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ありがとう「雁の巣球場」 ホークス2軍、“本拠地”有終の美

田尻耕太郎スポーツライター
チャンピオンフラッグを中心に記念撮影

上林が先頭アーチを含む3安打で首位打者確定!

今季のウエスタン・リーグ最終戦。そして“本拠地”雁の巣球場でのラストゲームはホークスがカープに快勝して有終の美を飾った。

広島     000111100 4

ソフトバンク 51000101× 8

【C】●小野(6勝4敗)、辻、佐藤、飯田――磯村、白濱

【H】◯スタンリッジ(3勝0敗)、岩嵜、嘉弥真、岡本、森福――鶴岡、斐紹

<本塁打>【H】上林10号

嬉しい首位打者&盗塁王に輝いた上林誠知
嬉しい首位打者&盗塁王に輝いた上林誠知

【戦評】

初回、1番・上林が10号先頭打者アーチで弾みをつけると、4連打でたたみかけカニザレス、鶴岡、真砂のタイムリーで一挙5点を奪った。2回の得点は上林のタイムリー。この日3安打を放った20歳の若鷹が打率.334で初の首位打者に輝いた。

先発のスタンリッジは5回2失点で勝ち投手になったが、被安打7、四死球4で課題は残した。2番手岩嵜も2回2失点でぴりっとせず。しかし、岩嵜は10勝、防御率1.66、勝率.833で投手3冠に輝いた。

雁の巣史上最多1550人の熱い歓声

試合前から内外野もぎっしり
試合前から内外野もぎっしり

雁の巣球場には朝早くからたくさんのファンが詰めかけ、週末限定で開放される一塁側芝生席も超満員に。来場者1,550人は雁の巣球場開催試合で史上最多の動員数だった。

1回裏、いきなり大歓声を沸かせたのは上林誠知。右中間スタンドへ10号先頭打者本塁打。ヒットを放てば首位打者をほぼ確実にする試合、さらに雁の巣ラストゲームとあって、今季1軍デビューを果たした若武者も「今日の試合が今年一番緊張しました」と振り返った。3安打を放ち、見事自身初の首位打者タイトルを獲得。走攻守に魅力たっぷりのハタチは「トリプルスリー? いや、僕は200安打の方がこだわりが強いですね」と未来を見据えた。

スタンドではたくさんのメッセージボードも掲げられた
スタンドではたくさんのメッセージボードも掲げられた

いつも以上の大きな声援。また、鳴り物はなく、打球音やボールを捕るグラブの音、選手の声が歓声に混じる、野球場としては最高の雰囲気の中で試合は行われた。

水上善雄2軍監督は選手やチームの裏方をはじめ、球団、そしてどんな時も熱い声援を送り続けてくれたファンへの感謝の思いを挨拶の中で述べた。「来季は筑後で、若い選手たちが熱い戦いをお見せすることを誓います」。

たくさんの思い出と感謝を胸の奥にしまい、若鷹の鍛えの地は来季から筑後へと移る。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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