【18歳選挙権】8党合意実現には秋の臨時国会に公選法改正案提出を

国民投票法改正案が可決された。衆議院憲法審査会には参考人として呼ばれ、とくに「18歳選挙権」について、意見陳述を行ってきたが、今回の国民投票法改正は、付帯決議により、公職選挙における選挙権年齢についても、あらためて施行後2年以内に18歳への引き下げが求められる事となった。

2007年に成立した国民投票法の附則には、施行日までに選挙権年齢を18歳に引き下げるよう明記されていたが、立法不作為により、2010年5月以降は、違法状態となっていた。

日本では20歳から選挙権が常識だが、実は世界では極めて稀有であり、既に世界の85%、G8では日本以外、OECD加盟国でも日本と韓国以外全ての国が18歳から選挙権を認めている。2007年にはオーストリアが国政選挙権を18歳から16歳に引き下げた。ドイツ、スイス、ノルウェーでは、特区や自治体権限により、地方選挙で16歳に引き下げるなど、欧州各国では既に16歳選挙権に向けた動きが広がっている。

選挙権年齢引下げには、若年層の政治的判断能力や投票率を心配する声も聞こえるが、先行する欧州諸国の事例では、16・17歳の投票率が18・19歳の投票率を、また10代の投票率が20代前半のそれを上回る傾向にあり、選挙権年齢の引き下げが政治的成熟度の向上にもつながっている。こうした背景には、親との同居率や学校教育等があるとの研究結果もあり、日本においても、大学生になると親元を離れる学生も多い事を考えると、親元にいる間に、また高校における主権者(憲法)教育との関係性を持った形で選挙権を保障する事には、むしろ現状以上に大きな価値があると考えられる。

18歳選挙権の実現は、単に有権者を増やすという事だけでなく、世代間格差の是正や、少子高齢社会の担い手として若者が参画する仕組みを整える一環として位置付け、主権者(憲法)教育などと共に総合的に整えていく必要もある。

また、これまでの議論では、選挙権年齢引き下げの問題は、権利の問題として扱われる事が多かったが、成長戦略としてダイバーシティ(多様性)が議論される中では、若年世代の人材活用は、この国に取って重要な要素の一つである。筆者は昨年、地方選挙における選挙権・被選挙権年齢を自治体が独自に設定できる「若者の政治参加を通じた地域活性化に係る特区」を提案し、国家戦略特区ワーキンググループによるヒアリングでも高い評価を得た。政治や行政など公共分野における若者の活用もまた、これからの社会にとっては重要な要素になる。

自民・公明・民主・維新・みんな・結い・生活・改革による「8党合意」の通り、2016年6月までに18歳選挙権を実現するためには、成立後の周知期間や参議院議員選挙の時期なども考えれば、実質、来年の通常国会での公職選挙法改正が必要になる。その為には、この秋の臨時国会には改正案提出をと期待する。

いずれにせよ、国会が自ら議員立法によって制定した法律で、立法不作為により違法状態にな羅ない事はもちろん、こうして失った政治や議会への不信感を解消するためにも、しっかりと約束を守ってもらえる様、実行してもらいたい。

最後に、今回の国民投票法改正を受け、6月18日・19日の両日に「18歳選挙権の実現」を求めた10代・20代などによるキャンペーン「Act18」の主催により、2つのシンポジウムが行われるという。

こうした高校生や大学生など当事者による活動もまた、活発に行われる事を期待したい。

1・ Act18企画『18歳選挙権実現へ! ~若者団体代表者×国会議員~』

【日時】2014年6月18日(水)午後5時~午後6時半

【場所】衆議院第二議員会館第5会議室

【参加者】高校生・大学生等 40名

【パネリスト】

船田 元  衆議院議員・衆議院憲法調査会幹事

中谷和馬  GEIL代表

芳賀達也  日本学生会議所副会長

青木大和  僕らの一歩が日本を変える代表・NPO法人Rights副代表理事

町田彩夏  女子高校生未来会議発起人

中嶋めぐ実 Teen’s Rights Movement 他

【進行】

斎木陽平 一般社団法人リビジョン代表理事(慶応義塾大学大学院在学)

2・ Act18 第一回シンポジウム~若者×国会議員 18歳選挙権を実現しよう~

【日時】2014年6月19日(木)午後5時~午後7時45分

【場所】衆議院第一議員会館多目的ホール

【参加者】高校生・大学生1・2年生等(10代) 100名

【タイムライン】

《第一部》

17:00~17:15 開会式

17:15~18:15 高校生・大学生と国会議員の方々とのグループ別意見交換

18:15~18:30 安倍昭恵総理大臣夫人挨拶

《第二部》      

18:30~19:30 「8党合意」の各党の国会議員によるパネルセッション

19:30~19:45  閉会式

【パネリスト】

自 民:逢沢一郎 衆議院議員

公 明:北側一雄 衆議院議員・憲法審査会幹事

民 主:武正公一 衆議院議員・憲法審査会幹事

維 新:小沢鋭仁 衆議院議員

みんな:和田政宗 参議院議員・憲法審査会委員

結 い:畠中光成 衆議院議員・憲法審査会委員

生 活:鈴木克昌 衆議院議員・憲法審査会委員

【進行】

高橋亮平(中央大学特任准教授・NPO法人Rights代表理事)

中嶋めぐ実(Teen’s Rights Movement)

高橋亮平

中央大学特任准教授

NPO法人Rights代表理事

NPO法人「万年野党」事務局長

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