Yahoo!ニュース

笠原大芽、4回ノーノー! 「地道に」1軍デビュー目指す

田尻耕太郎スポーツライター

牧原が2打席連続タイムリー

【3月16日  プロ・大学交流試合 小郡】

九州産業大  000000210 3

ホークス   00000022× 4

※特別ルール

【バッテリー】(ホークスのみ)

笠原、柿木、山下、伊藤大、吉本――谷川原、樋越、堀内

【本塁打】なし

【スタメン】(ホークスのみ)

9真砂 6牧原 8釜元 3李杜軒 7幸山 4古澤 5河野 D樋越 2谷川原

【戦評】

序盤は両チームの先発投手が好投し、得点どころかヒットも出ない展開。ホークス先発の笠原は4回1四球のみ、九産大の高良は5回パーフェクトの快投だった。

試合は7回に動きだす。先制は九産大。3四死球で満塁とし、1番・西山がセンターへ2点適時打を放った。

その裏ホークスが同点に。牧原のタイムリーと幸山の犠飛で追いついた。

8回表に九産大が代打・原國の犠飛でいったん勝ち越すも、8回裏にホークスが牧原の2打席連続タイムリーで同点。さらに金子将の内野ゴロの間に逆転に成功した。

最後はホークス5番手の吉本が無失点で締めた。

笠原ノーヒッターに「プロの意地」

今季こそ1軍へ、笠原が好投でアピール
今季こそ1軍へ、笠原が好投でアピール

ホークス先発の笠原大芽が大学生相手とはいえ、4回無安打無得点の快投を見せた。許した走者は四球の1人。切れ味鋭いスライダーを武器に5三振を奪った。

「腕がしっかり振れていました。プロの意地です(笑)」と口元を緩めた。投げ合ったプロ注目の高良一輝とは「中学生の頃に九州大会で出会ってからの知り合い」といい、「来年はプロに来ると思うし、負けたくなかった」と負けん気の強さも好投につなげた。

1軍登板がないまま、今季プロ4年目を迎えた。昨年は2軍公式戦で5試合の登板しかなく、1軍デビューのアピールさえできなかった。ただ、3軍では24試合、チーム最多の109回を投げた。成績は5勝6敗、防御率3.06だった。

いまは、目の前の1球に集中を

「キャンプ中に上の紅白戦に呼ばれたけど、あまりいいアピールが出来ずに悔しかった」。2回を投げて無失点に抑えたが、4本のヒットを浴びた。首脳陣に強い印象を残すことはできなかった。

「まずは地道に結果を残していきたい」

いま、野球に集中するのが難しい環境かもしれない。取材中には笠原自らその話題に少し踏み込んだ。それでも目の前の1球に集中して1軍デビューの道を開きたい。少なくとも筆者には、その覚悟が出来ているように映った。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事