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首位は阪神。若虎のしっぽが・・・ホークス2軍、逆転Vの条件は?

田尻耕太郎スポーツライター
タマスタ筑後の熱い声援も及ばず3連敗。試合後に挨拶をして引き上げるナイン

デスパイネ、中堅へ2号

 9月17日、福岡ソフトバンクホークスの2軍はウエスタン・リーグで広島東洋カープ2軍と対戦した。

【9月17日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,741人】

広島     000310002 6

ソフトバンク 010000003 4

<バッテリー>

【C】○高橋樹(2勝2敗)、永川、今村、長井――中村奨、白濱

【H】●笠原(3勝3敗)、川原、渡邉雄、二保、寺原――谷川原、堀内、張本

<本塁打>

【H】江川7号、デスパイネ2号

<戦評>

先発した笠原
先発した笠原

 ソフトバンクが3連敗した。

 二回に谷川原の中前適時打で先制したが、先発の笠原が四回につかまった。2つの四球でピンチを作ると赤松に同点打を浴び、続く庄司に勝ち越し打を献上した。さらに青木にも適時二塁打を許して3点を失い、この回までで降板した。五回は2番手川原も1失点、九回には寺原が2点を失った。

 九回裏に3番の江川が7号2ラン、途中出場で4番に入ったデスパイネが2号ソロを放ったが、反撃はここまでだった。また2番の城所が3安打と気を吐いた。

 また、実戦復帰3試合目の内川は「4番DH」で出場して2打数無安打で、復帰後初安打はまたもお預けに。デスパイネも3打数1安打1本塁打だった。(了)

2軍は「結果」ではない・・・だけど

 1軍がメットライフドームで首位西武に3連敗を喫した裏側で、2軍も2年ぶりのウエスタンVが遠のく3連敗と元気がない。

 19日からの首位阪神との直接対決3連戦を前に、勢いをつけたかった本拠地タマスタ筑後での広島3連戦は1つも勝てずに終わった。ゲーム差は「4」に広がり、阪神タイガース2軍の若虎のしっぽが徐々に遠のいていく。

 もちろんプロ野球は1軍が優勝を目指し戦い、2軍は「結果」だけを追い求める場ではない。しかし、小川一夫2軍監督は「試合をする以上、勝ちを求めていく姿勢は大切」とも話してきた。負けられない緊張感の中で、自分の力をどれだけ発揮できるか。それは2軍だとしても真価が問われるところだ。

 意地は見せた。16日の広島との2戦目はいきなり3点を先行されたが打線が追いつき、リリーフ陣も好投して追加点を許さなかった。だが、八回に1点を勝ち越されて敗れた。

 17日は敗色濃厚の九回だったが、江川とデスパイネが連続本塁打を放ってタマスタ筑後のファンを喜ばせた。デスパイネは3試合連続安打を放ち、2本塁打もマーク。この日はバックスクリーンへの一発ながらやや先っぽだったと言い芯を食った当たりではなかったが、それでも圧巻の打球だった。どっしりとした下半身がなければその飛距離は生まれない。「体は問題ないよ」と連日ながら、元気なところをアピールした。

ソフトバンク逆転Vの条件は?

 ウエスタン・リーグは1軍よりひと足早く閉幕を迎える。

 ソフトバンクは残り9試合、阪神は残り6試合だ。

 19日からは直接対決3試合を行う。ソフトバンクがこれを含む残り9試合に全勝した場合は70勝40敗6分となる。一方、阪神はソフトバンク戦を除く3試合を勝った場合でも69勝40敗7分にしかならないため、ソフトバンクの逆転自力優勝の可能性はまだ残されている。

 たとえ可能性が小さくなろうとも、ゼロでない限り目指して戦うのがプロだ。

 若鷹たちはどんな表情で、どんな姿勢で阪神3連戦を戦うのか。未来のホークスを担う逸材たちの熱いハートに期待したい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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