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ホークス川瀬が今季初昇格アピール打! 5月は月間打率4割オーバー

田尻耕太郎スポーツライター
ショートでフル出場。勝利のハイタッチに加わる川瀬(背番号00)・筆者撮影

 5月26日、ウエスタン・リーグ公式戦。福岡ソフトバンクホークスと阪神タイガースがタマホームスタジアム筑後で対戦した。

谷川原が途中出場で4打点

【5月26日 ウエスタン・リーグ公式戦 タマスタ筑後 無観客】

阪神     000020200 4

ソフトバンク 00000502× 7

<バッテリー>

【T】岩田稔、●加治屋(1敗1セーブ)、石井将、鈴木、エドワーズ――片山

【H】◯二保(3勝0敗)、椎野、S大関(1勝1敗3セーブ)――九鬼

<本塁打>

【T】片山2号

<スタメン>

【T】6木浪 4北條 3板山 9井上 8小野寺 D中谷 7高山 2片山 5高寺

【H】9佐藤直 4三森 7増田 3リチャード 8柳町 5野村 D黒瀬 2九鬼 6川瀬

3勝目を挙げた二保(筆者撮影)
3勝目を挙げた二保(筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクが3連勝。首位中日にゲーム差0と迫った。

 集中攻撃で逆転した。0-2の六回裏だ。1点を返してなおも無死満塁で増田の代打・谷川原が中越え3点三塁打を放って試合をひっくり返した。続くリチャードの内野ゴロで谷川原が生還して、この回一挙5点を挙げた。八回裏も谷川原の犠飛などで2点を追加。谷川原は4打点の活躍だった。

 先発した二保はテンポの良い投球。ただ、中盤以降に要所を締められずに7回9安打4失点の結果だった。(了)

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川瀬晃の打撃意識。今の一軍にニーズがあるのでは?

 川瀬晃内野手が3打数2安打で打率.311まで上昇させ、ウエスタン・リーグの打率ランキングでも3位に浮上した。

 5月に入り好調だ。月間成績は27打数11安打。打率にして.407にもなる。

「4割ですか!? 嬉しいです。今は積極的に打ちにいきながら、ボールを見極めることを心がけています。甘い球はしっかり打つ。だけど、ボール球は振らないし、状況を見たチーム打撃も大切にしようと考えています」

 積極的に打つ意識により、打席での準備が早くなった。「今まで受け身になってファウルになっていた打球が、しっかり前へ強く打ち返せるようになりました」。第3打席の右二塁打はそれを体現した形だった。

 また、チーム打撃に対する意識がいまは強い。試合前に2か所で行うフリー打撃のマシンで打つ時間は、すべてチーム打撃を意識した練習を行っている。

「状況を考えて打撃に立てる余裕も出てきました。去年一軍でたくさん経験させてもらったのが大きかった。代打でバントという試合もありましたし、1つのバントや内野ゴロで試合の行方が決まるんだということを身をもって感じましたから」

「今宮さんに勝つ」気持ちは変わらない

 今春の宮崎キャンプはA組で奮闘。工藤公康監督から「野手の中では、この1ヶ月を通して一番元気があったのは川瀬くんだったかなと思います」とキャンプ総括では真っ先に名前を挙げられた。

「今宮さんに勝って、ショートのポジションを獲りに行きます」

 敢えて先輩に対するライバル心をむき出しにする言葉を発し、自分にプレッシャーをかけた。大きな声を上げてリーダーシップを発揮し始めたのも「ショートを獲る」という意気込みの表れだった。

「その気持ちは今も大切にしています」

 近頃は2番最強論が定着し、ソフトバンクでも柳田悠岐外野手が起用されることがある。しかし、ソフトバンクは1番に俊足自慢の周東佑京内野手が座る。となれば、2番には川瀬のようなチーム打撃重視タイプが座るのも面白い。相手ピッチャーに球数を投げさせることができるのも彼の長所だ。

「いつ呼ばれても大丈夫ですと言えるよう、準備はして行きます」

 吉報はそろそろ届くだろうか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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