オジュウチョウサン、平地重賞へ再度チャレンジ！ステイヤーズSに出走

ライター、脚本＆漫画原作、競馬評論家

2019/11/30(土) 9:36

オジュウチョウサン、マラソン的名物レースに出走

　障害界の絶対王者が平地競走にもチャレンジする"二刀流"で話題を集めた競走馬オジュウチョウサンが30日に中山競馬場で行われるステイヤーズSに出走する。スタミナが要求される芝3600mのマラソンレース。ここ２走、２桁着順を重ねているが念願の平地重賞制覇が叶うのかが注目されている。

2019年年初のレースプランの記事はこちら

https://news.yahoo.co.jp/byline/takakohanaoka/20190119-00111683/

ステイヤーズSはスタミナ勝負の名物レース

　30日、中山競馬場ではステイヤーズS(GII)が行われる。芝3600m戦と、中央競馬で現在最も長距離の重賞だ。スタンド前からスタートし、コースを２周する。スタート地点はゴール位置より後ろなので、ゴール板前を３回通過する名物レースだ。スタミナが要求されるのは言わずもがな、である。

　オジュウチョウサンはこの秋、平地競走で2戦しているが10着、12着という成績。昨年の有馬記念ではゴール手前200m前付近までの勝負どころで見せ場をつくった華やかさは残念ながら今年は見られていない。

　もともと暑さに強くないオジュウチョウサンだが、秋初戦の六社S(3勝クラス)は残暑の中での調整が必要だったこともあり精彩を欠いていた。2戦目のアルゼンチン共和国杯(GII)は先行するも12着に敗れている。

有馬記念、レース後のオジュウチョウサンの様子をレポートした記事はこちら

https://news.yahoo.co.jp/byline/takakohanaoka/20181224-00108829/

2018年有馬記念　オジュウチョウサンはゴール手前200m付近まで見せ場をつくった

気のなるこの中間のオジュウチョウサン

　アルゼンチン共和国杯(GII)のレース後、オジュウチョウサンはいつものとおり、短期のリフレッシュ放牧に出た後、再び美浦トレーニングセンターで調整を進めている。調教パートナーは障害時に主戦だった石神深一騎手が引き続き務めており、従来どおりの調整で進められている。

　障害時代は出走できるレースが限られていることもあり、ひじょうにゆったりとしたローテーションで走ってきたが、この秋は中３週、中３週での出走。それでも最終追い切りでは調教駆けする相手にピタリと併せ、ゴール前はノーステッキで伸びるという好内容だった。

「ゴール後も2コーナーまで加速しました。反応が悪かったらステッキを使おうと思いましたが、舌鼓(騎乗者が舌打ちし音で馬に合図すること)で反応しました。走る気は十分あるように思います。」(追い切りに騎乗した石神騎手)

　また、暑さが得意ではないだけに、日に日に陽射しの厳しさが和らいでいくこの季節はオジュウチョウサンにとっては好都合だ。

平地２勝目時のオジュウチョウサンの様子はこちら

https://news.yahoo.co.jp/byline/takakohanaoka/20181104-00102868/

石神騎手を背に優勝した2018年中山グランドジャンプ(J・GI) 提供：柴谷記好

ライバルには実績あるメンバーが揃う

　ステイヤーズSに出走するのは全13頭。数のない長距離レースとあって、ここを狙って仕上げてきた面々が集っている。

　昨年のステイヤーズSの優勝馬のリッジマンは芝2400mの前走の京都大章典(GII)ですら陣営が「距離が足りなかった」(庄野師)というほどのステイヤーだ。

長距離実績はもちろん、ローテーションも満を持してここに挑んでおり、上位争いは必至だろう。

　アルバートは8歳馬だが、過去ステイヤーズSを3勝している実績馬だ。昨年も出走して同一重賞4連覇を目指すはずだったが、無念のリタイア。今年は仕切り直して、同一重賞4勝目を狙う。前走の京都大章典は16着と奮わなかったが、ここを叩いての大幅な良化が見込める。

　メイショウテンゲンは今年の弥生賞を勝っており中山のコース実績がある。まだ若干気性的に幼い面も残るが、状態は引き続き良い。母のメイショウベルーガは牝馬ながら古馬中距離重賞の日経新春杯(GII)、京都大賞典(GII)を制したツワモノだった。芝3000mの阪神大賞典(GII)3着という母のスタミナをどこまで受け継いでいるか。ここが初の古馬との対戦だが、注目したい１頭だ。