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悪夢よ、さらば!ホークス水曜初勝利で、1日で首位返り咲き

田尻耕太郎スポーツライター
勝ち投手になった大竹投手(筆者撮影)

 9度目でようやく勝った。

 ホークスは29日のオリックス戦(京セラ)を5対2で制し、今季初めて水曜日のゲームで勝利した。前日の敗戦で2位転落していたが、この日でチームは連敗を3で止めると共に、楽天が敗れたため首位再浮上を果たした。

 苦しい布陣で戦う中でも健闘を続けるホークス。しかし、なぜか水曜日には勝てなかった。以下、ここまでの軌跡だ。

4月3日  ※△H0-0B

4月10日 ※●H2-3F

4月17日 ※●H0-1M

4月24日 ※●H2-3B

5月1日   ●H0-9E

5月8日   ●H7-8E

5月15日 ※●H4-5L

5月22日 ※●H3-7L

5月29日 ※○H5-2B←NEW!

 見てのとおり、紙一重の試合ばかりだった。5月8日の楽天戦などは八回表終了時まで7対3とリードしていたにもかかわらず、八回裏に2点を返され、九回裏に3失点して逆転サヨナラ負けを喫するという悔しすぎる敗戦だった。

 投打の歯車がほんのわずか狂っていた。特にシーズン序盤は、ピッチャーの好投に打線が援護できなかった。

大竹が今季2勝目。打線は二桁安打で援護

 水曜日に主に先発ローテで順番が回ってくるのが大竹耕太郎だ(上記の表で「※」がついている試合で先発)。無援護に泣いた左腕は4月未勝利。ようやく今季1勝目を挙げたのは5月2日だったが、それは木曜日の先発登板だった。

 29日の京セラドームで先発した大竹は6回2失点。そして、この日の打線は左腕を早々に援護した。初回にデスパイネが先制打、二回には川島の幸運な内野安打がタイムリーとなった。運が向いてきたことを実感する一打だ。この日はチームとして二桁安打をマーク。2対2の四回には釜元が決勝の2点適時打を放った。釜元はプロ初となる3安打猛打賞の活躍だった。

 6回2失点で今季2勝目を挙げた大竹は「今日はフォームにバラつきがあって、なかなか修正することが出来なかった。インコースを狙ったボールが甘くなったり、高めに抜けたりしたところも反省点です。先発で6イニングでマウンドを降りることになってしまったので、もう1イニング2イニング投げるためにはどのようにしていくべきなのか考えていきたいです」と手放しで喜べる投球内容ではなかったが、次回登板までの修正期間において白星は何よりの良薬となる。

 また、水曜日に勝てていなかったチーム状況も気にしていたようで、「出来るだけ早く(悪い状況を)消したいと思っていた」と少し笑顔を見せた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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