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「二刀流」再開で支配下めざす若鷹。桑原秀侍が6回2安打0封=ホークス三軍戦

田尻耕太郎スポーツライター
先発して6回無失点と好投した桑原(筆者撮影)

 5月8日、福岡ソフトバンクホークス三軍は、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で愛媛マンダリンパイレーツとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。

最終回サヨナラ機も決定打出ず

【5月8日 定期交流戦 タマスタ筑後 383人】

愛媛     `000000000 0

ソフトバンク `000000000 0

<バッテリー>

【MP】玉置、澤田――上甲

【H】桑原、村上、加藤洸――石塚、居谷

<本塁打>

なし

<スタメン>

【MP】4大城 5堀川 6仁木 9大本 2上甲 7渡邉 D竹次 3林 8杉野

【H】9早 4勝連 2石塚 3黒瀬 7川村 D三代 5伊藤 6ヘラルディーノ 9シモン

<戦評>

 両チームとも決定打が出ずにスコアレスドローに終わった。

 ソフトバンクはチーム2安打(石塚の中前打、藤野の二塁打)のみ。それでも8四球を選んで塁上を賑わせた。六回は2アウト走者なしから連続四球で走者を溜めたが、5番・川村が空振り三振に倒れた。九回裏は先頭から連続四球でチャンス。代打・舟越が送りバントを決めて1アウト二、三塁としたが、伊藤が右邪飛、藤野が二ゴロに倒れてサヨナラとはならなかった。

 先発した桑原は6回2安打無失点。その後は村上が2回、加藤洸が1回を投げて零封リレー。前日に続いて投手陣は無失点投球を見せた。(了)

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桑原秀侍、直球の力がアップ

 

 今季から本格二刀流に挑戦しているソフトバンク育成の桑原秀侍がこの日は先発マウンドに上がり、6回2安打無失点と好投した。

 序盤は「投げ急いで、頭が突っ込んでしまっていた」と反省したが、試合の途中で修正。フォームが良くなり中盤になるとボールの勢いが増した。ストレートは145、6キロをマーク。昨年までよりも力強さを増した。

「キャンプが終わって、ここ1、2カ月で体重が3キロほど増えました。筋トレもそうですが、食事量も増やしました」

 熊本県出身。20年育成ドラフト3位で神村学園高校(鹿児島)から投手として入団した。ただ、高校時代から打撃力には定評があり、鹿児島市の平和リース球場での試合では右中間席へホームランを放り込んだこともあった。

防御率2.08と安定。先日は野手出場も

 昨年の秋に球団から二刀流の挑戦を打診され、フェニックスリーグでは代打出場し、秋季キャンプから野手の練習もスタートさせた。今春の宮崎キャンプでは遊撃の守備に特に力を注いだ。すると小久保裕紀二軍監督に「人間はこんなにも早く成長するのかと驚かされた」と言わしめるほどの成長曲線を描き、能力の高さを改めて見せつけた。

 3月下旬から4月までは「投手としての練習が不足していた」との理由で、野手出場はしばらく見送られていた。その中で投手練習をしっかり積み、5月1日の大分B-リングス戦(別大興産スタジアム)では6回3安打1失点と好投した。

 そんな中、5月4日の火の国サラマンダーズ戦(リブワーク藤崎台)では代打で出場し、そのままセンターを守った。そして2打席目では左前安打も記録した。

 投手の方では11試合に登板して、防御率2.08と安定した結果を残す。打撃は若手の中でトップレベルのスイングスピードを誇る。桑原は「どちらでも支配下を取れるように」と力を込める。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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