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貧打ホークスの救世主へ! ファーム2冠の猪本健太郎が1軍に!

田尻耕太郎スポーツライター

タマスタに姿見せず、「大阪へ」

暗黒のホークス打線に光をもたらす救世主となるか。

強打自慢の猪本健太郎内野手が6日から1軍に合流する。同日、ウエスタン公式戦が行われるタマスタ筑後には姿を見せず、2軍チーム関係者によればすでに1軍遠征先の大阪へ向かったようだ。

猪本は6月2日に今季1軍初昇格したが、代打で2打席に立ちいずれも三振に倒れて同6日には2軍降格となっていた。

「1軍にいた期間は短かったが、その間は試合になかなか出られないわけだし降格直後は調子を上げていくのが難しいもの」と藤本博史2軍打撃コーチは語る。

しかし、猪本はファームに戻ってから打ちまくった。

降格後打率5割で首位打者、本塁打の2冠

強打に期待がかかる猪本
強打に期待がかかる猪本

降格後、7月5日までの15試合で無安打は2試合のみ。52打数26安打、打率.500、3本塁打、10打点をマークした。先月の2軍落ち時点で.278だった打率は.330まで跳ね上がり、現在はウエスタン・リーグの首位打者に立っている。前日7月5日は5打数5安打の固め打ちを見せ、「小学生以来です」と喜んだ。

さらに8本塁打もリーグ1位、32打点は同3位だ。6月29日の広島カープ戦(タマスタ筑後)では延長10回にサヨナラ本塁打を放っている。

猪本に好調の要因を訊ねると「細かい技術どうこうよりも、ピッチャーに向かって行けているのが一番。ヘンに結果に拘っていないのが良いと思います」と話した。

藤本コーチにやり「いきなりスタメンもある」

座右の銘は「一寸先はパラダイス」
座右の銘は「一寸先はパラダイス」

藤本コーチも「姿勢がいい」と頷く。

「練習前のアーリーワークに志願参加したり、試合後の特打に名前がない時はロングティーをしたり屋内で打ち込んだり。僕が思うのは、そういう姿勢が良かった。あとミスショットが減ったよね。今年初めの頃はとにかく振り回していた。フォロースルーの時は自分の首にラリアットするくらいにね(笑)。今は8分位の力で打てている。特にここ10試合くらいはそのような打ち方が出来ているね」

昨年までウエスタンで3年連続2桁アーチを放ったパワー自慢。2年前には本塁打王も獲った(3年前と昨年は2位)。

しかし、今季からファーム新本拠地となったタマスタ筑後は右打者には不利な風が吹く。「健太郎は5,6本ホームランを損してるんやないかな。昨日(5日)の左中間へのフェンス直撃の当たりだって、ヤフオクドームならばテラスを越えて楽々スタンドよ。この前何てセンターバックスクリーンに行ったと思ったと本人が話していた打球が、ライト前に落ちたんやから(苦笑)」

シーズン当初はアピールしたい気持ちが先行し過ぎていたが、自分の打撃を見つめなおして本来の打撃力を発揮できるようになった。

そして、藤本コーチは「いきなりスタメンもあるかもしれんで」とニヤリ。

猪本の座右の銘は「一寸先はパラダイス!」。ゼロ行進が止まらないホークス打線を天国モードへ導く起爆剤としての期待がかかっている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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