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6年目の一軍デビューへ。キャンプA組のホークス谷川原健太が「柳田悠岐との自主トレ」で得たもの

田尻耕太郎スポーツライター
ホークスの谷川原健太(昨年9月、筆者撮影)

 今季6年目を迎えるソフトバンクの谷川原健太。自主トレ師匠である柳田悠岐から得たアドバイスと持ち前のユーティリティ性で、今季こそ一軍初出場を果たすとの覚悟を示した。

強い打球を打つコツ

 この時期に一緒にトレーニングをするようになって3年目。「今までの中でも特に充実感があった」と振り返った自主トレでは、「強い打球を打つ」ことをテーマにしてバットを振り込んだ。

「今までのスイングでは弱い部分があった。柳田さんからは『体が開いている。だから、スイングした後に体が流れて足が動く』と言われたので、振り切った後もその場から足がズレないように心掛けて練習しました。両足で地面をかむ感覚。あとはゴロを打たずに、出来るだけ遠くに飛ばすことだけを考えました」

野球を楽しむ

 プロ入り当初から打撃力には定評がある。上背はさほどないが、がっしりした体つきからフルスイングをする。豊橋中央高校時代は41本のホームランを放った。柳田も「良いものは持っている。チャンスをもらえれば結果は出せるはず」と太鼓判を押す。

 ただ、現実的にチャンスは多くない。それを掴めないまま5年間が過ぎていった。昨年は5月下旬に一軍の紅白戦に呼ばれてPayPayドームで打席に立ったが、まったく結果を残すことが出来なかった。シーズン中も二軍で打撃が振るわず、9月途中まで打率1割台と低迷した。

「柳田さんにも『おまえはメンタルだ』と言われる。試合で打たなきゃいけないという気持ちが強過ぎて、それが悪い方向に出ていた。柳田さんを見ていると楽しそうに野球をやっている。自分だって好きで始めた野球です。その気持ちをもって、リラックスして臨みたい」

「三刀流」も大きな武器

 谷川原には他の選手にない武器がある。本職は捕手だが、内外野も守れる。いわゆる三刀流選手だ。それだけならば、昨年ブレイクした栗原陵矢も同じだが、谷川原の場合はセカンドやショートで試合に出場するだけの能力を持っている。

「去年のキャンプは完全に野手組の練習をしましたが、今年はキャッチャーミットも作っていますし、捕手も内野も外野も練習することになると思います。大変かもしれないけど、やりがいはある」

 28日に発表された春季キャンプの選手組み分けではA組入りを果たした。「去年の栗原さんの活躍は刺激になっています」。まずはこのキャンプで見違えるような打球を飛ばし続け、首脳陣に全力アピールをしたい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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