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火の国サラマンダーズの細川亨監督、松岡功祐総合コーチ、吉村裕基選手兼コーチが1年限りで退任

田尻耕太郎スポーツライター
優勝セレモニーでマイクを手にファンに挨拶をする細川監督(今月23日、筆者撮影)

 プロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズは28日、細川亨監督、松岡功祐総合コーチ、吉村裕基選手兼コーチに対し、契約期間満了につき、来季の契約を結ばない旨を通知したと球団公式サイトならびに球団SNSで発表した。

 細川監督は西武ライオンズ、ソフトバンクホークス、楽天イーグルス、ロッテマリーンズの4球団で通算1428試合に出場した名キャッチャーだ。昨年限りで現役引退し、火の国の初代監督に就任。今季始動した「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」の初代チャンピオンに導いた。

松岡コーチ(筆者撮影)
松岡コーチ(筆者撮影)

 松岡コーチは熊本出身の御年78歳。大洋ホエールズで11年間の現役を過ごした後は、同球団でコーチやスカウトも務めた。中国・天津ライオンズや母校・明治大学での指導歴もあり、2015年より中日ドラゴンズ二軍野手育成コーチ兼選手寮「昇竜館」館長も務めた。中日退団後に帰郷。今季は火の国のコーチとなり、三塁ベースコーチやノッカーなども務めて精力的に指導を行っていた。

 吉村選手兼任コーチは、今季選手としては28試合に出場して打率.312、リーグ2位となる3本塁打、15打点をマークしていた。NPB通算131本塁打のスラッガーは「体が動くし、自分で手本を示しながら」と選手たちと一緒に汗を流し、打撃だけではなく守備面についても選手たちと熱心に話し込む姿が印象的だった。先日は「僕としては(来季も現役を)やるつもりでいます。需要(契約してくれるチーム)があれば」と話していた。今後の去就が注目される。

 わずか1年で、4人中3人の首脳陣が退任となった火の国サラマンダーズ。SNS上には火の国ファンの悲しみや動揺の声が相次いでいる。球団公式サイトには「初年度を支えてくださった首脳陣には心より感謝申し上げます。またその他のスタッフや選手の契約については随時お知らせしてまいります」と書き添えられているが、3人のコメントがなく、それも悲しみを助長させる要因となっているのではなかろうか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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