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ホークス開幕ローテが見えてきた。和田、ムーア好投で「決まりつつある」

田尻耕太郎スポーツライター
上り調子の和田投手(筆者撮影)

和田、ストレートの威力が戻った

 2人の左腕が開幕ローテ入りへ大きく前進した。

 4日、今年初めてナイターで行われた福岡ソフトバンクホークスのオープン戦。福岡PayPayドームでのヤクルト戦の先発マウンドに上がったのは和田毅投手だった。

「立ち上がりは強い真っ直ぐを投げられるか、がテーマでした」

 初回、2番・山田哲人を141キロで空振り三振。続く塩見泰隆には139キロ直球が甘く入ってしまう明らかな失投で左中間スタンドへソロ本塁打を許したが、続く4番の雄平を139キロでまたも空振り三振に仕留めた。

「ようやく自分の中でストレートにいい感覚が出てきました」

 宮崎キャンプ中からなかなか調子が上がらなかった。夜も宿舎に戻れば、部屋の大きな窓を鏡に見立ててシャドーピッチングを行った。その場で何か思い出したと眠りについたが、翌日グラウンドに行くとズレが生じてしまう。苦しんでいた。

「工藤監督から軸足の使い方の部分の話もしてもらい、2日前から良い感覚が出てきた」

 予定の球数に近い61球を投げて、4回3安打1失点。奪三振は毎回の5つを数えた。工藤公康監督も「良かったと思います」と高評価を与えた。

ムーア153キロ計測!走者を置いても落ち着き

ムーア投手も貴重な左腕(左・筆者撮影)
ムーア投手も貴重な左腕(左・筆者撮影)

 もう一人、工藤監督を喜ばせる好投を見せたのがマット・ムーア投手だ。六回から3番手で登板すると、150キロ台の直球を連発。雄平に対しては151キロ、153キロで追い込み、続く球も153キロ直球を外角低めに決めて見逃し3球三振を奪ってみせた。2イニング目には2安打を許したが、落ち着いたマウンドさばきは変わらない。カーブも有効に使って本塁を踏ませなかった。ムーアは2回3分の2を投げて2安打無失点。8アウト中5つを三振で奪った。

「前回は1イニングだったけど、今日は球数を投げることができたし(43球)、3アウトを取ってベンチに座り、またマウンドに行って投げるということも出来た。これは試合でないと経験できないこと。順調です」

 工藤監督は開幕ローテについて、「決まりつつあります」とコメント。ムーアは開幕カードのロッテ戦、和田は2カード目のオリックス戦での先発が有力視される。

 5日も福岡PayPayドームでヤクルトとのオープン戦がナイターで行われる。先発予定は石川柊太投手。こちらも開幕ローテ入りが有力視されており、当確ランプを灯す好投に期待がかかる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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