ガンバ大阪DF加地亮が移籍会見。「まだここにいたいという思いもある」と心境を吐露。

<加地亮コメント>

今日はこのように暑い中、みなさん、本当に来て下さってありがとうございます。記者の方々もありがとうございます。そして、このような会見の場を設けてくださったガンバ大阪に感謝したいと思います。

今回アメリカ、メジャーリーグサッカーの、チーヴァスUSAというチームに移籍することになりました。シーズン中のことで、ガンバ大阪にも迷惑をかけることになりますし、自分の立場としても、副キャプテンとしてシーズン途中で出て行くのは無責任だと自覚しています。また家族にも迷惑をかけました。わがままな選択でいかせてもらうことを本当に申し訳なく思っていますが、その分、アメリカで人間としてもサッカー人としてもまた成長したいと思います。ガンバでは8年半という、すごく長い時間を過ごさせてもらい、いろんな経験をさせてもらいました。人間的にも成長させてもらったクラブだと思っていますし、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

ここ2週間くらいのスピードで移籍が決まってしまったので、自分がガンバ大阪の練習グラウンドにもう来ることができないんだな、と思うと、とにかく寂しい思いでいっぱいで、決心したのはいいけれど「まだここにいたいな」という思いと、「でも、自分のために行かなければいけない」という思いが交錯して、まだ整理ついていないところもあります。この思いをしっかり自分の中で整理して、向こうにいって頑張りたいと思います。

僕一人ではここまでくることは出来ませんでした。フロントの方やファンの方々、記者の皆さんや、チームメイト、スタッフも含め、すごくたくさんのサポートに支えられて、僕はここまでくることができました。人間は本当に一人では何もできない、周りのサポートがあって生かされているんだということを今、実感しています。

ガンバ大阪はいまシーズン途中で、こういう順位にはいますが、絶対に巻き返してくれると信じていますし、皆さんにもガンバ大阪を盛り上げていってもらえるようにお願いしたいと思っています。僕も、日本のニュースになるくらいアメリカで活躍したいと思っていますので、また応援して下さい。

本当に寂しいです。皆さんに感謝しても仕切れない。ありがとうございました。

<質疑応答>

ーJ1リーグも、メジャーリーグもシーズン途中というタイミングで移籍を決断した理由は?

3~4年前からずっと海外で挑戦したいと思っていました。そのオファーをいただいたタイミングが今だったので、今しかないと思って決断しました。(34才という年齢も考えてのことでしょうか?)もっと早くいきたかったのですが、タイミングがなく、34歳になってしまったという感じですね。ただ年は関係ありません。周りはどう判断するか分からないですが、自分がやれると思うなら、実行するだけだと思っています。

ーJリーグでも日本代表でも様々な経験を積まれてきました。サッカー人生における、この移籍の位置づけは?

チャレンジという感覚でもないというか。長い人生の中で、サッカー選手として海外で仕事をできることもなかなかないですからね。海外の選手と触れ合えることで違う文化を経験できるし、人間としても幅が広がるし、経験も増えると考え、移籍を決めました。

ーガンバでは天皇杯連覇やACL制覇、など様々な経験をされてきました。改めてガンバ大阪への思いを聞かせてください。

先ほども話しましたが、ガンバ大阪に愛着がありすぎて、まだ自分が出て行くのが信じられないというか。自分が決断したことなのに、どこかでまだ信じられない感じがあって、とにかく寂しいという思いだけがいま渦巻いています。ですが、長い人生を考えて、もっと成長したいというか。サッカーもそうですが、人間的にも大きくなりたいと考え、そのためには海外でいろんなキャリアを積みたいと思い、移籍を決めました。

ー移籍先のアメリカ、MLSのチーヴァスUSAの印象は? またどういうプレーを魅せたいですか?

正直、選ぶ選択肢はなかったというか、オファーを受けたのはここしかなかったのですが、印象は……アメリカ人だな、と(笑)。その分、改めて日本人のキッチリした性格というか、規律のある文化がすごいなと感じました。プレーについては、これまでと変わらず、自分のいいところをどんどん出していきたいと思っています。チームに早く馴染みたいし、選手にも早く僕のプレーを理解してもらえるようにやっていきたい。また攻撃も守備もしっかりできる選手になりたいです。

ーガンバ大阪での8年半で、一番思い出に残っている試合は?

いっぱいありますが、なぜか、08年の天皇杯の決勝で、播戸竜二(現サガン鳥栖)が決勝ゴール決めたシーンだけは、頭の中に鮮明に残っていて。これは余談ですが、次のシーズンがスタートするにあたって、確かグアムキャンプの時に、その播戸と同じ部屋だったんですよね。その時に、彼がなぜかその、天皇杯決勝のDVDを持っていて(笑)。練習に行く前に必ずそのDVDを、播戸が決めた、あのシーンを見て練習にいっていました。おかげで、モチベーションが…播戸だけはあがっていた思い出があります(笑)。「どや?! どや?!」と、毎日言っていました(笑)。(ご自身のプレーに関わるところでの思い出は?)あ、そっちですか(笑)? そうですね、プレーは…やっぱりファン感ですね。ですから、悔いが残るのは今年のファン感に出られないことで…この思いをどこにぶつければいいのか、と。アメリカでファン感があればぜひやりたいと思っています。(では、印象に残る公式戦はありますか?)ファン感が僕の公式戦ですからね(笑)。ファンサービスをしていても、いつも「ファン感どうですか?」って聞かれるくらいで…最後は芸人みたいなことになっていましたので。

ー去年のまさかのJ2降格からJ1優勝を果たしました。あのシーズンはご自身にとって大きな時間というか、それが移籍に繋がるところもあったのでしょうか。

いや、それはまったく関係ないです。降格したことに関しては、選手の責任だとすごく感じていましたし、1年で昇格できて良かったと思っています。更にここからまた、J1で優勝争いできるチームになっていってくれればいいなと思います。

ーガンバのサポーター、大阪のファンへのメッセージをお願いします。

本当に、感謝、感謝です。ありがとう、という思いに尽きます。

ーちなみに、チームメイトの皆さんは現在キャンプ中ですが、報告はされましたか?

キャンプ前に一応、いくよ、という感じで…「まだ、正式には決まっていないけど」という前提では伝えていました。みんなには送別会的なこともやってもらい、気持ちよく送り出してもらいました。

ー改めて、アメリカでの意気込みを改めて聞かせてください。

本当にわがままな、自己中心的な選択で移籍を決めましたが、自分で決めた選択なので悔いがないようにしたい。とにかく1日1日を、いつ終わったとしても、ずっと続いたとしても本当に悔いがないように、1日1日過ごしていきたいと思います。

ー選手の皆さんに送別会をされたということでしたが、どんな言葉を掛けられたのでしょうか。

「お疲れ!」と。まるで、引退したかのように「加地さん、お疲れ!」と言われ、「いやいや、まだ現役、現役!」と切り返したのが…それが印象的です(笑)。あとはみんなから本当に「頑張ってください」という言葉をかけてもらったので。その思いをもって、アメリカでも頑張りたいなと思いました。

ーこれまでガンバのサポーターの皆さんにどんな思いで自分のプレーを魅せてきたのか、アメリカではまた、どんな自分を表現したいと思いますか。

日本では常に強い、アグレッシブな選手でありたいと思っていました。いつでも元気なプレーを…年をとったから溌剌さがなくなった、とは思われたくないし、常に元気に、1日1日過ごす事だけを考えていました。なので、アメリカでも、持ち味でもある、右サイドをしっかりアップダウンのできる選手であることを…何才になっても、年をとったからそれが出来ないということではなくて、年をとってもそういう自分を見せたいと思っています。気持ちの面で、年をとったからというのは一番自分としても嫌ですからね。サッカーをやる上では年は関係ない、と思っているので、いつまでも若々しくプレーしたいと思います。

ー以前、アメリカに行くことが夢の1つだとおっしゃっていました。アメリカにいってからの夢は描いていますか?

僕自身にとって『夢』という言葉はないと思っていて。夢は…努力すれば全部かなうものだと思っているし、不可能なことはないと思っています。みんな夢、夢とよく言いますが、僕は努力すれば全て現実になると思ってやってきました。アメリカに行っても長く、アメリカに永住できるくらいの、アメリカ人になるくらいの気持ちで(笑)、向こうにいきたいと思います。

ー英語でのコミュニケーションに不安はないですか?

英語でのコミュニケーションについては…ノリと勢い! と、ジェスチャーで何とかなるのかなと(笑)。あとは、笑って「OK、OK!」と言っていれば、OKだと思っています。もちろん勉強はしますし、細かい部分ではおそらく言葉の壁はあるはずですが、それ以上に通じる方法はあると思っているので、自分のスタンスでやっていきたい。

ーこれを機に日本代表に戻りたいという考えはありますか?

いえ、日本代表は引退して本当に全く悔いがないですから。いつも思っていることですが僕は日本代表も、サッカー人生もいつ終わっても悔いがない過ごし方をしてきましたからね。例えば、今日現役をやめろといわれてもスッキリと終われるくらいの過ごし方をしてきた。だから、代表についてもそう思えるんだと思います。