻撃パターンが良くなっているということですが、監督もおっしゃられている通り、ずっと精度の部分が課題に挙っている。そこは個人の問題だと思われているのか、何か、打開策を考えているのか。

個人の精度、タッチがあってくることを…もちろんトレーニングはしなければいけないですが、最後のタッチのところは個人によるところが大きいと思います。もともと能力のある選手たちだと思うので…今日アデミウソンが1点獲ったのは突破口になると思うし、リーグ戦で初ゴールをあげるまではプレッシャーがかかったりするもの。そういう中で1つ獲れれば、また彼らのタッチもかわってくるんじゃないかと思います。チャンスがなければなかなかフィニッシュの精度に言及できないと思うのですが、チャンスの数自体は増えていると思いますし、前回の神戸の試合では、殆どシュートシーンが作れなかったと思いますので、そういう試合に比べたら今日の試合は堅守のマリノスから、自分たちの流れの中からチャンスを作ることができたと思ってます。あとは最後の部分で、いろんな刺激を与えながら、彼らのタッチがあってくるのを待ちたい。サポーターもゴールをみたいと思っているはずですが、我々も辛抱強く待ちながら,刺激を与えながら、なんとか良い方向に向くようにして行きたいと思っています。

●MF遠藤保仁

前半少しさがりすぎていたというのはありましたけど、大きなピンチもなくやれていたと思うので。ただ失点の仕方があまりよくなかった。先制したあと、セットプレーがらみで失点して、特に二点目は完全にカウンターなので。結果論ですけど、ファウル覚悟で止めるということも頭に入れておく必要があった。

実際、一番前にいた選手に取られたわけではないので。2列目の選手が切り替えのところで相手を上回ることができれば良かった。ただ、やっているサッカーは悪くないと思う。後半はほぼ、ヒガシの仕事はないような状況だったと思うし、攻撃の形も、少しずつ見えてきていると思う。(PK失敗について)あれは、自分のミスです。もちろん自信を持って蹴りましたけど。次も自信持って蹴れるようにしたい。(状況的には)読まれただけですよ。それ以上のことはないので、これで何かを変えようという風には思っていません。(中村選手のFKについて)誰に決められても、失点は悔しいので。俊輔だから、ということはないです。

●FWアデミウソン

勝利できなかったことが残念ですが、個人的にはゴールを挙げられたのは次に繋がるのかなと思っています。(コンビネーションについて)良くはなってきていると思いますし、今日もプレーは悪くなかったのかなと思います。交通事故のように決められた中村選手のFKがありましたが、それ以外に、本当に危ないピンチの状況は失点に繋がったカウンターをうけたシーンくらいで、それ以外は特に問題なかったのかと思います。(あとは試合を重ねて連携を深めていくという感覚ですか?)練習でもコンビネーションの向上は図れると思いますが、こういう公式戦でみんなと長い時間プレーするということが、さらにコンビネーションの向上につながるのかなと思います。(古巣相手にゴールをとれた。きっかけになりそうですか?)今回対戦相手がマリノスだからではなくて、どの対戦相手でも常に自分は成長することを目指しているので今日1ゴールできたので次の試合で2得点、さらに次は3得点という風にどんどん成長できればと思っています。(そういう攻撃の高まりをみせるために課題に感じていることがあれば教えてください)僕らのチームはボールをまわすことについてはだいぶできていますが、もう少しダイナミックにいかなければいけないところもあるのかなと感じています。相手は奪ってから前に仕掛けるのがすごく早かったのに対して,僕らは少し前線でボールを繋ぎ過ぎたり、もう少し前にいけたところでワンテンポ遅らせてしまったりしたのかなと思っています。(ダイナミックな攻撃というところではパトリックを含めた攻撃も課題ですか?)やっぱりパトリックとのコンビネーションがあがってくると更にオプションが増えると思います。やはり彼が前線にいることで、彼の強さである相手のセンターバックをおさえてから、ボールをきっちり落としてくれるといったポストプレーだったり、逆に彼をスペースに走らせる事で前線にチャンスを作るというプレーができるのでやはり彼ともっとあわせていきたいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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