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「悔しさ」が若鷹成長のスパイスに。19歳古澤勝吾が意地の3安打

田尻耕太郎スポーツライター

大場が5回2失点で1勝目

9月22日(火)、ホークス2軍は雁の巣球場で中日ドラゴンズと対戦した。両チームの対戦は今季最後。対戦成績は17勝6敗3分だった。

中日     010011000 3

ソフトバンク 21210100× 7

【D】●鈴木(1勝6敗)、濱田、阿知羅、野村、金子――赤田

【H】◯大場(1勝0敗)、嘉弥真、岡本、森福、巽――斐紹、鶴岡

<本塁打>【D】高橋周6号

【戦評】

ホークスの打線が序盤から得点を重ねた。初回、1番牧原がいきなり三塁打を放ちチャンスを作ると、続く曽根がタイムリーを放ち4球で先制。さらに塚田も適時打で追加点を挙げた。2回は曽根の内野ゴロの間に得点。3回は古澤の2点打、4回は猪本がタイムリー二塁打を放った。ホークス打線は4回までに13安打をマークした。

先発の大場は5回3安打2失点で今季1勝目を挙げた。

夏に打撃不振で3軍落ち

大場投手(左)の「若鷹スピーチ」に笑顔を見せる古澤選手
大場投手(左)の「若鷹スピーチ」に笑顔を見せる古澤選手

高卒1年目の古澤勝吾が3打数3安打と活躍した。2軍戦では初の1試合3安打だった。「9番ショート」でスタメン出場。「夏場にバッティングの調子を落としてしまい、3軍落ちとなってしまいました」。およそ1カ月半ぶりの2軍戦で好結果を出した。

「以前は自分の得意なコースを待っていましたが、今は外角低めの難しい球を意識するようになりました」

地元滋賀遠征に帯同できず「悔しかった」

2軍は20日(日)に守山市民球場で優勝を決めたが、古澤は地元滋賀の試合に帯同できなかった。「それが何より悔しかった」。応援席は「古澤勝吾応援団」がかなりの数詰めかけ、本人のいないところで「かっとばせ古澤」コールも沸き起こっていた。

「1年目はたくさんの経験をさせてもらいました。良い経験もしましたが、悔しい思いの方が多かった」。この先、そんな思いをしたくない。バッティングでは、さらにボールの「内側を叩くことを心がけています」とテーマに掲げている。バットを内側から出す基本のスイング。高校までの金属バットならば遠回りしてもボールは飛ぶが、木製バットではそうはいかない。高卒選手の誰もが通る壁を、古澤は懸命に越えようとしている。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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