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松中も来た、ホークスB組練習試合 育成6年目、伊藤大に成長の跡

田尻耕太郎スポーツライター

2月19日(金) B組練習試合 生目第2

かずさマジック 002000000 2

ホークス    000001010 2

【バッテリー】

(かずさ)玉井、山田、眞下、橘――土門、片野

(H)笠谷、伊藤祐、伊藤大、巽――斐紹、張本、堀内

【本塁打】

(かずさ)中野

【スタメン】

(かずさ)6田中健 9岡 4小泉 3澤山 2土門 D義山 8宮澤 5中野 7須貝

(ホークス)9上林 6高田 7真砂 D柳田 3猪本 4牧原 8釜元 2斐紹 5李杜軒

【戦評】

ホークスが終盤に追いついて引き分けた。3回、2番手の伊藤祐がかずさマジック8番の中野に先制弾を浴び、さらに連続長打を許して2点を失った。

ホークスの反撃は6回。1死一、三塁から牧原がライトへ大きな犠牲フライを放って1点差とした。ホークスB組は前回の試合で完封負けしており、これが15イニング目での今季初得点。そして8回、先頭の曽根が右前打で出塁すると、続く真砂が三塁線を破る長打(記録は二塁打)を放ち、曽根が一気に本塁生還した。その後もチャンスが続いたが、猪本の投ライナーが痛恨の併殺打となり勝ち越せなかった。

伊藤大智郎がコツつかむ「7,8割で」

ホークス3番手で登板した伊藤大智郎の好投が光った。5回から2イニングを投げて、味方失策で1人走者を許したのみ。力のある球で2つの三振も奪った。

しなやかな投球フォームで、迷いなく、内角を攻めた。外と内をきっちり投げ分けることが出来る。伊藤大も成長を実感する。

「おととしの秋に工藤監督から教わったゴムチューブトレはずっと続けています。去年まではマン振りで腕を振らないとイイ球が行かなかったですが、今は7,8割の力で球をリリースする瞬間だけ力が入るフォームで投げることが出来ています。コントロールも安定してきました」

好投した伊藤大
好投した伊藤大

「127」と今年こそ決別を

今季が6年目。背番号は入団以来、ずっと127番のままだ。

2010年の育成ドラフト同期組では千賀滉大、牧原大成、拓也が支配下枠をかちとり、1軍の舞台にも立っている。一方でホークスを含めた12球団を見渡しても、育成枠のまま6シーズン目を迎える選手はほぼ見当たらない(他例では巨人・成瀬功亮)。

1年前の春季キャンプでは工藤監督から何度も名前が出るなど、大きなチャンスを掴み掛けたが、右肩を痛めてしまう無念を味わった。「もう右肩は大丈夫。今年こそ」と、勝負を懸ける覚悟をのぞかせた。

真砂が外野手争いを熱くする

前々回記事にした真砂勇介がまたも好アピールだ。2打数2安打1打点、そして2度のスチールを決めた。18日にはA組の紅白戦に参加。1打席のみのチャンスだったが、きっちり四球を選んだ。また、同じ外野手で、1つ年下ながらA組の上林誠知もこの試合に出場し、3打数1安打という結果だった。ホークスの若手外野手争いがいい具合に白熱している。

松中が生目の杜に登場「オファーはまだ」

かずさマジックのベンチで試合を見守った松中
かずさマジックのベンチで試合を見守った松中

現役続行を目指しかずさマジックの練習に参加している松中信彦が、チームに同行して生目の杜に現れた。試合に出場しなかったが、試合前練習でフリー打撃を行い、試合中はベンチに入り声を上げるなどした。また、昨年までのチームメイトと旧交を温める姿があった。試合後に報道陣の取材に対応し、現在もオファーを待っている状況や、「(期限について)自分の中では区切りがある」ことなどを強調した。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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