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ムネリン2世だ! ドラ6新人の川瀬晃、打撃に光明

田尻耕太郎スポーツライター

ホークス3軍、9試合ぶりの白星

【8月3日 ホークス三軍定期交流戦 タマスタ筑後 563人】

愛媛MP   000100002 3

ソフトバンク 32000000× 5

<バッテリー>

【P】●柴田、佐藤宏、北方――佐藤秀、松浦

【H】○齋藤、山下、野澤、島袋――谷川原

<本塁打>

【P】ポロ

画像
先発した齋藤(上)と2番手で力投した山下の両左腕
先発した齋藤(上)と2番手で力投した山下の両左腕

<戦評>

前日の初戦に敗れたホークスがリベンジ。ホークス3軍としては7月6日以来、9戦ぶりに勝利を手にした。

初回に4番幸山、5番黒瀬の連続タイムリーなどで3点を先制すると、2回には1番川瀬のタイムリー二塁打と2番河野の適時打で2点を追加した。

先発左腕の齋藤は4回に制球を乱して失点したが、5回までを投げてその他の回は安定した内容。5回を3安打1失点でまとめた。2番手の山下は最速145キロ(自身最速は147キロ)をマークする力投で2回無失点。ルーキー育成の野澤も1回を零封した。

愛媛は最終回に4番に入ったポロが2ランを放ったが、反撃が遅く連勝とはならなかった。

(了)

川瀬晃、4戦連続安打3試合マルチ

川崎宗則と似た打撃フォームでもある
川崎宗則と似た打撃フォームでもある

新人の川瀬晃(ひかる)。このところ打撃が好調だ。

この日の愛媛戦は「1番ショート」で出場して4打数3安打。4試合連続安打でうち3試合がマルチ安打の固め打ちである。ここまで3軍戦は26試合に出場。打率.278(79打数22安打)、0本塁打、3打点、1盗塁の成績を残している。

大分商高からドラフト6位で入団した。体重63キロと体の線の細さはいかにも高卒新人といったところだが、担当スカウトは「川崎宗則(現シカゴ・カブス)が入ってきたころを思い出す」という。

川崎も入団まもない頃は非力で、3年目になって1軍に定着し始めた時期でも、まだ打撃練習で福岡ドーム(当時)の外野スタンドに打球を放り込むことがまるで出来なかった。

「木製バットに慣れてきた」

「佐々木(誠)コーチにアドバイスをもらってから、打撃の調子が上がってきました」

7月下旬の東京遠征で「バットをもっと水平に出すように」と助言を受けた。それまでボールを上から叩こうとする意識が強すぎるあまり、とらえるポイントを難しくしすぎていた。

「点で打つのではなく、線でとらえるという意識です」

バットの出し方を変えると、結果がついてきた。

「イメージは明石(健志)さんです。軽く振っているようで、打球がしっかりと飛んでいく。また、木製バットに慣れてきたのも大きいと思います。金属バットだと勝手にボールを弾いてくれるので当てるだけでよかったですが、木はしっかりと振って押し込まないといけない。最近は強い打球が増えてきました」

この試合でも引っ張って一塁手を強襲する二塁打を放った。

もともと食が細い方だが「最近はしっかり食べています。夏場でも体重は減っていません」という。石渡茂3軍監督も「彼は面白い存在ですよ」と評するセンスの持ち主でもあり、これからの成長が楽しみな若鷹だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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