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「魔球」を操る左腕。ルーキー田浦文丸のプロ1年目は・・・

田尻耕太郎スポーツライター
好投した田浦

3番古澤が活躍

 9月25日、福岡ソフトバンクホークスの3軍は、関西に拠点を置くベースボールファーストリーグ(BFL)の選抜チームと練習試合を行った。

【9月25日 練習試合 タマスタ筑後】

BFL    000001000 1

ソフトバンク 21120004× 10

<バッテリー>

【BFL】遠藤、山口、宮前、服部――浅川、山北

【H】中村晨、野澤、笠谷、田浦、児玉――堀内、樋越

<本塁打>

古澤

<戦評>

本塁打を含む2安打3打点の古澤
本塁打を含む2安打3打点の古澤

 ソフトバンクが相手のミスを見逃さずに得点を重ねた。初回、四球の走者を置いて3番・古澤が左翼へ2ランを放ち先制。2、3回は相手失策の間に加点し、4回は古澤のタイムリーなどで得点した。6回に野澤が1点を失ったが、8回は樋越、松本龍の連続適時長打などでダメ押しした。先発の中村晨は5回2安打無失点も、制球に課題を残した。(了)

田浦文丸、悔しい1年目を取り返すための秋へ

 1年目の田浦文丸が久しぶりにタマスタ筑後のマウンドに立った。

故障での離脱が約3か月間と長引き、9月20日の巨人3軍戦(ジャイアンツ球場)で実戦復帰。1回無失点と好投していた。ちなみに、秀岳館高校の1学年先輩の九鬼とプロ入り後初めてバッテリーを組み、「懐かしかった」と振り返った。

 この日が復帰後2度めの登板。三振、投ゴロ、中飛ときっちり抑えた。「調子自体は普通だったと思います」。直球は常時140キロ台をマーク。武器であるチェンジアップも投げた。

「1年目のシーズンは、正直何も覚えていないというか、やっぱり怪我をしてしまったのが悔しいです」

チェンジアップを生かすため

 ドラフト5位入団の高卒新人ながら、甲子園での活躍や昨夏のU18ワールドカップで13回2/3を投げて29奪三振をマークしたことから注目を浴びたルーキー左腕。チェンジアップは“魔球”と称された。春先は安定感のある投球内容を披露し、笠谷や古谷ら先輩若手左腕にも劣らない高評価を得ていただけに残念なルーキーイヤーとなった。

 今後は秋季教育リーグのフェニックスリーグでの登板が予想される。「この秋は球のキレを出す練習に取り組みたい」。直球に磨きを掛ければ、チェンジアップも生きる。また、投球フォームの癖を修正することも今後の課題に挙げた。

(※写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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