天皇賞(春)は波乱含み、天気次第では大穴狙いも⁉

2019年、重馬場の弥生賞を制したメイショウテンゲン(撮影:青山一俊)

27年ぶり、阪神競馬場で行われる天皇賞(春)

 2日、阪神競馬場で天皇賞(春)が行われる。通常、天皇賞(春)は京都競馬場で行われてきたが、今回は同競馬場の改修工事により阪神競馬場で行われる。これは27年前の1994年のことで、先行から直線で抜け出す内容でビワハヤヒデが優勝している。ただし、阪神競馬場は2006年に大規模なコース改修を行っており、1994年の天皇賞(春)と今回とでは走るコースの形状は大きく異なる。

■1994年天皇賞(春) 優勝ビワハヤヒデ

現在の阪神芝3200mはトリッキーな外→内回りコース

 2006年に改修された阪神芝3200mのコース形状を確認する。1周目が外回り、2周目が内回りである。そして、コーナーを6つまわるが、それぞれが異なる形状をしているのが特徴だ。具体的にいうと、入り口から出口にかけて半径が小さくなるスパイラルカーブの1、2コーナーは内回りと外回りで共有し、3、4コーナーは内回りの外側にが大きく緩やかな外回りががある。芝3200mは、向こう正面からスタートして、最初のコーナーは外回りの3、4コーナー。ここは大回りで緩やかなのに対し、次に周回する内回りの1、2コーナーは急に半径が小さくなる。そして、最後に周回する内回りの3、4コーナーは外回りよりは角度が狭い。それゆえ、トリッキーなコースと言われている。

前日オッズ1番人気はディープボンドで3.8倍

 今年は17頭の出走。フルゲートは18頭だが2018年が17頭、2019年が13頭、2020年が13頭であった。近年の距離体系において短距離から中距離に重きが置かれていることを考えれば、今年はメンバーが集まったほうだと言える。

※3枠5番ディアスティマは北村友一騎手が落馬負傷のため、坂井瑠星騎手に乗り替わり

2021年天皇賞(春)枠順 (筆者作成)
2021年天皇賞(春)枠順 (筆者作成)

 レース前日の17時現在のオッズをみてみよう。1番人気は前哨戦の阪神大賞典を勝ったディープボンドで3.8倍。2番人気は昨年の菊花賞2着のアリストテレスで4.1倍。続いての単勝1倍台は一昨年の菊花賞馬のワールドプレミアが5.8倍、オープン入りしたばかりのディアスティマが8.0倍、2019年ジャパンカップなどGI2着が3回あるカレンブーケドールが8.6倍となっている。

 単勝10倍台はオーソリティの11.8倍、ユーキャンスマイルの13.0倍。あとは横山武史騎乗のウインマリリンが20.2倍で、その他は高倍率となっている。

 最近いい競馬をみせている馬や長距離で実績のある馬が人気を集めている格好だ。

充実著しいディープボンド

 ディープボンドは阪神大賞典で後続に5馬身差をつけ、この天皇賞(春)の主役に躍り出た。この馬の強みはスタミナとパワー。大トビのフットワークから以前は道悪も疑問視されていたが、今の馬体なら前走での走りが示すとおり、むしろ他が苦にするならその分有利さを感じさせるほどたくましく成長した。

 今年は京都競馬場の改修工事の影響を受け、阪神競馬場での開催が続いている上に週末は雨が降ることが多く馬場の傷みが気になる。さらにレース当日、午前中は晴天に恵まれての良馬場スタートだが、午後からの天気予報には雨マークがついている。ディープボンドはどのような馬場になっても対応できる上に、性格もおっとりしておりコントロールが効きやすいと聞く。GI未勝利ではあるが、1番人気に推されるのは納得だ。

前走の負け方が気になるアリストテレス

 逆にアリストテレスは2020年菊花賞、2021年アメリカジョッキークラブカップの走りから相当な期待を寄せられていた。しかし、前走の阪神大賞典の負け方がふがいないのが気になって仕方ない。道悪かつ長距離戦という条件が悪かったのかもしれないが、それは午前中は良馬場発表とはいえ、レース直前まで馬場状態が読みにくい今回の天皇賞(春)では積極的には推しにくい。調教の動きは良かったが、今回は長丁場だけに未だ少々テンションが高めなのも気になる。ただし、テンションについては今回は無観客競馬となるのはプラスに働くはずだ。

■2020年菊花賞 優勝コントレイル(2着アリストテレス)

 ワールドプレミアは叩かれて状態は確実に良化している。重心の低いフットワークは変わらず好印象。菊花賞を優勝したころの雰囲気を彷彿させる。

■2019年菊花賞 優勝ワールドプレミア

このコースを唯一勝っているディアスティマ

 ディアスティマは1勝クラスから着実に勝ち星を積み上げてオープン入りしたばかりの新星。ここ2戦は逃げきり勝ちをおさめているが、先行からの競馬もできる。ちなみに前走の松籟Sは阪神芝3200mと今回の天皇賞(春)と同コースである。そもそも行われることがとても少ないコースではあるが、メンバー中、このトリッキーなコースを勝っている唯一の馬である。

穴で狙いたい道悪ならメイショウテンゲン、晴ならウインマリリン

 さて、なかなか難しい菊花賞だが、筆者が狙ってみたい馬はディープボンドの他に2頭いる。

 1頭はメイショウテンゲン。前々走まで2桁着順を続けていたが、前走は6着。レースに向けてのやる気の有無がはっきりしている馬で、なんとなく好走、という言葉はこの馬にはない。鞍上の酒井学騎手が積極的に馬にやる気を出すよう促しており、それがいい方向に向いているようだ。ただし、勝つとなると馬場が渋るのが条件。泥んこ馬場の弥生賞で勝っているように、馬場は悪くなればなるほどよい。前日オッズでは84.4倍だが、雰囲気は良くなっているので大穴として狙いたい。

 もう1頭はウインマリリン。日経賞では今回出走するカレンブーケドール、ワールドプレミアを負かしている。鞍上はいま猛烈に勢いのある横山武史騎手だ。少しテンションが高い馬なのでアリストテレス同様無観客競馬はプラスになるだろう。ただし、道悪ではあまり実績がないのでメイショウテンゲンと反対で良馬場が条件だ。

■2020年天皇賞(春) 優勝フィエールマン