荒野行動で大麻勧誘も、冬休みの小中学生のスマホ利用に潜む危険と対策

ゲームやSNSで知らない人と交流、直接会う小中学生は少なくない(写真:アフロ)

福岡県粕屋郡内に住む中学生が、オンラインゲーム「荒野行動」で大麻購入に関する勧誘を受ける被害にあった。なぜゲームでこのようなことが起きるのか。荒野行動やSNSなど、冬休みのスマホ利用で注意したいことについて解説する。

小中学生にも高い人気を誇るオンラインゲーム

以前、荒野行動で出会い系被害が起きていることを解説したことがある。

ある公立中学校で聞いたところ、男子中学生の1割弱が「荒野行動」をプレイしていることがわかった。「友達同士で夜中までプレイしている」「学校で流行っている」と教えてくれた。女子生徒もわずかながらいたが、主に男子生徒を中心に人気があるらしい。

このように、殺し合いをするバトルロワイヤルゲームであり、App Storeで「17+(17歳以上対象)」、Google Playで「16+(16歳以上)」というカテゴリーになっているにもかかわらず、小学生や中学生の間でも高い人気を誇っているのが現状だ。

10代20代を対象としたテスティーの「荒野行動に関する調査」(2018年11月)を見ても、10代に特に人気があることがわかる。

見知らぬ人とつながりやすく親しくなりやすい

荒野行動ではボイスチャット機能があり、他の人と話しながらチームプレイができる。プレイしながらおしゃべりすることで親しくなったり、個人情報を伝えてしまいやすい面がある。その結果、未成年が知らない人と直接会ってしまうリスクが高くなるのだ。

ある男子中学生は、普段は学校の友人とプレイするが、知らない人ともプレイしたことがあるという。知らない人ともフレンドになっているが、理由は「チーム戦がやりたいから」。「話しながらプレイしたけど、普通の大人の男の人だった。近くに住んでいる会社員らしい」。

同ゲームでは、フレンドを探す時にGPSを使って「付近の人」を選んで追加することもできる。それによってお互いが近くに住んでいることがわかり、直接会ったりしやすい原因ともなっているのだ。

なお、その男子中学生がGPSをオンにしていた理由は、称号がほしかったからだ。直近の1週間で区域内で高い成績を残すと称号がもらえるのだが、そのためにはGPSをオンにして住んでいる区域設定をする必要があるのだ。

その他以前ご紹介したように、「#荒野行動フレンド募集」などのハッシュタグでTwitterなどでフレンドを募集する例も多い。フレンドになるとチームプレイを通して親しくなりやすい上、個別にメッセージを送り合うこともできてしまう。

時間があり会いに行きやすい長期休暇に注意

もちろん、危険なのは荒野行動だけではない。子どもたちはTwitterなどのSNS上で普段から知らない人とも交流しており、直接会うことにも抵抗がない傾向にある。しかし、その結果、成人男性による誘拐や性被害などの事件につながってしまっている。

もしまだ同ゲームで遊んでいないのであれば、アプリのダウンロードを保護者の認証制にしてもいいだろう。なお、iOSの「スクリーンタイム」なら「コンテンツ制限」から「Appを許可しない」「4歳以上」「9歳以上」「12+」のどれかにすると、荒野行動はプレイできなくなる。Androidの「ファミリーリンク」の場合は、「アプリの許可」「アプリの権限」をオフなどにすれば同様に制限できる。しかし、ゲーム自体が悪いものというわけではないし、既に遊んでいる子どもに使えなくしても不満を抱かれるだけだ。

既に述べたとおり、ゲームやSNSには知らない人と交流しやすい環境がある。交流するだけで、今回の事件のようなリスクも高まってしまう。その上、冬休みなど長期休暇中は、時間が自由になる上、保護者の目が行き届きづらくなるため、ネットで知り合った人と会いやすくなる。

保護者は、そもそも子どもがどのようなサービスを使っていて、どのような人たちと交流しているのかを日常の会話を通して把握しておこう。そして、なるべく知らない人とはつながらないこと、ネットで知り合った人と直接会わない約束を取り付けるといいだろう。また、このような事件が起きる度に子どもにリスクを伝え、話し合うことで、子どものITリテラシーを育てることが大切となるだろう。