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前広島カープ・山口翔、故郷熊本で再出発!「『小窪エピソード2』を作ろう」火の国サラマンダーズ入団へ

田尻耕太郎スポーツライター
火の国サラマンダーズのマスコット「さら丸」も大喜び・・・のはず(筆者撮影)

 広島東洋カープを今オフに自由契約となっていた山口翔投手が、来季は生まれ故郷の熊本でマウンドに立つ。

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズは29日、山口の入団が内定したと発表した。来月5日に熊本市内で入団会見を行う。

熊工エースで甲子園出場

 山口は熊本市南区出身の23歳右腕。地元強豪の熊本工業高校在学時から剛腕として名を轟かせた。1年秋からベンチ入りし、2年生春からエースに。同年夏の県大会2回戦・八代東高校戦では球威を活かして16奪三振の力投を見せた。そして3年生春にはセンバツ甲子園大会に出場している。

 なお、同じ熊本高校球界の同世代には今年セ・リーグで三冠王に輝いた村上宗隆内野手(九州学院、現東京ヤクルトスワローズ)や、4季連続甲子園出場を果たした秀岳館高校の田浦文丸投手(現福岡ソフトバンクホークス)がいた。

プロ初先発では7回1安打0封勝利

 2017年ドラフト2位で広島に入団。150キロ級の直球が魅力で2年目だった2019年5月7日の中日8回戦(ナゴヤドーム)でプロ初登板を飾ると、同年5月30日のヤクルト11回戦(神宮)でプロ初先発。7回1安打無失点と好投してプロ初勝利を挙げた。

 しかし、その後5試合先発を任されるも2勝目は遠く、一軍登板も同年限りだった。5年目だった今オフに戦力外。一軍通算は9試合登板で1勝3敗、防御率4.85だった。

 11月8日に行われた12球団合同トライアウトに参加。146キロの直球をマークし打者3人に対し、三ゴロ、三振、三ゴロと好結果を残していた。

神田代表兼GM「不思議な縁を感じております」

 山口の獲得にあたり、火の国サラマンダーズの神田康範代表取締役兼GMは次のようにコメントしている。

「この度、山口翔選手の火の国サラマンダーズへの入団が決まりとてもワクワクしております。熊本の期待の星としてNPBへ飛び込んだ山口選手ですが、この数年は彼にとって困難が多い時間でした。ただし、年齢的にも実力的にも必ずNPBに返り咲けると信じこの度故郷の球団としてオファーを出し、快諾して頂きました。また昨年、同じカープ出身の小窪哲也が当球団を経由しロッテに現役復帰するという快挙もあり、不思議な縁も感じております。オファーした時も、必ず『小窪エピソード2』を作ろうと約束をしました。しっかりチームの勝利に貢献し必ずや NPB に再び旅立つものだと信じております」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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