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「憧れは柳田さん」王会長も注目! ホークス20歳大本将吾はギータ2世だ

田尻耕太郎スポーツライター
表情にまだあどけなさも残るが、身長186cm、体重100kgの巨漢だ(筆者撮影)

先発尾形がノーヒット投球

5月14日、ソフトバンクの三軍は四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で徳島インディゴソックスと対戦した。

【5月14日 定期交流戦 タマスタ筑後 186人】

徳島     000002002 4

ソフトバンク 80000050× 13

<バッテリー>

【IS】竹内、ゾーゾーウー、伊藤、石本――内村、垂井

【H】尾形、吉住、中村晨、田浦――谷川原、張本、樋越

<本塁打>

【IS】谷田

<戦評>

ホークス打線が初回に大猛攻を仕掛けた。

無死一、二塁から3番・谷川原のタイムリーで先制すると、すかさず4番に起用された大本もタイムリーで追加点。その後も6番・茶谷、7番・森山の連続適時打。まだ勢いは止まらず、1番の田城がこの回2安打目となる2点打を放つと2番・松本龍の二塁打で生還した。これが8点目のホームインで、いきなり8得点のビッグイニングを作った。7回にも松本龍、張本、コラスの3連続タイムリーなどでさらに大きくリードを広げた。

投げては先発の尾形が3回無安打無失点。2番手の吉住は制球に苦しむも2回を無安打無失点に抑えた。(了)

大本将吾「吉本コーチの存在が大きかった」

凡退の打席でも一塁へ必死に走る姿には好感(筆者撮影)
凡退の打席でも一塁へ必死に走る姿には好感(筆者撮影)

「ずっとヒットが続いているんです」

 この試合で4番に座った2年目の大本将吾。初回の第1打席でタイムリーヒットを放った。今季の非公式戦(教育リーグや3軍戦)は13試合の出場で34打数17安打を記録。打率にして.500という好成績を残している。

 1年目の昨季は同じ非公式戦で打率.205しか打てなかった。何が変わったのだろうか。

「(3軍打撃担当の)吉本亮コーチの存在が大きかったです。去年は上から叩いて遠くに飛ばそうとやっていました。自分には合っていないのかなと思いながらも、他に方法が思いつかなかった。そしてオフのあいだの育成練習で、吉本コーチからアドバイスを貰い、レベルスイングというかアッパースイングでもいいという感じでバットを振るようになると、明らかに手応えが違ってきました」

「大学2年の頃の柳田より」で自信

 キャンプ中に右足小指の疲労骨折があり一時はリハビリ組に回ったが、打撃練習を視察した王貞治会長の視線を釘付けにしてお褒めの言葉ももらったという。

「目標は柳田さんです。程遠いですけどね」

 苦笑いを浮かべるが、福山龍太郎アマスカウトチーフからは「大学2年生の頃の柳田と比べると良いぞ」と声をかけられて自信を深めたという。

 長打力がウリと話す大本に今季はまだ本塁打がない。だが、この高打率だ。さらに「フェンス直撃は4、5本ありました」と18安打のうち二塁打5本、三塁打1本をマークしている。

 柳田もプロに入ってから数年間は「僕は中距離打者です」と話していたように、もともとはツボに入れば一発があるというタイプで、ミート力が上手な選手だった。それを証明するように広島経済大学時代には8シーズンで4度の首位打者を獲得した。

「その当時とはいえ、柳田さんと比べてもらえるのは自信になります。ホームランを打ちたいけど、今はそれほど強く意識せずにいい打球を打つことを考えています。ただ、僕の場合は足が速い方ではないので、よりバッティングでアピールをしていかないといけません」

 近い将来、急激な世代交代が迫られるであろうホークスの野手陣。若手の大砲候補をしっかりと育てていかなければならない。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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