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侍ジャパンMVP男「熊本のために」 ソフトバンクJr.星子が貫録の先頭打者アーチ!

田尻耕太郎スポーツライター
先頭打者アーチを放って笑顔の星子天真選手

U-12侍優勝メンバー MVPに盗塁王

今年で12回目を迎え、過去に松井裕樹(楽天)や森友哉(西武)、オコエ瑠偉(楽天)ら多数の現役プロ野球選手も輩出してきた「NPB12球団ジュニアトーナメント」。

28日の大会2日目、今大会最注目の選手が初陣に臨み、いきなりの大仕事をやってのけた。

福岡ソフトバンクホークスジュニアの星子天真。

今大会に5名出場している「U-12侍ジャパン」メンバーの一人で、先頃行われた「第9回 BFA U-12アジア選手権」で大会MVPと盗塁王に輝く活躍で、侍ジャパン大会初優勝の原動力となった。

仁志U-12監督「ズバ抜けた力」と絶賛

開会式では内川聖一(ソフトバンク)が見つめる前で堂々の選手宣誓もした
開会式では内川聖一(ソフトバンク)が見つめる前で堂々の選手宣誓もした

仁志敏久U-12侍ジャパン監督も「すべてにおいてレベルの高い選手。おそらく日本の同世代ではズバ抜けた力を持っている。代表では主にショートを守ったが守備範囲が広く、投手をさせても球も速い。もちろん打撃もいいし、足も速い」と大絶賛していた。

また、U-12侍ジャパンではキャプテンも務めた。

星子は熊本市で生まれ育ち、現在は「弓削キング」でプレーしている。「熊本を元気に」という思いから主将に立候補した。

「熊本のため。それに自分は率先してやるのが好きだから」

目配り、声掛けのキャプテンシー

ソフトバンクジュニアでもキャプテンを務めている。目配り、気配り、声掛けもきっちり出来ており、チーム関係者も「歴代のキャプテンの中でもしっかりしている方」と感心しきりだ。

28日、ソフトバンクジュニアの大会初戦は広島ジュニアとの一戦。いきなり先制点を奪われた中での1回裏、1番で打席に立った星子はライトへ大きな同点先頭打者本塁打をかっ飛ばした。試合は2対2の引き分け。ソフトバンクジュニアは決勝トーナメント進出をかけて同日の午後に北海道日本ハムジュニアと戦う。

ソフトバンクジュニアの馬原監督と
ソフトバンクジュニアの馬原監督と

侍戦士の兄から捕手道を学ぶ

また、ソフトバンクジュニアでは捕手として出場しているが、「所属チームでも代表でもやったことがない。兄から教えてもらいながらやっています」

兄の海勢は本職が捕手で、かつてソフトバンクジュニアでプレー。今年はU-15侍ジャパンのメンバーにも選出された素質の持ち主だ。

予選リーグ1試合目を終えて、「チームの雰囲気はよかったが、自分自身が緊張してしまった。プレッシャーのかかる場面でホームランを打てたけど、そのあとは打ち上げちゃいけないという意識からスイングが弱くなってしまった。その反省を次の試合に生かしたい。この大会で勝つためにみんなでここまでやってきた。全力で勝ちに行きます」と話した。小学生離れした落ち着いた口調と大人びたコメント力。今後の成長を見続けたい選手だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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