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若鷹5連覇へ逆転サヨナラ発進! 江川V打、超満員のタマスタ筑後に大歓声

田尻耕太郎スポーツライター

東浜8回1失点。スアレス1勝

満員札止めとなったスタンド
満員札止めとなったスタンド

【3月19日 ウエスタン・リーグ開幕戦 タマスタ筑後 3,113人(満員)】

広島     000000010  1

ソフトバンク 000000002× 2

<バッテリー>

【C】●中村祐(0勝1敗)――磯村

【H】東浜、○スアレス(1勝0敗)――細川、拓也

<本塁打>

【C】磯村1号

タマスタ筑後のビジョン
タマスタ筑後のビジョン

<戦評>

ホークスが逆転サヨナラで新本拠地「タマホームスタジアム筑後」でのウエスタン開幕戦を飾った。満員のスタンドの大声援を浴びたのは4番の江川智晃だった。

1点を追いかける9回裏、1アウトから真砂勇介がしぶとくライト前へヒットを放つと、続く上林誠知が右翼線へ二塁打を放ちチャンスを拡げた。1アウト二、三塁。直球をはじき返した江川の打球は前進守備の外野手の頭を越えて左中間に転がるサヨナラ安打となった。

先発した東浜巨は終盤に先制を許すも、8回1失点の好結果。9回の1イニングを無失点に抑えたスアレスが勝利投手となった。

カープは先発した中村祐太は切れ味抜群のストレートでホークス打線を抑え込んでいたが、完封目前で涙をのんだ。

カープの1点は磯村嘉孝のソロ本塁打。タマスタ筑後の記念すべき第1号を左翼へ放った。

逆転サヨナラ江川「声援に背中を押され、楽しめた」

江川、逆転サヨナラ打
江川、逆転サヨナラ打

鳴り物応援はない2軍戦。最終回、一打逆転サヨナラのチャンスで4番の江川智晃が打席に入ると、満員のスタンドからそれまでのうっ憤を晴らすかような大声援と拍手が沸き起こった。

自然発生の大応援に江川は「プレッシャーのかかる場面だったけど、背中を押してもらった。楽しめた」と振り返った。

今季12年目。ファームでは毎年のように本塁打王争いに加わる強打者だが、先日からファームに合流。開幕1軍を逃した悔しさを胸にこの試合に臨んでいた。それでも「野球をやるのに1,2軍は関係ない。やることは同じ。全力でやっていきたい。それにこっちには後輩たちがたくさんいて変なところも見せられない。いいお手本にもならないと」と前向きに話した。

喜ぶホークスナイン
喜ぶホークスナイン

水上2軍監督も感慨「素晴らしかった」

水上善雄2軍監督も劇的勝利に笑顔を弾けさせた。「筑後のファン、ホークスのファンの皆さんの熱さに乗っけてもらった。声援に応えた選手たちも素晴らしかった」と興奮が収まらない様子。

昨年までの雁の巣球場とは違い、タマスタ筑後の2軍公式戦は有料試合。「2軍とはいえ、プロとしての責任感が芽生える。その中でやれる若い選手たちは幸せなこと」と話し、若鷹たちのさらなる成長、飛躍に期待を寄せた。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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