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育成13位入団から下剋上だ。ソフトバンク佐藤琢磨が7回無失点!大学では阪神3位・桐敷と同級生

田尻耕太郎スポーツライター

 5月7日、福岡ソフトバンクホークス三軍は、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で愛媛マンダリンパイレーツとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。

1番・早が決勝打

【5月7日 定期交流戦 タマスタ筑後 370人】

愛媛     `000000000 0

ソフトバンク `00000002× 2

<バッテリー>

【MP】馬淵――上甲

【H】佐藤琢、木村――加藤晴、居谷

<本塁打>

なし

<スタメン>

【MP】4大城 5堀川 6仁木 9大本 2上甲 7渡邉 D竹次 3林 8杉野

【H】9早 7舟越 3石塚 D黒瀬 8川村 5三代 4勝連 2加藤晴 6ヘラルディーノ

<戦評>

 投手戦の均衡が破れたのは八回裏のソフトバンクの攻撃だった。先頭の居谷がフルカウントからきっちり見て四球。続くヘラルディーノの送りバントで相手守備が乱れて無死二、三塁とした。ここで打順は1番に戻り早がセンター前へ2点タイムリーヒットを放った。早はこの日2安打。また、4番に座った黒瀬も2安打をマークした。

 先発した佐藤琢は7回3安打無失点。2番手の木村も2回1安打無失点で完封リレー。白星は木村についた。

 愛媛は馬淵が完投する力投だったが、打線が援護できなかった。元ソフトバンクで今季は愛媛のキャプテンを務める大本は「4番右翼」で出場したが、4打数無安打に終わった。(了)

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佐藤琢磨に感じた無限の伸びしろ

ソフトバンク・佐藤琢磨(筆者撮影)
ソフトバンク・佐藤琢磨(筆者撮影)

 ソフトバンク先発の佐藤琢磨投手は育成13位ルーキー。その左腕が丁寧な投球でアウトの山を築き7回3安打無失点、7奪三振、3四球と快投した。

 入団時は「スピードにこだわりたい」と話し、元F1レーサーと同姓同名なことから話題になったが、今は考え方を変えてマウンドに立っている。「力感なく、バランスよく投げることを心掛けています」。直球は140キロ台前半から中盤ほどだ。それでも、愛媛の打者は差し込まれていた。十分に力のあるストレートを投げ込んでいた。

 前回登板だった4月30日の大分B-リングス戦(別大興産スタジアム)でも5回3安打1失点と好投。先発として安定した投球を続けているが、左腕は驚きの告白をした。

「大学時代は全然先発していないんです」

大学ではリリーフ専任

 新潟医療福祉大の同級生には、阪神ドラフト3位の桐敷拓馬がいた。

「彼が初戦に投げてたけど、2戦目は僕じゃなくて別の投手でした。練習試合とかで何度か先発をしたこともありますけど、投げてもせいぜい4、5回でした。なので、7回を投げたとか、100球以上(この日106球)投げたとかは高校以来だから、何年ぶりだって感じです」

 経験がない分、逆に伸びしろは無限にある。ちなみに「運転が得意」という佐藤琢磨だが、育成選手のうちは愛車を所有しないと決めている。まずは支配下登録の目標を叶えて、福岡の街を疾走したい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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