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松坂大輔、敵は巨人打線より「寒さ」にあり=10日、長崎でG戦に先発

田尻耕太郎スポーツライター
長崎ビッグNスタジアムの外観(撮影は昨年のF球宴時)
長崎ビッグNスタジアムの外観(撮影は昨年のF球宴時)

長崎での巨人戦で4イニング予定

松坂大輔が明日、10日に長崎ビッグNスタジアムで行われる巨人戦に先発予定。オープン戦2度目の登板となる。

前回は4日、阪神戦(甲子園)に先発。3回を投げて球数57球、被安打4、奪三振と与四球はともに2、無失点の結果だった。中5日でマウンドに立つ巨人戦では4回を投げる予定だという。セ・リーグ3連覇中の巨人打線。同世代の村田修一をはじめ阿部慎之助らにどのような投球を見せるか、また、前回投球で露呈した「体の開き」などがどこまで修正できているか、今回もチェックすべきポイントは多い。

雪予報、最高気温は5℃

ところで、明日の長崎はかなりの冷え込みが予想されている。「Yahoo!天気」の8日午前11時の発表によれば、「雪のち曇り」の予報で、最高気温は5℃(前日比マイナス8℃)である。松坂は厳しい環境での登板が強いられることになる。

だが、メジャーリーグでは季節や地域によっては、さらに厳しい中で登板しなくてはならないことも多々ある。松坂ももちろん経験済みだ。2007年4月5日のメジャーデビュー戦がまさにそれだった。レッドソックスに入団した1年目、カンザスシティーでのロイヤルズ戦で初登板を果たしたが、強い寒波の影響で気温2℃の中で登板した。それでも7回を打者26人に球数108球で投げ切り、被安打6、奪三振10、与四球1、失点1の見事なピッチング。メジャー初登板初勝利を飾ったのだった。

極寒でも155キロマークの実績

日本でも西武時代の2006年4月21日、岩手県盛岡市での楽天戦は気温5度前後という中で、7回11奪三振1失点の快投。155キロをマークする圧巻の投球を見せたこともあった。当日は背中にホットクリームを塗り、尻ポケットにはカイロを入れてマウンドに上がったと当時報道された。

長崎は今季公式戦開催の予定がなく、年に1度のプロ野球、しかも「ソフトバンク×巨人」という黄金カードにチケットは残りわずかだという。そこに松坂の登板である。平日デーゲームとはいえ完売必至だろう。松坂には極寒を吹き飛ばす熱い投球を期待したいところだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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