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「チャンスに強い」ホークス3年目の野村大樹が2戦連続打点。先発高橋礼は3回零封

田尻耕太郎スポーツライター
塁上で笑顔の野村(中央・筆者撮影)

 6月25日、ウエスタン・リーグ公式戦。福岡ソフトバンクホークスとオリックスバファローズがタマホームスタジアム筑後で対戦した。

高橋礼が先発で3回無失点

【6月25日 ウエスタン・リーグ公式戦 タマスタ筑後 818人】

オリックス  000100002 3

ソフトバンク 000010000 1

<バッテリー>

【B】山崎颯、齋藤、◯金田(1勝1敗)、S黒木(2セーブ)――フェリペ

【H】高橋礼、高橋純、奥村、川原、渡邉雄、●椎野(1勝1敗)――海野

<本塁打>

なし

<スタメン>

【B】8佐野皓 6宜保 9来田 4太田 7佐野如 D大下 3勝俣 2フェリペ 5元

【H】Ⅾ牧原大 8釜元 9上林 3リチャード 7柳町 5井上 4野村 2海野 6川原田

先発した高橋礼(筆者撮影)
先発した高橋礼(筆者撮影)

<戦評>

 1-1の九回表、6番手の椎野がオリックス3番・来田に適時二塁打を浴びるなどして2点を勝ち越された。八回表に2死満塁から登板してそのピンチはしのいでいたが、最後は踏ん張れなかった。

 ソフトバンク打線は5安打のみ。得点は1点ビハインドの五回に野村が放った同点の適時二塁打だけだった。最終回は走者を2人置いて一発サヨナラの場面を作ったが、期待の4番・リチャードが遊ゴロに倒れた。

 先発したのはサブマリン右腕の高橋礼。当初は大竹が先発予定だったが、コンディション不良から倉野コーチに登板回避を勧められていた。倉野コーチは「本人は行けると言っていたが、こちらで止めた。なので大ごとではない」と話した。

 現在ファームで中継ぎ調整をしている高橋礼は3イニングを投げて3安打2四球無失点の結果だった。(了)

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野村大樹「調子は良い。弾けています」

五回に右越え同点二塁打を放った野村(筆者撮影)
五回に右越え同点二塁打を放った野村(筆者撮影)

 同点二塁打を放った野村大樹内野手は2試合連続で打点をマーク。「調子は良いです。狙った球をしっかり弾けています」と笑顔を浮かべた。五回2死二塁、オリックス先発で好投していた山崎颯の148キロ直球を右方向へ打ち返した。打球は右翼手の頭を超える長打となった。

 打席での意識を変えている。「積極性を大事にしていたけど、どんな球でも振りに行き過ぎていた。今は落ち着いて打席に立つことで、見極めが出来ています」。また、打球方向も左中間狙いから右中間狙いへ。先輩の三森大貴のアドバイスだったという。「反対方向に意識を置くことで、際どいコースなどはファウルで逃げられるようになりました」。

 早稲田実業から入団して3年目。上背はないが、高校通算68発の打撃力が持ち主だ。特にアピールポイントにしているのが勝負強さだ。

 この日は同点打。前日24日の阪神戦(タマスタ筑後)では終盤八回に決勝2点タイムリーを放ち4打数2安打2打点と活躍した。さらに20日の広島戦(由宇)でもタイムリーを打っており、これは先制の一打だった。

 今季ウエスタン・リーグでここまでの成績は41試合出場で打率は.241と平凡だが、打点18はチーム内3位の好成績だ。

「得点圏打率は前の日の時点で.382だったので、たぶんこれで.393か.394に上がると思います」

 試合直後にここまで細かな数字を自ら話してくる選手は珍しい。逆に言えば、それだけ強いこだわりを持っている証だ。

 右打ち内野手はリチャードや増田珠といった先輩だけでなく、ルーキーの井上朋也ら人材豊富。ライバルたちに勝つために何が必要か、野村は日々必死に考えている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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