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3年目育成・荒木翔太が満塁本塁打!「人生で初めて」 ソフトバンク三軍が四国IL高知に勝利

田尻耕太郎スポーツライター
満塁ホームランを放ったソフトバンク・荒木(筆者撮影)

 5月17日、福岡ソフトバンクホークス三軍は、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で高知ファイティングドッグスとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。

【5月17日 定期交流戦 タマスタ筑後 267人】

高知     `000000111 3

ソフトバンク `02000104× 7

<バッテリー>

【FD】●有水、谷村、野里、松田――福井

【H】◯佐藤琢、山崎、井崎、木村――居谷

<本塁打>

【H】荒木

<スタメン>

【FD】9有田 6西川 3山田 D鳥井 4桑原 7早坂 8草場 2福井 5高橋

【H】9荒木 6藤野 3黒瀬 D石塚 8川村 4伊藤 2居谷 5勝連 7シモン

<戦評>

 ソフトバンクが勝利した。二回、走者を2人置いた場面で9番・シモンの飛球を相手中堅手が捕球できずに2点先制。六回は相手バッテリーミスで追加点を挙げた。そして、3-2で迎えた八回、2アウト満塁から1番・荒木が直球を左翼ポール際へグランドスラム。大きなダメ押しとなった。

 先発した佐藤琢は5回1安打無失点で勝利投手になった。2番手の山崎は入団後初登板。ストライク先行の落ち着いた投球で1回3者凡退と好投した。

 高知は5失策と守備が乱れたのが痛かった。(了)

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勝負の年、育成3年目・荒木翔太

 ソフトバンクの荒木翔太内野手が満塁本塁打を放った。八回2アウト満塁。高知4番手・松田の直球を「完ぺきに」とらえた。左翼ポール際への大飛球。「切れないでくれ」との願いが通じ、三塁塁審の手がぐるぐると回った。

「満塁ホームランは人生で初めて」。ダイヤモンドを一周すると、ベンチでは仲間たちが大盛り上がりで出迎えてくれた。

 熊本県出身。千原台高校から2019年育成ドラフト6位で入団して3年目になる。九州担当スカウトが熊本大会で見た豪快アーチに惚れ込んで指名した。身長184cmの大型野手は未来のスラッガーとして期待されている。

長打力自慢も、最近は足を評価

 しかし、入団後の主戦場は三軍で、公式戦出場はまだない。今季も前日まで、主に三軍戦の非公式戦で14試合出場、打率.129、0本塁打、1打点と振るわなかった。

 それでも14、15日の火の国サラマンダーズ戦(いずれもタマスタ筑後)では2戦連続で打順上位でのスタメン起用もあり、打席での感覚を取り戻していった。

「いま、足を評価してもらっているんです」

 先日、30m走のタイム計測があり、チーム上位となる3秒9前半をマークした。

「去年までより0.2秒くらい縮みました」

スクワットにハマる

 本人は明確な理由は分からないとしながらも、「昨年秋からハマっている、スクワットのおかげかな」と笑った。練習メニュー以外にも寮の自室で毎日のように励んでいるという。また、チームメイトからは「夜、ウエイトルームに行くと(投手の)村上と一緒によくトレーニングをしている。昨年まではあまり見かけなかった」との声も聞かれた。

 もともと内野手だが、今季からは外野での出場がメインとなった。この人生初グランドスラムが“勝負の3年目”の飛躍のきっかけにしたいところだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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