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トランプ政権と中東(9)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

 それが最初の「60」という数字につながってくるわけです。今日から数えて60日目にアメリカの中間選挙があるわけです。だからトランプはそれまでに死に物狂いで、本当に票固めに入るということです。これが一番言いたいことなので、しっかり聞いてほしいのですが、トランプの支持率が低いと皆言います。確かに事実、4割とか3割にまで下がっていると思います。では支持率が低いからトランプに勝ち目はないのかというと、そんなことはないと思います。この間のトランプが勝った大統領選挙の投票率は55.7%でした。ということは56%ですよね。ということは28%と1票を取ったら、過半数じゃないですか。だから28%を取ればいいのですよ。アメリカの大統領選挙はもう少し投票率が高い時もあります。オバマの時はオバマ人気で投票率が高くて60%でした。それでも30%を取れば過半数です。半分でしょう? 30%と1票を取れば極端な話、選挙に勝てる。だからトランプとしては80%とか60%の票を取って勝とうとは思っていないわけです。もうニューヨークタイムズとかワシントンポストとかを読む人はトランプに絶対入れてくれないのですよ。だからトランプは自分に選挙に来てくれた人たちがもう一回選挙に来るように、それプラス、トランプは約束を守ってくれると思う福音派の人たちが選挙に来てくれるように、働き掛けているわけです。ひたすら、ひたすら選挙キャンペーンをやっているのです。トランプは外交をやっているわけではなくて選挙キャンペーンをやっているのです。だから、ただひたすら30%と1票を取るために戦い続けているのですよ。こんなに合理的な政治家はいないのではないかと私は思いますが、皆さんの同意は得られないですかね。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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