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元鷹・前ベイスターズの井手正太郎 トライアウトは「緊張もあったが、楽しめた」

田尻耕太郎スポーツライター
前ベイスターズの井手正太郎

D8位入団から来季16年目を目指しトライアウトへ

ホークスからベイスターズへと渡り歩いてプロキャリアは15年。今オフに横浜DeNAから戦力外通告を受けた井手正太郎が、11月12日に甲子園球場で行われたプロ野球12球団合同トライアウトに参加した。

「緊張したのは最初だけ。楽しんでやれました」

ニカっと笑うその表情はホークスにいた若き時代とあまり変わらない。「いやいやもうオッサンですよ(笑)」

入団したのは「福岡ダイエー」だった

プロ人生のスタートは「ダイエー」だ。‘01年ドラフト8位で入団。同じ日南学園高校でエースとして脚光を浴びていた寺原隼人が1位指名。井手は最下位の指名選手だった。それでもプロ3年目に1軍デビューを果たすと、6年目の‘07年は多村仁や大村直之ら強力外野陣が故障したことでチャンスをつかみ61試合に出場。翌‘08年には開幕スタメンにも名を連ねた。

しかし、故障が多く、‘10年開幕直後に吉川輝昭との交換トレードでベイスターズへと移籍した。新天地でもしぶとい打撃で毎年一定の活躍を見せたが、、今シーズンは1軍での出場が11試合、29打席のみだった。

「空振りをしなかった」

この日のトライアウトでは5打席に立った。

対戦投手結果

G香月   左前打

元S江村  三ゴロ

T鶴    二飛

M川満   一直

BS坂寄   左飛

5打数1安打。カウント1-1からの変則ルールなのでバッターはやや不利とされる。この結果はともかく、井手は「空振りがなかったし、三振もしなかった。追い込まれた状況でも前に飛ばすことが出来るのを示すことはできたかな」と振り返った。

希望はNPB球団との契約。「もし声がかからなければ、次の仕事も考えないといけない。それを考えると、いつまでもオファーを待ち続けるわけにもいかないのかな」。この時ばかりは厳しい表情になった。

数少なくなった「福岡ダイエーホークス」を知る男に朗報は届くのか。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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