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ホークス育成の捕手2人が「初」本塁打の競演!三軍はタマスタ今季全日程を終える

田尻耕太郎スポーツライター
試合後は堀内(左)が若鷹スピーチを行った。右は藤本三軍監督

スチュワートJr.が5回無失点

 10月13日、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で、福岡ソフトバンクホークス三軍と愛媛マンダリンパイレーツがタマホームスタジアム筑後で対戦した。

 

【10月13日 定期交流戦 タマスタ筑後 231人】

愛媛     000000010 1

ソフトバンク 00210020× 5

<バッテリー>

【MP】菅原、平松――福田

【H】スチュワートJr.、田浦、重田――堀内、石塚

<本塁打>

【H】堀内、渡邉陸

<スタメン>

【MP】4新井 3有間 9潤米 5小笠原 D岡村 8植田 2福田 7中西 6真山

【H】7水谷 4増田 D大本 3黒瀬 8中村宜 5小林 9舟越 2堀内 6勝連

<戦評>

 ソフトバンクが愛媛に連勝。三軍の今季タマスタ筑後最終戦も快勝で飾った。

 三回、増田と黒瀬の適時打で2点を先行。四回には堀内の左越え本塁打で1点を追加した。堀内は2打数2安打の活躍だった。そして七回は代打出場の渡邉陸が右翼へ2ランを運びダメ押しした。

 先発したスチュワートJr.は制球に苦しみながらも5回3安打無失点。2番手の田浦は2回無失点だった。(了)

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堀内汰門、2桁背番号復帰を目指して

堀内は高校時代に通算22本塁打を放ったパンチ力の持ち主
堀内は高校時代に通算22本塁打を放ったパンチ力の持ち主

 どちらも「打った瞬間」だった。

 まずは三回だ。スタメンマスクの堀内汰門捕手がレフトへ会心の一発を放った。「今年初めて。去年の韓国遠征以来ですね。全部三軍戦ですけど、プロに入って3本目だと思います」。その前の打席でもヒットを放っており、2打数2安打の活躍だった。

 今季が6年目。育成ドラフトで入団し、4年目だった2018年には支配下登録入りを果たして「背番号39」でプレーをした。しかし、2年間一軍出場を果たせずに今季から再び「背番号144」の育成選手に逆戻りしていた。

渡邉陸「打てる捕手」が目標

今後の成長が楽しみな渡邉陸(中央)。左は水谷、右は大本
今後の成長が楽しみな渡邉陸(中央)。左は水谷、右は大本

 もう一本の本塁打は七回、2年目の渡邉陸が放った。「めちゃくちゃ気持ち良かったです」。ホークスのユニフォームに袖を通して初めてのアーチに試合後も興奮がさめない様子だった。鹿児島の神村学園から入団。ただ、出身は熊本だ。小学生時代は「西原村学童野球クラブ」でプレーをした。このクラブには工藤公康監督が、熊本地震以来ずっと復興支援活動の一環として野球教室へ足を運んでいる。

参考記事リンク・ホークス球団公式サイト

マスクを被っても猛アピール

 バットで魅せた2人だが、守備でもキラリ光るプレーを見せた。堀内は先発したスチュワートJr.を好リード。決して調子が良くない中で配球を工夫して5回無失点に導いた。「カーブの制球が定まらなかったので、使いどころを考えました」。以前は投手が首を振るとそれに従うだけだったが、今はしっかりとコミュニケーションをとりながら自身の配球を伝えることができるようになった。スチュワートJr.との試合中に「日本語と英語を混ぜながら」何度も会話をしていた。

 一方の渡邉陸は、この日はレフトを守った。一塁や外野での出場が多い。腰を痛めていたのがその理由だったが、前日の12日の試合では「約1年ぶり」にマスクを被った。「体はもう大丈夫。打てる捕手を目指したい。守備力向上はもちろんですが、この秋は打撃力アップをテーマにしたい」と意気込んだ。

(※写真はいずれも筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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