JRAが変わる!「500万円下→1勝クラス」など新制度実施へ。すぐわかる3つのポイント

JRAの新しいクラス分けがスタート。名牝ウオッカの仔たちは早速影響を受けている(写真:ロイター/アフロ)

JRAでは2019年夏季競馬(レースは6月1日~)から条件戦においてのルールが変わる。原則として勝利数によるクラス分けが実施される。

1.条件クラスのレース名称が変わる。

 JRAでは基本的に馬の強さによってクラス分けがなされている。具体的には、稼いだ賞金を収得賞金と呼ばれる独自の計算方法で算定した金額を基にクラス分けを行う。そして、これまではその収得賞金の額をそのまま条件戦の呼び名にしていた。

 しかし、今回の改定では呼び名にその馬の勝利数が用いられるようになった。

 新しい競争条件の呼び名はとてもシンプルだ。

JRA 条件戦の新名称
JRA 条件戦の新名称

 そして、このクラスに該当する馬たちの条件は以下のとおりとなる。

JRA クラス分けの条件
JRA クラス分けの条件

 呼び名こそ勝利数が用いられるが、実際の運用は今と変わらない。条件名に呼応しないのは、GI2着などで勝ち星は加算されないが、収得賞金が加算されるケースだ。

 勝ち星は1勝のみだが菊花賞2着などで1億9,778万円の総賞金を稼いでいるエタリオウ(金額は2019年5月31日現在)は、クラス分けを計算する収得賞金の額は6350万円のため、1勝クラスではなくオープンに該当する。

2.降級制度は廃止

 これまでは毎年夏には収得賞金の計算方法を工夫して上位クラスにいた馬が下位に降格する、いわゆる"降級制度"があった。その詳しい条件は何度か変更されてはきたが、直近では4歳馬が収得賞金を半額で計算されるクラス編成がなされていた。これにより、上のクラスでは頭打ちだった馬が降級することにより再びチャンスが得られることがあった。

 しかし、今年からは降級制度は廃止される。つまり、勝てば必ず上のクラスに昇格する。

 また、昨年夏以前の降級した馬についてはそのまま現行のクラス分けが続くので、しばらくは2勝クラスに3勝馬がいるなどといった現象が発生する。

 今週の鳴尾記念にはウオッカの仔・タニノフランケルが出走するが、昨年までのルールであれば降級制度を利用して準オープン(新・3勝クラス/旧・1600万下)で戦えるはずだった。1つ勝ち星を損した印象もあるが、見方を変えればこれにより重賞へのチャレンジが促されたともいえる。

 さて、この新ルールが吉と出るか、凶と出るか?!

鳴尾記念にチャレンジするウオッカの息子・タニノフランケル(左) 筆者撮影
鳴尾記念にチャレンジするウオッカの息子・タニノフランケル(左) 筆者撮影

3.注目は斤量の軽い3歳馬!

 降級制度がなくなることにより、有利と目されるのは3歳馬だ。

 このように3歳馬は平地競走では4歳以上の馬たちより負担重量が軽減されている。

夏の1~3歳クラスでは3歳馬の斤量が特に軽い
夏の1~3歳クラスでは3歳馬の斤量が特に軽い

 クラスの壁にぶち当たっている馬たちにとっては、もう一度下のクラスで戦える降級制度はある種の救済措置だったため、例年この時期は降級馬が幅を利かせている季節でもあった。しかし、今回のルールによって彼らは降級できないだけでなく、クラシックレースへの出走を目標に重賞戦線でしのぎを削ってきた若い3歳馬と戦うことになる。

 ちなみに今週の日曜に同じくウオッカの仔である3歳馬タニノミッションが3歳以上1勝クラスに出走する。斤量は年齢による3キロ減に加えて牝馬のため2キロ減が適用され、牡馬の古馬より合計5キロ少ない52キロでの出走となる。かなり有利な戦いになるのではないだろうか。

ウオッカの娘・タニノミッションは3歳牝馬の恵量をいかせるか 筆者撮影
ウオッカの娘・タニノミッションは3歳牝馬の恵量をいかせるか 筆者撮影

 

 最後に。

 今年は年初からリステッド競走の新設、3月に女性騎手の一般競走での斤量2キロ減など、ルール改正が目白押しだ。そして、3歳未勝利馬が戦えるレースがなくなる時期も早まる。より勝ち抜くことが重要になっていくことだけは間違いないようだ。