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第2の大瀬良、梅野がココに! 全九州大学選抜がホークス3軍相手に完封勝利!

田尻耕太郎スポーツライター

プロ相手に12Kの完封リレー

両チームのスタメン
両チームのスタメン

8月6日、ヤフオクドームで福岡ソフトバンクホークス3軍と全九州大学野球選抜(九州六大学・福岡六大学・九州地区大学)の交流試合が行われた。

九州の大学球界、昨年は大瀬良大地(九州共立大→広島カープ)と梅野隆太郎(福岡大→阪神タイガース)がプロ入り。そして、彼らは早くも一軍の戦力として活躍している。今年の逸材は、果たして――。

注目度も高まっている中、その選抜チームが3軍とはいえ「プロ」を圧倒してみせた。試合結果は以下のとおり。

【8月6日 プロ・大学交流戦 ヤフオクドーム】

全九州大学野球選抜 000003000 3 H2 E1

ソフトバンク3軍  000000000 0 H5 E3

注目は浜田(九産大)と笛田(福工大)

全九州大学野球選抜のメンバー表
全九州大学野球選抜のメンバー表

選抜チーム投手陣が好投した。6投手で計12三振を奪う完封リレーだ。特に目を引いたのが先発した浜田智博(九州産業大学4年)と2番手で登板した笛田怜平(福岡工業大学3年)だった。

浜田は変則投法の左腕投手。率直な感想は日本ハムの武田勝そっくり。テイクバックした左腕を畳んで頭の後ろに隠す、独特なフォームがまさにそれだ。この日は2回を投げて許した走者は四球の1人のみ。立ち上がりこそ緊張感からか球が上ずっていたが、2イニング目はホークス3軍打線を完全に翻ろうしていた。また、球速は135キロ前後ながらこの日の8割以上は直球勝負というパワー系のピッチングも印象的だった。

過去記事を調べてみると、最速144キロ左腕とのこと。となれば、そのスタイルも納得である。今春の全国大学野球選手権にも出場しており、1回戦広島経済大戦では9回途中無失点の好投も見せている。リーグ戦(福岡六大学)では通算20勝。今秋のドラフト候補だ。

笛田はまだ3年生右腕だが、九州では話題の好投手だ。リーグ戦(福岡六大学)では1年生から登板しており通算13勝を挙げている。

この日配られた資料では身長186センチ、体重70キロとあったが、もう少し体重はありそうな印象。直球は140キロ台を常時マーク。変化球は110キロ台のカーブ(もしくは緩いスライダー?)が中心だった。ほぼその2種類で2回無失点の好投。2安打を浴びたが、危なげない内容だった。体格と球種では西武の岸孝之を連想するが、フォームをパッと見た第一印象は斉藤和巳(元ソフトバンク)だ。

また、日本文理大学3年の榮光貴は最速145キロをマーク。1イニングで2三振を奪ってみせた。

ただ、打線は3点を奪ったが、相手守備のミスによるもの。1試合で2安打ではやや寂しい結果をなった。

ホークス3軍に今感じる課題

一方でホークス3軍は先発坂田将人(4年目)が切れ味鋭いボールを投げて5回無失点。育成ルーキーの石川柊太、東方伸友が140キロ台の力のある直球を投げ込むなど成長の跡を感じさせた。しかし、2011年からスタートした3軍だが、特に今年はどうにも首を傾げたくなるような場面が多いように感じる。今季で4年目となり非常に意義のある制度だと思う。だからこそ、今一度、「原点」なり「意味」なり“何か”をしっかり考える時が来ているような気がするが…。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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