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デスパ、やっぱイイね!復帰初打席で特大弾。内川も出場=ホークス2軍戦

田尻耕太郎スポーツライター
復帰後初スイングで驚異の特大弾

阪神とのゲーム差「3」に広がる

 9月15日、福岡ソフトバンクホークスの2軍はウエスタン・リーグで広島カープ2軍と対戦した。

【9月15日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,298人】

広島     010500000 6

ソフトバンク 000002000 2

<バッテリー>

【C】床田、○加藤(5勝4敗1セーブ)、永川、今村、長井――中村奨

【H】●伊藤(4勝2敗)、松田遼、古谷、川原――張本、谷川原

<本塁打>

【H】デスパイネ1号 【C】高橋大10号、中村奨4号

<戦評>

 先発の伊藤が乱調だった。二回に高橋大に先制弾を許すと、四回に崩れた。まず先頭の中村奨にソロを献上。さらにメヒアにもタイムリー二塁打を浴びるなど、1死満塁で降板した。2番手の松田遼も悪い流れを止められず永井、曽根にタイムリーを打たれてこの回一挙5点を失った。

 打線は六回、この日が復帰戦のデスパイネの2点本塁打で反撃したが、その後は決定打を欠いた。デスパイネの他に途中出場でマスクを被った谷川原が2安打と気を吐いた。

 1軍と同様に逆転優勝を狙って2位につけるホークス2軍だが、3連戦初戦で痛い敗戦。この日試合のなかった首位阪神とのゲーム差は「3」に広がった。(了)

デスパイネ笑顔「大丈夫」

本塁打後にポーズも披露。コラス(144番)で見えず…
本塁打後にポーズも披露。コラス(144番)で見えず…
そのキューバの後輩と喜びを分かち合う
そのキューバの後輩と喜びを分かち合う

 打球音が違った。

 普段の2軍戦では聞いたことのないようなバットとボールの衝突音がした次の瞬間、打球はとてつもない勢いで左翼奥の防球ネットに突き刺さった。

 右膝の軽度の炎症で戦列を離れていたデスパイネが実戦復帰。六回、この日が同じく実戦復帰の内川聖一の代打で出場し、いきなり最高の結果を残してみせた。

 1ボール0ストライクからの2球目、最初のスイングで本塁打を放った。「手応え? ボールの行方を見てもらえれば分かるだろ」と笑い飛ばしたキューバの至宝は、フルスイングをした後も余韻に浸るように悠然と一塁へ駆けだした。打ったのは広島加藤の146キロのストレートだ。8月16日の楽天戦(ヤフオクドーム)以来、ちょうど1か月ぶりの打席でもひと振りで、しかも完璧に仕留めてみせた。さすがデスパイネ、の言葉しかない。

ヒット出塁で走塁も

 第2打席でも今村の直球をライト前に運んだ。そのまま一塁に残り走塁も行った。「膝の状態は問題ない。試合後のコンディションも大丈夫だ」と事実上のゴーサインだ。

 あとはチーム事情との兼ね合いだ。現在は上限4人の外国人枠に野手でグラシアル、投手でミランダとスアレスとモイネロが1軍登録されている。バンデンハークは登板間隔の都合で登録を外れているが、ここまで10勝を挙げており最近は好調だ。

 とはいえ、昨季2冠王の打棒は間違いなく大きな戦力だ。工藤監督にとって朗報なのは間違いない。

内川も1か月ぶりに打席「まだ出ただけ」

復調が待たれる
復調が待たれる

 さらに、先述したとおり内川も実戦復帰した。内川は8月16日に疲労性の体調不良で登録を抹消されており、同じく約1か月ぶりの出場となった。「3番DH」で初回の第1打席はセンターフライ。第2打席は空振り三振に倒れて、この日はお役御免となった。「まだ試合に出ただけ」と多くは語らなかったが、たしかな一歩を踏み出した。

(文中写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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