「鷹のロマン砲」にやっと出た! リチャードが“公式戦初ホームラン”

待望の「1号」本塁打が飛び出したリチャード内野手(筆者撮影)

ドラフト1位佐藤直樹が公式戦デビューで走攻守に輝き

 6月28日、福岡ソフトバンクホークス二軍は、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ公式戦で阪神タイガース二軍と対戦した。

【6月28日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 無観客】

阪神     000000100 1

ソフトバンク 22102510× 13

<バッテリー>

【T】●飯田(0勝1敗)、高野、横山、浜地――片山、藤田

【H】◯大竹(2勝0敗)、古谷、板東、奥村、杉山――海野

<本塁打>

【H】釜元1号、リチャード1号、野村1号、水谷1号

<スタメン>

【T】8島田 4熊谷 3板山 9井上 D俊介 7中谷 2片山 6小幡 5遠藤

【H】8真砂 6川瀬 7中村晃 D内川 9佐藤 5リチャード 3野村 2海野 4古澤

公式戦初出場した佐藤外野手(筆者撮影)
公式戦初出場した佐藤外野手(筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクが16安打13得点の猛攻で圧勝した。

 初回に中村晃の2点二塁打で先制すると、二回には古澤の適時打と川瀬の犠飛、三回は野村の左前適時打と得点を重ねた。元同僚の飯田を攻略した若鷹たちは、2番手の高野に対しても攻撃の手を緩めない。五回には釜元とリチャードの2者連続本塁打、六回は代打・大本の2点二塁打や野村の2ランなどで一挙5得点を加えると、七回には途中出場の水谷にランニング本塁打も飛び出した。

 1番スタメンの真砂が4打数4安打、野村は3安打3打点。釜元は途中出場ながらいずれも長打の2安打2打点と気を吐いた。

 また、ドラフト1位ルーキーの佐藤が公式戦初出場。「(中村)晃さん、内川さんの次の5番は嬉しかったです。最初は緊張しましたが、良いプレーも出来た」。初回にプロ初盗塁を決め、二回の守備ではライトからのレーザービームで打者走者を二塁でアウトにした。三回の第2打席では左中間を破る打球で三塁打。走攻守に躍動した。

 投げては先発の大竹がテンポ抜群の投球で5回1安打無四球無失点の内容。板東と杉山は3つのアウトをすべて三振で奪った。

 阪神は投手陣が崩壊状態の中で、4番手で登板した浜地は1回を3者連続三振に抑える好投を見せた。(了)

 

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「ゴンっ」と詰まっても

 これぞロマン砲だ。グシャッと少し詰まった打球音がしたが、白球は左翼ポール際へ一直線に飛んでいった。そして、フェンスの向こう側の防球ネットに突き刺さった。

 五回無死、リチャードがウエスタン公式戦1号本塁打を放った。

「打ったのは少しインコース。バットが遅れて出て遠心力を使えて打てた。『ゴンっ』って詰まってたけど。自分の中でやっと開幕です」

 待望の一発だった。この試合を迎えるまで18打数2安打0本塁打と大不振。「そろそろ一本欲しいです」と飢えに飢えていた。

「今はいろいろ試しながらやっています」

 目の前の結果も欲しいが、先を見据えながらプレーをしている。引き出しの数はどんどん増えている。この日も本塁打を打った次の打席でも、敢えて打ち方を変えてみた。1つ1つが勉強の毎日だ。

記念ボールはいらない

 今春はキャンプからオープン戦にかけてずっと一軍に帯同した。2月23日のオープン戦・オリックス戦(清武)では球場奥の林に打ち込む特大アーチを放った。さらにPayPayドームでの紅白戦でもバックスクリーン弾。そのアピールが届いて、3月16日に「背番号52」での支配下登録を勝ちとった。

 期待値は膨れ上がっている。しかし、リチャードにはまだ土台がない。一軍での活躍ですっかり薄れていたが、昨年の活躍もすべて三軍でのもの。二軍公式戦では8試合、13打数1安打という実績しか残せていない。まずはNPBレベルの投手との対戦を重ねながら、多くのことを学ぶ必要がある。

 だから、この本塁打は今季1号であり、プロ公式戦1号の本塁打だった。

 同じ試合で公式戦初安打を放った佐藤直樹や、公式戦初本塁打(ランニング)の水谷瞬が記念球を受け取っていたが、リチャードは「え、ボール?」とまったく気にしていなかった。

「オープン戦のボールも手元にない。欲しいのは一軍での1号本塁打ボールです」

 将来を嘱望される大砲のその言葉、とても頼もしかった。