ミャンマー国軍、中国製ドローンでデモ監視――ジェーンズ・ディフェンスが確認

中国の無人航空機(UAV)CH-3(彩虹3)(写真は中国サイト「百度百科」から)

ミャンマー国軍が抗議デモ監視のため、中国製のドローンこと無人航空機(UAV)を運用していることが分かった。英軍事週刊誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーが報じた。中国が水面下でミャンマー軍を長年支援してきたことがうかがえる。

ミャンマー国軍は2月1日、アウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)から権力を奪って軍事クーデターを強行した。以後、ミャンマー軍と警察による抗議デモへの武力弾圧での死者は累計で600人を超えたと推定されている。

ジェーンズによる衛星写真などの分析によると、この中国製ドローンはCH-3A (彩虹3A)で、中国国有企業の中国航天科技集団(CASC)が製造した。ジェーンズでは、ミャンマー軍が2013年から15年にかけ、このドローンを10機から12機ほど調達したとみている。ミャンマー空軍が同国中部のメイッティーラ空軍基地から飛行させ、運用しているとみられる。

ジェーンズは衛星写真を分析し、メイッティーラ郊外のシャンテ空軍基地の格納庫のそばで、少なくとも2機のCH-3Aの存在を確認したと報じている。

ソーシャルメディアでは3月、ミャンマー国軍が同国中心部でデモを監視するために少なくとも2種類のドローンが低空飛行する画像が拡散されていた。具体的には、中国製のCH-3Aに加え、ロシア企業スペツィアーリヌィ・テフノロニーチェスキー・ツェントル(STT)製のオルラン10E小型UAVと酷似した固定翼機がミャンマー第2の都市マンダレーの住民によって目撃されていた。

ジェーンズは「ミャンマー軍による無人航空機の運用の秘密主義を踏まえれば、中国航天科技集団(CASC)によって開発されたこの無人航空機の目撃は注目に値する」と指摘する。

CH-3Aは主に情報収集・監視・偵察(ISR)に使用され、反政府民族活動への対反乱作戦を長期にわたって支援する役目を負ってきた。反政府武装勢力の拠点を空爆する際にも使用されてきたとの報道もあった。

CH-3Aは翼幅8メートル、最大離陸重量(MTOW)650キロ、最大積載量180キロ。ピストン・エンジンを採用し、滞空時間は最大12時間。重さ45キロの無人機用AR-1型空対地ミサイルを搭載可能だ。精密誘導弾の同ミサイルは10キロの爆裂破砕性・貫通性弾頭を装備し、最高速度マッハ1.1で最高8キロ先の武装した標的や建物を攻撃できる。

中国国営メディアの「人民網」や「新華網」はこれまでCH-3を「無人爆撃機」「ステルス無人攻撃機」などと紹介してきた。

ジェーンズは、ミャンマーのほか、アルジェリアとナイジェリア、パキスタンがCH3とCH-3Aを保有しているとみている。

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