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ソフトバンク武田翔太「やっと投げられた」。三軍・徳島戦で実戦復帰し、148キロ2回無失点

田尻耕太郎スポーツライター
タマスタ筑後で登板した武田

 4月20日、福岡ソフトバンクホークス三軍は、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で徳島インディゴソックスとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。

ソフトB4番・石塚が3安打4打点

【4月20日 定期交流戦 タマスタ筑後 342人】

徳島     `001000003 4

ソフトバンク `00020013× 6

<バッテリー>

【IS】中山、大木――北村

【H】武田、中道、岡本、アルメンタ――加藤晴

<本塁打>

なし

<スタメン>

【IS】6森田 7茶野 8井上 3坪井 5平尾 9益田 D武岡 2北村 4古川

【H】6小林 8早 4周東 3石塚 5伊藤 9山本 7荒木 2加藤晴 D居谷

守備に就いた周東
守備に就いた周東

<戦評>

 ソフトバンクは4番に座った石塚が4打数3安打4打点と活躍した。1点ビハインドの四回裏には2点左適時二塁打。八回裏にも連続ヒットを放った早、藤野を塁上において2点適時打を中前に運んだ。また、この回には山本の右前適時打でも追加点を挙げた。

 なお、周東が昨秋の右肩手術後初めてセカンドの守備につき、5イニング出場した。打撃では第2打席に右前安打を放って2打数1安打だった。

 投手陣は先発した武田が2回無失点。2番手中道が4イニングを投げて、3番手の岡本は2回1安打無失点と好投した。

 徳島は先発した中山が切れのいいボールを投げ込んだ。結果的に8回途中で6失点したが、内容のあるピッチングを見せた。(了)

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武田翔太「こんなこと5年に1回くらい」と苦笑い

マウンド直前には「不安になった」というが、それでもしっかり2回無失点
マウンド直前には「不安になった」というが、それでもしっかり2回無失点

 ソフトバンク・武田翔太投手が今季初の実戦登板に臨んだ。

 武田は春季キャンプ序盤だった2月6日のキャッチボール中に右肩付近に違和感を訴え、「広背筋付着部炎」と診断されて離脱。以降は筑後の球団施設でリハビリを続けていた。

「やっと投げられました。久しぶりなので、まずはしっかり打者に対して自分の投げたいボールを投げることをテーマにしていました」

 初回から貫禄十分の投球を見せた。先頭打者を詰まった遊直に打ち取ると、2番・茶野は146キロ直球で空振り三振に仕留めた。3番・井上の初球にはこの日最速の148キロを計測。次の2球目には武田の武器であるカーブを投げて二ゴロに仕留めた。

 二回は先頭に安打を許すも、1死後は連続三振を奪ってきっちり零封。2回で26球、1安打、3奪三振、無失点の内容だった。

「内容はまだまだですけど、投げられただけで前進。一軍の戦力になれるように準備をしたい」

 この日は試合前ブルペンの調子が悪く「こんなこと5年に1回くらいの状態。力んだのかな」と苦笑いで振り返る状態でマウンドに上がったが、それでも試合の中でしっかり結果を出すあたりが武田の非凡なところだ。

「ちゃんとやるべきことはやりながらになるけど、急いで。チームの力にならないといけない立場ですから。段階もあるけど、早く戻りたい」

 昨季は12試合に先発して4勝5敗ながら防御率2.68と安定した投球を見せていた。今年は自主トレの段階から「昨年以上にボールが指にかかっている」と話し、この復帰戦の直前も「去年より感覚が良い」と自信をうかがわせる。今季プロ11年目の背番号18の右腕が、これから出遅れを取り戻す。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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