「花粉99%カット」環境省紹介のマスク使用法 症状つらいとき市販薬の選び方は

(写真:PantherMedia/イメージマート)

 花粉の飛散がピークを迎えました。日本気象協会 によると花粉飛散量は北海道、東北を除く地域で前シーズンに比べて「やや多い」「非常に多い」傾向にあり、関東甲信では前シーズン比220%にのぼると報告されています。つらい花粉症に立ち向かうためにはどうすれば良いのでしょうか。誰にでもすぐにできる対処法と、それでも症状がつらいときの市販薬の選び方をご紹介します。

環境省が紹介する花粉を99%カットするマスク使用法

 花粉症対策の基本は、症状を起こす原因となる花粉を避け、できるだけ体の中に入れないことです。そのためにできる対処法のひとつがマスクの着用です。

 マスクは顔との間、特に頬や鼻との間にできた隙間から花粉が入り込むのを防ぐため、顔にフィットしたものを選びます。

 どのように自分に合ったサイズのマスクを選べば良いのかというと、日本衛生材料工業連合会 が次のように紹介しています。

【自分に合ったマスクの選び方】

1、親指と人さし指でL字型を作って、親指の先端を耳のつけ根の一番高いところにあてます。

2、続けて人さし指の先端を鼻のつけ根から1cmくらい下にあてます。

このときの親指から人さし指までの長さを測りましょう。測った長さに応じたマスクのサイズの目安は次の通りです。

・9-11cm:こども用サイズ

・10.5-12.5cm:小さめサイズ

・12-14.5cm:ふつうサイズ

・14cm以上:大きめサイズ

 マスクは吸い込む花粉の量をおよそ1/3~1/6に減らすと厚生労働省の「花粉症Q&A集 」に明記されています。つらい鼻症状を軽減する効果が期待できそうです。

 さらにマスクのはたらきを高めたい方には、環境省が「花粉症環境保健マニュアル2019」で紹介する「インナーマスク」を活用する方法があります。

 インナーマスクは不織布マスクの下につけるアイテムで、市販のガーゼとコットンさえあれば、誰にでも簡単に手作りできます。

【インナーマスクの作り方とつけ方】

■用意するもの

不織布マスク、市販のガーゼ、コットン

■作り方

1、ガーゼを縦横10程度に切ります。これを2枚用意しましょう。

2、コットンを丸めて1で用意したガーゼで包みます(これがインナーマスクです)。

3、不織布マスクの内側に1で用意したガーゼを四つ折りにしてあてます。

4、鼻の下に2で作ったコットン(インナーマスク)をあてます。

5、3で作ったマスクを装着します。

※もし息苦しかったらコットンの厚さを半分にします。

 この方法を用いると、なんと花粉を99%カットできるそうです。鼻症状がつらい人はぜひ挑戦してみたいですね。

メガネで目に入る花粉を1/2~1/3まで減らすことが可能

 花粉による目の症状がつらいという場合はメガネを着用して目に入る花粉を遠ざける方法があります。

 厚生労働省の「花粉症Q&A集」によると、メガネは目に入る花粉をおよそ1/2~1/3まで減らすことができると報告されています。

 花粉症用のメガネではなく普通のメガネでも構いません。メガネなしの場合、厚生労働省の資料「的確な花粉症の治療のために(第2版)」では、結膜の上の花粉の数が791個だったのに対し、通常のメガネの場合は460個と報告されています。

 花粉を寄せ付けないため、日々の暮らしのなかで工夫できることはまだあります。たとえば、外出時に身に着ける衣服の素材選びもそのひとつです。

 環境省の「花粉症環境保健マニュアル2019」によると、素材による花粉付着率は綿を100とした場合、ウールでは980と報告されています。ウールは綿に比べておよそ10倍も花粉がくっつきやすいのですね。

 なお、この花粉付着率の調査ではウール、綿という素材以外に化繊、絹についても付着率を調べています。花粉の付着率はウールが最も高く、化繊、絹、綿と報告されています。衣服選びの参考にすると良さそうです。

 ほかにもさまざまな工夫がありますが、すべてを実践しようとしなくても構いません。自分が取り入れやすいものから挑戦してみると良いでしょう。

【そのほかの花粉症対策】

・帰宅したら衣服や髪をよく払って花粉を家に持ち込まないようにする

・帰宅後、洗顔とうがいをして花粉を洗い流し、鼻をかむ

・花粉の飛散が多い日には布団や洗濯物の外干しは避ける

・念入りに掃除を行う

花粉避けても症状ある場合は「薬」活用する選択肢も 

 さまざまな工夫をしても花粉症の症状がつらい場合は、薬を活用する選択肢があります。

 そうとはいえ、「忙しくて受診が難しい」という方もいるでしょう。通院の時間がなかなかとれない場合には、オンライン診療という方法があります。

 オンライン診療は、スマートフォンなどのオンライン通信ができる端末、あるいは電話を使って、自宅で医師の診察を受ける仕組みです。この仕組みを使えば、病院に出かけることなく、自宅にいながら自分にぴったりの薬を医師に処方してもらえます。

 もしかかりつけのクリニックがオンライン診療をしていなかった場合は、市販薬を活用する方法があります。たとえば、これまで毎年花粉症で受診していて、いつもの薬で症状が安定している方が通院の時間が取れないときなどには、よい選択肢のひとつとなります。

 一方で「市販薬は便利だけど眠くなる薬は使いたくない」「眠くなりづらい薬が分からない」という方がいるかもしれません。そこで、眠くなりづらい市販薬をいくつか紹介したいと思います。

●抗ヒスタミン薬

 くしゃみ、鼻水だけではなく、鼻づまりも含めた全般的な症状の改善が期待できるのが抗ヒスタミン薬です。

 眠くなりにくい抗ヒスタミン薬としては、病院でもらうのと同じ成分の「フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラFX など)」、「ロラタジン(商品名:クラリチンEX )」があります。

 これらの薬は眠くなりにくく、集中力、判断力、作業効率の低下を起こしにくいことが確認されています。自動車運転などの操作の制限もありません。

 一方、抗ヒスタミン薬には多くの種類があるので、なかには眠気や無自覚の集中力低下といった副作用が出る薬もあります。また、前立腺肥大や緑内障など治療中の病気がある場合は症状を悪化させることがあるため注意が必要です。

●漢方薬

 日本アレルギー学会が作った「アレルギー総合ガイドライン2019」にはいくつかの漢方薬が挙げられています。そのなかでも、ドラッグストアなどで手に入れやすいのが「小青竜湯」です。薄い水っぽい鼻水が出るときなどに用います。

 なお、時々患者さんから「漢方薬には副作用はないのでしょう?」と聞かれますが、そんなことはありません。

 たとえば小青竜湯に含まれる生薬「麻黄」の成分「エフェドリン」によって不眠、動悸などの症状が出ることがあります。また「甘草」の成分「グリチルリチン酸」により、手足のだるさや脱力感が出て、適切な処置をとらずに放置したままにしておくと症状が重くなり、健康に影響を及ぼすことがあります。

●点鼻薬

 点鼻薬は噴霧するなどして鼻の粘膜に作用させる薬です。点鼻薬とひとくちにいってもさまざまな種類がありますが、眠くなりにくいのは「ステロイド」の点鼻薬です。くしゃみ、鼻水、鼻づまりという、鼻のつらい3症状の全てに効果があります。

 市販薬では、病院でもらうのと同じ成分の「フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名:フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用> )」、「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(商品名:パブロン鼻炎アタックJL<季節性アレルギー専用 >など)」等があります。

 使用する際の注意としては漫然と使い続けないことです。

 たとえば上記のフルチカゾン、ベクロメタゾンは「他のステロイド点鼻薬の使用期間も合わせて、1年間に3ヵ月を超えて使用しないでください」とあります。もし使用が3ヵ月を超えても症状が改善しない場合は、ほかの疾患が隠れているおそれがあるため受診がすすめられます。

 眠くなりにくい市販薬をいくつか紹介しましたが、ドラッグストアに行くとたくさんの花粉症対策の薬が置いてあります。

 どの商品にどの成分が入っているのかが分かりづらかったり、どの薬を選べば良いのか悩んだりするかもしれません。また、持病や現在飲んでいる薬がある方では、飲み合わせに注意を要する場合があります。

 ですから、少し面倒でも、事前に主治医や薬剤師に相談して、安全・安心に市販薬を使うようにしたいですね。

◇参考