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ソフトバンク・バレンティン、五輪最終予選は不参加の意向。新天地でのシーズン優先へ

田尻耕太郎スポーツライター
ソフトバンクへの入団会見を行ったバレンティン外野手(筆者撮影)

東京五輪には出場したい

 ヤクルトからソフトバンクに移籍し、29日にヤフオクドームで入団発表を行ったウラディミール・バレンティン外野手が会見後の取材の中で、オランダ代表が参戦する4月の東京五輪・世界最終予選には参加しない意向を明らかにした。

 バレンティンは「予選には参加しない。(オランダ代表が)東京五輪に出場することになれば、出場したい」と話した。

 東京五輪の野球競技には6か国が出場する。現時点で開催国の日本、欧州・アフリカ予選優勝のイスラエル、「プレミア12」でアジア最上位の韓国、米大陸最上位のメキシコが、五輪出場を決めている。

東京五輪予選とNPBペナントレースの開幕がダブる

 まず5チーム目を決めるのが米大陸予選で、3月22日から5日間、アメリカ・アリゾナ州で行われる。米国、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ニカラグア、コロンビア、キューバ、ベネズエラ、カナダの8か国から1位チームに出場権が与えられる。

 そして最後の6チーム目を決めるのが世界最終予選。4月1日から5日間、台湾・台中で開催される。米大陸予選の2位・3位チームのほか、中国、台湾、オランダ、オセアニア予選1位の計6チームが総当たりで“最後のイス”を争うことになっている。

 バレンティンが仮にオランダ代表として世界最終予選に出場した場合、3月20日に開幕するペナントレースを数試合欠場しなければならなかったが、バレンティンはソフトバンクでの戦いに集中することを選択したようだ。

デスパイネらキューバ勢は代表参加か

 ソフトバンクではキューバ勢のデスパイネやグラシアル、モイネロが昨年11月に行われたプレミア12に出場しており、1月19日にキューバ野球連盟が発表した五輪予選の代表最終候補にも名を連ねている。キューバ代表の戦績次第で、ソフトバンクはシーズン開幕から2週間以上もこの3選手が不在の中での戦いを余儀なくされる。加えてバレンティンも不在となれば、工藤公康監督としては大きな痛手となるところだったが、それは避けられることになった。

 この日、入団発表に臨んだバレンティンは「強いチームでのプレーが夢だった。それが叶った」と繰り返した。また、「30本塁打、40本塁打を打ちたいと思っている。自分が打つことが、チームの勝利に貢献することだと思っています。60発打てればもちろん最高です」と笑顔で活躍を誓った。「今度の本拠地は(ドーム球場だから)1年間同じ環境の中でプレーできる。それは間違いなくプラス。昔と違って、今はホームランテラスもあるから」と自信を見せた主砲が新天地でどれだけの数字をたたき出すのか、非常に楽しみだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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