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米大統領選挙とイランで続く爆発(3)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

こうした状況の6月末に、イランで爆発と火災の連鎖が起こった。7月に入っても、連鎖は続いている。『ニューヨーク・タイムズ』紙が、ある中東の国の諜報機関の情報として伝えたところによると、爆発した建物では新型の遠心分離機が組み立てられていた。その四分の三が破壊されたという。 この件に関しては、『祖国のチータ』を名乗る組織がイギリスのBBCのイランのペルシア語放送に対して犯行声明を送り付けた※5。しかもイラン政府が爆発を認める前にである。この組織は体制の中枢に存在する秘密組織だと主張している。 だが、その主張は懐疑の念をもって受け止められている※6。イランの体制内の組織であれば、自ら名乗り出るはずもない。祖国のチータなどの名称も、ピンク・パンサーほどの信ぴょう性を感じさせない。これまでは存在を知られていなかった組織である。さらにネット上で、この組織のロゴ・マークのようなものが確認できるが、専門家によれば、描かれている動物はチータではなく豹であるという。 残念ながら筆者の表情を区別する能力はない※7。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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