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全米ドラ1の鷹スチュワート、雨中の3軍戦で149キロ6回零封「成果が出た」

田尻耕太郎スポーツライター
悪コンディションも関係なし!(筆者撮影)

育成の尾形、2回打6連続K快投

8月25日、ソフトバンクの3軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で高知ファイティングドッグスと対戦した。

【8月25日 定期交流戦 タマスタ筑後 247人】

高知     000000000 0

ソフトバンク 02000070× 9

<バッテリー>

【FD】●ガルシア、竹内、宮川、高橋――金子、松田

【H】○スチュワートJr.、岡本直、尾形――堀内

<本塁打>

なし

先制打の古澤(筆者撮影)
先制打の古澤(筆者撮影)

<戦評>

 雨の中で行われた試合はソフトバンクが完封リレーで勝利した。

 先発のスチュワートJr.は6回無失点。足元がぬかるむ中でも集中力を切らすことなく投げ抜いた。また、3番手の尾形は八回から登板して2イニングを6者連続三振の快投を見せた。

 打線は二回に1番古澤の2点左翼線二塁打で先制。そして七回には集中攻撃だ。1点を追加してなおも無死満塁で5番大本が中越え2点二塁打を放つと、8番堀内の適時内野安打や2番水谷の2点中前適時打などで一挙7点を奪って試合を決めた。

 高知戦は前日24日が雨天中止となっており、その代替試合が26日14時からタマスタ筑後で行われる予定になっている。(了)

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スチュワートJr.修正能力の高さ見せた

 10代らしからぬ大人の投球だった。

 全米ドラフト1位の評価を受けながらも日本球界行きを選択したソフトバンクのスチュワートJr.投手が先発。試合前から雨が降り続ける悪条件の中、6回まで投げて、104球、4安打、3四球、5奪三振で無失点に抑える粘り強い投球を見せて白星を手にした。

「雨? そういう時もありますから」

 意に介さない様子だったが、初回だけで3四球を与えた。ただ、逆にいえば、2回以降は持ち前の制球力を取り戻した。見事な修正能力だ。

「自分の中では2回からというより、初回に2、3人投げた時点で修正は出来ていた。しっかり前で球をリリースすることを意識した」

 この日は150キロ超が一度もなかったが、走者を置いたり追い込んだりした場面では明らかに球速が上がった。足元が悪い中でも最速は149キロをマークした。

 3軍で経験を積む全米ドラ1右腕。「今日は牽制で走者を刺せたし、クイックもできた。前回の登板で課題だったことを練習して、その成果が出たのは嬉しいね」と笑顔だった。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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